57才、2011シーズンに引退したばかり
現地2023年10月1日、ボストン・レッドソックスは、ナックル・ボーラーとして活躍してきたティム・ウェイクフィールド(Tim Wakefield)が亡くなったことを発表しました。享年57歳。2011年が最後のシーズンで、つい先日、引退したばかりです。
Our hearts are broken with the loss of Tim Wakefield.
— Red Sox (@RedSox) October 1, 2023
Wake embodied true goodness; a devoted husband, father, and teammate, beloved broadcaster, and the ultimate community leader. He gave so much to the game and all of Red Sox Nation.
Our deepest love and thoughts are with… pic.twitter.com/ah5kV2Yt8j
死因はBrain Cancerで脳腫瘍とのことでした。
偉大なナックル・ボーラー
投球のほぼすべてでナックル・ボールを投げる投手としてティム・ウェイクフィールドは最後の投手と言えるかもしれません。
その後任には同じくレッドソックスで2016年に13勝6敗をマークしたスティーブン・ライトがいましたが、ティム・ウェイクフィールドほど長く投げつづることが出来ませんでした。
19シーズン、200勝
ティム・ウェイクフィールドはMLB通算19シーズンで627試合に登板し、3226.1イニングを投げ、200勝180敗、ERA4.41(ERA+105)、SO 2156、BB 1205。SO% は15.5で、BB %は8.6。 rWARは34.4。
200.0IP以上を5シーズンも達成したウェイクフィールドのアベレージは、201.0/年 IPです。
ウェイクフィールドは1966年8月2日生まれ。1988年のアマチュア・ドラフトでピッツバーグ・パイレーツから8巡目指名を受けてプロ入り。大学時代は野手で主に1Bを守っており、野手としてのプロ入りでした。
しかし、プロのレベルで打者としてやっていくのは難しいとの評価を受け、遊びで投げたナックルボールの精度が良かったことから投手に転向したというのは有名な話。1990年から投手としてプレーし、1992年7月31日のカージナルス戦でデビュー。
このデビュー・イヤーは2ヶ月ほどの期間に13試合に先発し、8勝1敗、ERA 2.15をマークし、ナックルボーラーとしてやって行く自信がつきました。
しかし、翌1993年は不調で6勝11敗、ERA 5.61。1994年はフルシーズンでマイナーにおりました。
1995年4月20日にパイレーツからリリース。その約1週間後の1995年4月26日にレッドソックスとサインするに至りました。28才の時です。
そのシーズンになんと16勝8敗をマーク。そこから4年連続で二桁勝利をマーク。1998年には17勝8敗でした。さらに35才となった2002年から42才のシーズンとなった2009年まで8シーズンで2桁勝利を7回達成。この間の勝利数は95です!2007年、40才のシーズンでキャリア・タイとなる17勝12敗をマーク。2011年、44才のシーズンが最後のシーズンとなりました。
フランチャイズ・ランク
大リーグ19シーズンのうち17シーズンをレッドソックスで過ごしたティム・ウェイクフィールドのフランチャイズ・ランキングはご覧の通りです。
- 勝利数:186※(3位)※ PITで14勝を上げているためBOSでは186勝としてカウント。
- 投球イニング数 3,006(1位)
- 奪三振:2,046(2位)
その他にもオールスター出場1回、ワールドシリーズ優勝2回。また、野球、スポーツマンシップ、地域社会への貢献、チームへの貢献を最も体現した 個人に贈られるロベルト・クレメンテ賞も受賞。
引退後もウェイクフィールドは、NESNのパーソナリティやレッドソックス財団の名誉会長となり、レッドソックス・コミュニティの一員であり続けました。
表情からわかる通り、優しさと温かさのある選手で、キャリア前半で苦労したのも人柄に出ているようです。
レッドソックスはこの訃報を聞いた最終戦に6-1で勝利。OBに報いました。なお、オリオールズも哀悼の意を示してくれました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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