フィリーズがNLCS2連勝
現地2023年10月16日から始まったDバックスとフィリーズによるNLCSは、フィリーズの投打が噛み合い、Dバックスを圧倒。フィリーズの2連勝となりました。
相変わらずのボリュームの大声援
フィリーズの快進撃を支えるのはフィールド上の選手たちだけではなく、地元の大声援もそうです。
16日のGm1では、ザック・ウィーラーがゲーム開始直後にコービン・キャロルから1ストライクを奪った時点でスタンドはピークとも言えるボリュームでウィーラーの投球を後押し。まさにホーム・フィールド・アドバンテージを選手たちに与えているのでした。
ロブロ監督は一歩も引かず
しかし、この大ボリュームに対し、Dバックスのトレイ・ロブロ監督はなかなかおもしろい反応をしています。Gm1を終えてこの大歓声について記者に聞かれたロブロ監督はこう答えました。
「予想通りだった。正直に言うと、チェイス・フィールドでのドジャースとの最終戦、5万人の大観衆に揺れたとき、私はファンを誇りに思った。同じ激しさ、同じボリュームだった」と。ロヴロ監督はさらに、「フィリーズのファンは とてもスマートで、とても熱心 」だと評価し、「全体的なサウンドは、前回のドジャース戦のホームで聞いたサウンドにとても似ている 」と。
ちなみにチェイス・フィールドのキャパシティは最大で49,033人。シチズンズ・バンク・パークのそれは43,500人です。
Gm1結果
少しも引いていないロブロ監督の態度はGm1のDバックスの面々にも現れていて、Gm1では初回にカイル・シュワーバーのリードオフHR、ブライス・ハーパーのソロHRで2失点を喫し、3回裏にはニック・カステヤーノスのソロHRで3点目、さらにその後も2本のタイムリーを浴びて前半5イニングまでにエースのザック・ギャレンが5失点を許したにもかかわらず、中盤にヘラルド・ペルドモのHRなどで3点を奪い、3-5と2点差まで追い上げました。
しかもザック・ギャレンのあとをリレーしたカイル・ネルソン、ミゲル・カストロ、ルイス・フリアスのブルペン時がスコアレス投球。
ゲーム開始直後はいったいフィリーズがどれくらい点を取るのか?というスタートでしたが、前半の5失点のみで食い留めたところはさすがでした。
Gm2結果
現地2023年10月17日のGm2も、またしてもスタンドからは大声援が飛んでいましたが、その裏ではGm1で頑張ったDバックスのブルペン陣の勢いがまだ残っており、先発のメリル・ケリーは初回にトレイ・ターナーにソロHRを浴びて先制点は許し、3回裏にはカイル・シュワーバーにソロHRを浴びて柄点を許したものの、5イニングまではたったの2失点と好投しました。
フィリーズは花火が派手ではあったものの、なかなかリードを拡げられず苦戦しました。
ただ、Gm2は6回にDバックスの守りの緊張感が切れてしまいました。メリル・ケリーが先頭のカイル・シュワーバーにこの日2本目となるソロHRを浴びて、0-3に。ケリーは四球を1つ出しアウトを2つ取ったところで降板。
ロブロ監督はこのポストシーズンで大いに機能しているブルペン陣の1人、ジョー・マンティプライをマウンドに送りましたが、フィリーズ打線に捕まり、このイニングは計4失点。
7回裏には速球派のライン・ネルソンがマウンドに上がりましたが、さらに火に油を注ぐ形となり、7回裏には4失点。自慢だったブルペン陣が初めて綻びを見せたのでした。
結果、Gm2は10-0とフィリーズが完勝。2連勝となったのでした。
フィリーズ、ソロHR記録を更新中
さて、派手なHRと大声援のフィリーズですが、1つ意外に思ったのは、派手なわりには得点がそれほど入っていないと思えた点です。Gm2では10-0と対象ではありましたが、もっと点が入ってもおかしくないと思えたのはソロHRが多すぎる点にありました。
これはフィリーズのポストシーズンのHRログです。
Gm | Oppo | Player | Solo | 2R | 3R | GS | #HR |
---|---|---|---|---|---|---|---|
NLWC1 | MIA | NA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
NLWC2 | MIA | リアルミュート ストット | 1 0 | 0 0 | 0 0 | 0 1 | 1 1 |
NLDS1 | ATL | ハーパー | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
NLDS2 | ATL | リアルミュート | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
NLDS3 | ATL | カステヤーノス ハーパー ターナー マーシュ | 2 1 1 1 | 0 0 0 0 | 0 1 0 0 | 0 0 0 0 | 2 2 1 1 |
NLDS4 | ATL | カステヤーノス ターナー | 2 1 | 0 0 | 0 0 | 0 0 | 2 1 |
NLCS1 | AZ | シュワーバー ハーパー カステヤーノス | 1 1 1 | 0 0 0 | 0 0 0 | 0 0 0 | 1 1 1 |
NLCS2 | AZ | ターナー シュワーバー | 1 2 | 0 0 | 0 0 | 0 0 | 1 2 |
Total | – | – | 16 | 1 | 1 | 1 | 19 |
ここまでポストシーズンで計8試合を戦い、打ったHR数が計19本。このうちソロHRがなんと16本です。その16本のうちノーアウトで放ったHRが13本。いかにアグレッシブな一発が多いかとも言えますね。
なお、全体として、フィリーズは過去5試合で16HRを放っており、これはポストシーズン史上5試合での最多HR記録です。
またここまで19本のHRを放ち、対戦相手からは4HRしか打たれておりません。
なお、フィリーズはNLDS Gm3からNLCS Gm2まで4試合連続で3HR以上を放っており、これは2008年のレイズと並びました。ちなみにその時のレイズの3Bが現Dバックスの3Bのエバン・ロンゴリアです。
【2008 ALCS 】
- G2: BOS 8 @ 9 TB : ロンゴリア/ BJ・アップトン/ クリフ・フロイド
- G3: TB 9 @ 1 BOS: BJ・アップトン/ ロンゴリア/ ロッコ・バルデッリ(元MIN監督)
- G4: TB 13 @ 4 BOS: カルロス・ペーニャ/ロンゴリア/ ウィリー・アイバー
- G5: TB 7 @ 8 BOS: BJ・アップトン/ カルロス・ペーニャ/ ロンゴリア
ロンゴリアが当時いかに凄かったかというのがよくわかりますね。
ウィーラー&ノラの好投
フィリーズはなんと言ってもザック・ウィーラーとアーロン・ノラのトップ2が素晴らしい投球を披露。
Name | G | IP | H | R | ER | ERA | SO |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ザック・ウィーラー | 3 | 19.0 | 11 | 6 | 5 | 2.37 | 26 |
アーロン・ノラ | 3 | 18.2 | 12 | 2 | 2 | 0.96 | 19 |
C・キャロル、T・ファムが音無し
DバックスはNLWCとNLDSで際立った活躍を見せたコービン・キャロルとトミー・ファムの当たりが止まっています。コービン・キャロルは7-1で盗塁も0。トミー・ファムは8-0。
当たっているのはケーテル・マルテだけで8-3でBA .375です。
移動日を挟み、どうなるのかにも注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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