2023 ALCS Gm3 HOU 8 @ 5 TEX (TEX 2-1リード)
現地2023年10月18日、レンジャーズの2連勝で迎えたALCS Gm3は、舞台をグローブライフ・フィールドに変えて行われました。
このゲームの注目はレンジャーズ先発のマックス・シャーザー。
マックス・シャーザーは9月13日付けでTeres major (大円筋)の張りによりIL入り。当初は少なくとも8〜12週間の欠場が予想され、シーズンの残りはもちろんのこと、ポストシーズンも無理だとみなされていました。しかし、とにかく投げることが大好きなサイ・ヤング賞を3度受賞した右腕は地道にリハビリに励み、9月26日にはブルペン・セッションを開始。10月7日にはLIVE BPも行い、ALDSのロスターからは漏れたものの、無事にALCSのロスターに入り、話題になっていました。
どこまで調子を取り戻したかが注目されましたが、ちょっと厳しい結果となりました。
シャーザー、ボールが走らず
1回表を三者凡退に仕留め、上々の立ち上がりを見せたシャーザーですが、4シームは93-95mphというところでやはりノーマルなシャーザーではありませんでした。
70mph台のカーブをうまく使い、緩急を見せる工夫をしていたものの、2回表にヨルダン・アルバレスへの死球をきっかけに2本のタイムリーを浴びて3失点。
3回表には先頭のホセ・アルトゥーベにPS通算25本目となるソロHRを浴び4失点目。4回表にはホセ・アブレイユに二塁打を許し、スイングの鋭いマウリシオ・ドゥバンにタイムリーを打たれ5失点目。シャーザーは4.0イニングを投げきり、63球を費やしました。被安打5、失点5、自責点5、BB1、HBP1、SO4、HR 1。
確かに2イニングにややボールが走り出したのですが、ベロシティー不足を力で補おうとした結果、コマンドに乱れが生じたという結果だったと思います。むしろショート・イニングでの登板であって欲しかったのですが、さすがにメジャーを代表する投手にそういったオファーは失礼なのでしょう。マネジメント的には任せるという姿勢を示すしかないでしょうね。難しいところですね。
クリスチャン・ハビエルはまた好投
アストロズ先発のクリスチャン・ハビエル(Cristian Javier)は、レギュラー・シーズンでは10勝を上げたものの(5敗)、ERAは4.56とキャリア・ワーストのシーズンでした。もともとBBは多い投手ですが、前年に比べてH9が5.4%から7.9%へ、HR9も1.0%から1.4%へ悪化。BB9は3.1%から3.4%への微増ですが、コマンドが悪かったので被安打増につながったようなシーズンでした。
ところが、ポストシーズンに入って調子が上がり、ツインズとのALCS Gm3では5.0イニングで1ヒッター、スコアレス投球を演じ、前年のワールドシリーズGm4でコンバインドノーヒッターを演じたあの投球を想起させる投球でした。
クリスチャン・ハビエルの2022年のPSの投球
Gm | Date | Opp. | Result | Innings | IP | H | R | ER | BB | SO | HR |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ALDS G1 | 10/11 | SEA | W,8-7 | 6-7 | 1.1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 2 | 1 |
ALCS G3 | 10/22 | @NYY | W,5-0 | GS-6 | 5.1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 5 | 0 |
WS G4 | 11/2 | @PHI | W,5-0 | GS-6 | 6.0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 | 0 |
この日は5.2イニングで被安打3、失点2、自責点2、BB1、SO3。ゲームスタートから15人中14人を凡退させ、ジョシュ・ヤングに2ランHRを打たれるまでは連続無失点イニングを20.1に伸ばしました。やはりポストシーズンに強いですね。
TEX、ALCS初のビハインド
このシリーズは過去2戦、電光石火の攻撃でゲーム展開を優位に進めてきたレンジャーズですが、この日は逆の展開に。さらにシャーザー降板後もクリス・ストラットン、ジョン・グレイが失点。ブルペンも危なかっかしい投球に。
攻撃の方は、5回裏から反撃。5回裏にはジョシュ・ヤングが2ランHRで2-5に。7回裏、2-7とリードを拡げられた状況でまたしてもジョシュ・ヤングが2打席連続の2ランHRを放ち、4-7と再び3点差に。8回裏にはアドリス・ガルシアがタイムリーを放ち5点目を奪うもブルペンが失点していたので、5-8に。
結局、このままアストロズが8-5のスコアで逃げ切り、ALCS 1勝目を上げました。
TEX、2アウトからの得点
この日のレンジャーズの得点はいずれも2アウトからのもの。2アウトまでになんとかしたかったところですが、考えようによっては淡白にならずに粘りの得点を上げたとも言えそうです。ちょっとリズムが狂いましたね。
行方は?
ポストシーズンの7戦シリーズにおいて、3試合終了時点で2勝1敗とビハインドだったチームがシリーズを制したのは148回中44回(30%)。また、2勝0敗で迎えて第3戦に勝利したチームは、50回中13回(26%)シリーズを制しています。統計的にもまだレンジャーズの有利に変わりはないですが、相性の悪いグローブライフ・フィールドでのアストロズ戦ゆえ、何が起こるかわかりませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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