NLDS Gm4: ATL 1 @ 3 PHI (PHI:3勝1敗)
非常に面白かったブレーブスとフィリーズのNLDSですが、現地2023年10月12日、この白熱したNLイースト同士の対戦は、ついにGm4で決着。フィリーズがブレーブスを下し、2年連続でNLCS進出を決めました。
スタート
フィリーズはGm3と同じメンバーでスタート。ブレーブスは、Cにショーン・マーフィーが復活。LFにケビン・ピラーでメンバー自体はGm1と同じですが、打順が違いました。
# | ATL | PHI |
---|---|---|
1 | RF:アクーニャ | DH: シュワーバー |
2 | 2B: アルビーズ | SS: ターナー |
3 | 3B: ライリー | 1B: ハーパー |
4 | 1B:オルソン | 3B: ボーム |
5 | DH: オズーナ | 2B:ストット |
6 | C: マーフィー | C: リアルミュート |
7 | LF:ピラー | RF: カステヤーノス |
8 | SS: アルシア | LF: マーシュ |
9 | CF: ハリス2世 | CF: ヨハン・ロハス |
P | S・ストライダー | A・ノラ |
両先発が3回までスコアレス
ブレーブスがスペンサー・ストライダー、フィリーズがレンジャー・スアレスの先発で始まったこのゲームは、序盤3イニングは両先発がランナーを出すも、しっかりとケアしてスコアレスの展開。
フィリーズ先発のレンジャー・スアレスは持ち前の小気味よい投球をいかんなく披露。1、2回を三者凡退に。初出塁は3回表のトレイ・ターナーのスローイング・エラーでマイケル・ハリス2世を出したのみで、ヒットレスの好投。
一方、ブレーブス先発のスペンサー・ストライダーは1回裏にトレイ・ターナーの2塁打とブライス・ハーパーへの申告敬遠で1アウト1、2塁のピンチを作るも、アレク・ボーム、ブライソン・ストットと力でねじ伏せ、流れを渡さなかったという立ち上がりでした。
2回裏にも1アウト1、2塁のピンチを作るも、ヨハン・ロハスをダブルプレーに打ち取り、ピンチを脱出。
3回裏には1アウトからターナー、ハーパーに連続シングルを浴びるも、ボーム、ストットを打ち取り、またしても流れを渡さず。
フィリーズはGm2同様、残塁が多くまずい展開になっていきます。
先制点はライリーのHR
打撃の方では3度もランナーを貯めて圧をかけつつ、いずれもストライダーにあと1本というところで抑えられ続けてきたフィリーズ。
こういう時は得てして相手チームに得点が入ってしまいます。先制点はブレーブスでした。ここまでスアレスにノーヒットに抑えられていたブレーブスは4回表、1アウトからオースティン・ライリーがLFへソロHRを放ち、先制。ストライダーの粘りの投球に報いました。
その後もマット・オルソンがシングルで続く、畳み掛けようとしたブレーブスでしたが、続くマーセル・オズーナはダブルプレーに倒れて1点止まり。
ブレーブスがチャンスを逸したので、今度はフィリーズに流れが変わります。
カステヤーノスが2HR
4回裏、JT・リアルミュートが倒れた直後、ニック・カステヤーノスはストライダーの初球の86.8mphのスライダーがインコースのベルト付近のゾーンに来たところを強振。これがLFポール際に入るHRとなり、フィリーズがすかさず1-1の同点に。
つづく5回裏、今度は1アウトからトレイ・ターナーがハング・カーブの軌道となった86.8mphのスライダーをLFスタンドに運び、勝ち越しソロHR!フィリーズが2−1とします。
フィリーズは6回裏、2アウトからニック・カステヤーノスに打席が回り、今度は真ん中付近に投じられた100mphの4シームをLFスタンドに放り込む2打席連続HRで3−1。
なお、ポストシーズンで2試合連続でマルチHRを記録したのは史上初のことです。
これでストライダーは降板。5.2イニングで被安打7、失点3、BB 3、SO 7、そしてHR 3。
フィリーズ、7回の大ピンチを凌ぐ
レンジャー・スアレスは5.0イニングで被安打3、失点1、BB 0、SO 2、HR 1という素晴らしい成績でマウンドを降りました。
2番手のセランソニー・ドミンゲスは6回2アウトまで投げ、3番手にはホセ・アルバラードが上がりました。アルバラードはイニングまたぎで7回にもマウンドに。そして打者2人を打ち取って2アウト。
ところが、この後、ケビン・ピラーとオーランド・アルシアにフルカウントから2者連続で四球。同点のランナーを出してしまいます。アルバラードはここで降板。
ケビン・ビラー、WPでスタートせず
4番手はクレイグ・キンブレル。キンブレルは代わりばな、トラビス・ダーノーに四球。これで2アウト満塁でロナルド・アクーニャ・Jr.を迎えるという絶対的なピンチを迎えます。
そしてアクーニャの初球。キンブレルは3塁にランナーがいる状況で、あり得ないワイルド・ピッチを投じました。
しかし、このチャンスになんとケビン・ピラーが躊躇。完全に1点が入る状況でホームに突っ込みませんでした。これはプレーオフです。あそこは全てをかなぐり捨てて「突っ込む」という一択だったと思うのですが・・・勿体なかったです。
ただ、VTRを見ると、打者のアクーニャがピラーに最初は「ホームへ来い」という指示を出しましたが、すぐに「制止せよ」というジェスチャーに変えました。ピラーはこの指示に従ったのでしょうね。
フィリーズとすれば助かりました。ここでヒットなしで1点を奪われればショックも大きく、さらに打席のアクーニャも2点目が入れば、肩の力が抜けて平常心でスイングし、フィリーズにさらなる二次災害をもたらした可能性があったからです。フィリーズはそういう意味でも運がありました。
そのアクーニャですが、あわやHR、あるいはウォール際への長打か?という大きな当たりを放ちましたが、これをCFのヨハン・ロハスがランニング・キャッチ。大ピンチを救いました。
9回表のピンチもストラムが抑える
そして最終回、フィリーズのマウンドにはグレゴリー・ソト。ソトは8回2アウトからマウンドに上がっていました。
そのソトはイニング先頭のオズーナに四球。さらに、ショーン・マーフィーには大きく空いた1,2塁間を狙われ、RF前シングル。この当たりでマーセル・オズーナが3塁へ進塁し、ノーアウト1、3塁の大ピンチを作ります。ロブ・トムソン監督はここでソトを降ろしました。
マウンドに上がったのはマット・ストラム。ストラムはケビン・ピラーをSSフライ、PHのエディー・ロザリオをLFフライ、そして最後はPHのボーン・グリッソムを三振に仕留めゲームセット。
フィリーズが3−1のスコアでGm4に勝利。NLDS3勝目を上げたことで、NLCSへの進出を決めたのでした。
なお制度上、グレゴリー・ソトにもホールドがついております。
フィリーズはとうとうタイワン・ウォーカーを出さずに、NLCSまで到達しました。
Dバックスはレギュラーシーズンでは投手力が今ひとつでしたが、今ポストシーズンでは投手力のチームとなっています。どういう試合となるのか楽しみです。
DバックスとのNLCSはちょっと予測がつかないです。フィリーズはDバックスより勝率が高いので、ホーム・フィールド・アドバンテージが与えられ、2-3-2でホームからのスタートです。また大声援を背に暴れそうですね。
ハーパーの肘は問題なし
8回にマット・オルソンと塁上で交錯したハーパーでしたが、試合後の談話では問題ないとのことでした。トミー・ジョン手術後ですから、ちょっとヒヤリとしました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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