SFG、新たな体制で
現地2023年10月26日、サンフランシスコ・ジャイアンツは新監督してサインしたボブ・メルビン氏の就任会見を開きました。契約は2024年から2024年までの3年契約。ボブ・メルビンは、2023シーズン終了間際の9月29日に解雇されたゲイブ・キャプラー氏(Gabe Kapler)の後任です。
【YOUTUBE】Bob Melvin Introductory Press Conference | New San Francisco Giants Manager Speaks to Media
Bob Melvin 🤝 The City pic.twitter.com/bcPs308f7T
— SFGiants (@SFGiants) October 25, 2023
ゲイブ・キャプラーは、指揮を執った4年間で、ポストシーズンに出場したのは圧倒的な強さを誇った2021年のみ。2010年から偶数年に3度ワールドシリーズ・チャンプに輝いたジャイアンツはバスター・ポージーの調子如何がかなりの趨勢を握っていた面もあり、そのポージーが2021年にファイナル・イヤーとなり、その後はブランドン・クロフォードもピークを過ぎ、2022年からはちょうど世代交代に当たる時期でもあり、同時に結果も求められる難しさがあったのも事実です。
ザイディも同時に3年契約
さらにジャイアンツは編成トップで、POBO(President of Baseball Operation)のファーハン・ザイディ(Farhan Zaidi )の契約も同じタイミングで3年契約(2024-2026)で延長しています。ファーハン・ザイディのその前の契約は、2018年11月にサインした5 年 契約(2019-23) + 2024年クラブ・オプションでしたが、今回はオプション行使に+2年をつけた形で延長しています。
ザイディはドジャース時代はかなり優秀な評価のあったGMロールですが、ジャイアンツに移ってからはあまり力を発揮出来ていないように思います。アーロン・ジャッジ獲得に動いていたものの、カルロス・コレアに軸足を移したりと、資金の上限があるためか、今ひとつ方針がはっきりしていなかったのですが、このオフはどうなるでしょうかね??
パドレスからジャイアンツへの引き抜きは2度目
過去20年間でパドレスがジャイアンツに監督を引き抜かれたのは2度目。1度目は2007年シーズン前に現レンジャーズ監督のブルース・ボーチーです。ボーチーはその後、2年を経てジャイアンツを3度、ワールドシリーズ制覇に導きました。
パドレスはまだワールドシリーズ制覇を達成していません。
なお、今回の任期途中での引き抜きでジャイアンツからパドレスへの保証的な話はないということになっています。
パドレスがすんなり許可
この契約が衝撃的だったのは、ボブ・メルビンはパドレスの現監督であったという点です。パドレスとボブ・メルビンは2022年から2024年までの3年契約でサイン。まだ任期があと1年残っていたのです。にも関わらず、パドレスはジャイアンツからの面談要請をあっさりと承認。それはまるで「新監督してどうぞどうぞ!」と言わんばかりの潔さでした。
A.J. プレラーとの関係
パドレスの編成トップは言わずと知れたA.J. プレラー(A.J. Preller)。ここ数年、大型ディールを次々にまとめ、ドジャースの牙城を崩そうとチャレンジしているGMです。現在のポジションはPOBO(President of Baseball Operation)兼GM(General Manager)です。
今回のジャイアンツからの引き抜きはどうも、プレラーとボブ・メルビンの間の関係が修復不可能なほどこじれていたがゆえのディールのようです。そもそもは面談許可の時点で緊張関係が報じられ、プレラーは一旦はその報道に対して反論したものの、では結果はどうであったかというとあっさりとジャイアンツに渡したというくらいのものになったのでした。
パドレスの監督は頻繁に代わる
実際、これがここ10年のパドレスの監督の交代履歴です。2015年に1試合だけ指揮を執ったデーブ・ロバーツを入れて計7名。ロバーツを抜いたとしても6名です(抜く必要はないかもしれませんが)。
Season | Manager | GM/POBO |
---|---|---|
2022-2023 | ボブ・メルビン | A.J. プレラー |
2020-2021 | ジェイス・ティングラー | A.J. プレラー (2020〜POBO&GM) |
2019 | アンディー・グリーン ロド・バラハス(Rod Barajas) | A.J. プレラー |
2016 -2018 | アンディー・グリーン | A.J. プレラー |
2015 | バド・ブラック(Bud Black) デーブ・ロバーツ パット・マーフィー(Pat Murphy) | A.J. プレラー |
2013-2014 | バド・ブラック(Bud Black) | A.J. プレラー (2014〜) ジョシュ・バーンズ(Josh Byrnes) |
ジェイス・ティングラー、アンディー・グリーン、バド・ブラックの4名は解雇。シーズン途中に後を継いだデーブ・ロバーツ、パット・マーフィー、ロド・バラハスの3名は明確にそれではありませんが、次がなかったという点ではそうかもしれません。
なお、ボブ・メルビンには解雇を言い渡さずに済んだというレベルかもしれませんね。
2024年のボブ・メルビンのサラリーは$4Mだったとも言われており、その支払は免れました。メルビンもジャイアンツとのディールが成立したので、パドレスでの最後の1年分のことで揉めることはしないでしょう。
なお、2人の関係が修復不可能だった点はパドレスの選手が匿名で記者に裏付けたようです。
マイクロ・マネジメントあり?
これはどこまで真相かはわかりませんが、A.J. プレラーは現場へのマイクロ・マネジメントがあるとのこと。マイクロ・マネジメントとは細かすぎる指示で、指示ならいいのですがほぼダメ出しで自分のやり方以外は・・・というふうに受け取り側は思ってしまう管理手法です。
試合前のワークアウトの量を増やせなど、現場と対立する指摘などもあったようです。ホブ・メルビンは10年間アスレチックスの監督を務め、3度のMOY(最優秀監督賞)に輝いていますから、もしプレラーのマイクロ・マネジメントが本当なら、かなりやりにくかったでしょうね。
混沌とするNLウエスト
ドジャースは今後も強豪であり続け、今オフに使える資金も豊富と見ていいでしょう。むしろ2023年前は我慢していたような状況です。噂される大谷選手の獲得もあるかもしれません。Dバックスは今まさにワールドシリーズで善戦中。若いタレントが揃っている点で今後も良い状態をキープ出来そうです。パドレスは今のところまだスター選手はたくさんいるものの、2024年はソトがどうなるのか?にも注目です。
そしてジャイアンツも今ひとつ大きな動きが見えない点があります。頼みはこのボブ・メルビンという面も。メルビンはロスターの力を最大化させることに定評があります。MLBで20シーズンも監督を務め、特別強いチームを率いていた訳でもない中で、監督としての通算勝率.516はさすがだと言わざるを得ません。
ジャイアンツはオフの動きも注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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