今季は開幕からほとんど首位をキープ
現地2023年9月22日、ミネソタ・ツインズがALセントラルの地区優勝を決めました。
今季は開幕からほとんど首位の座を譲らなかったツインズ。
とは言え、5月と6月の戦績はそれぞれ12勝15敗と勝率.500を割り、ALセントラル首位がALイーストの最下位のクラブと勝率が同じという時期が続き、ALセントラルの弱さが目立つ面もありました。実際、ALセントラルの他のクラブの勝率は.500を割り、首位ツインズのみが.500オーバー。
よって、ツインズの地区優勝は確実で時間の問題ではありましたが、この日、ターゲット・フィールドに集まった32,006人の観衆の前でエンジェルスを8対6で破り、見事に地区優勝を勝ち取りました。
ALセントラルの勝率はたしかに低いのですが、しかし、後述しますが、ツインズはこのポストシーズンはなかなか面白い存在になりそうです!
【YOUTUBE】For the 3rd time in 5 years, the Twins are AL Central CHAMPS!
ロコ・バルデッリ監督で3度目の優勝
これでツインズは、ロッコ・バルデッリ監督の下、5シーズンで3度目のALセントラル制覇を達成。ツインズは2019年と2020年にも地区優勝を遂げていますが、ホームファンの前で達成したのは2010年以来のこととなります。
なお、ツインズが地区優勝を決めたのは前身のワシントン・ナショナルズ時代(1924/25/33)も含めると17度目。ミネソタ・ツインズとなってからは14度目となります。
このうち、ALのペナントを獲ったのは6度(3度は上述のワシントン・ナショナルズ時代)。
そしてワールドシリーズ・タイトルを獲ったのは、ワシントン・ナショナルズ時代も含めて3度です(1924/1987/1991)。
パブロ・ロペスが6回、7Kで11勝目
この日のエンゼルス戦で先発したのはパブロ・ロペス。今季は投手の主要スタッツでは目立たないのですが、それはツインズが5月、6月にもたもたしていたせいもあるのですが、パブロ・ロペスは年間を通じて好投の連続で、この日は、7回を投げて3失点。
5回にジャレッド・ウォルシュの2ランなどで3点を失い、いっときは3-3のタイスコアに持ち込まれなしたが、6回表に三者凡退に抑えたことが、直後の裏の攻撃でのアレックス・キリロフの勝ち越しHRにも繋がりました。
ツインズ打線は7回裏にもタイムリーで4得点を上げ、8-3とリード。
8回表にはローガン・オホッピーの2ランHR、9回表にはマイケル・ステパニックのタイムリーで追い上げを喰らいましたが、豪球のヨアン・デュランが抑えて8-6でエンゼルスを下しました。
パブロ・ロペス、20度目のQS
この日、先発したパブロ・ロペスですが、なんと今季20度目のQS(Quality Start)をマーク。このうちスコアレス投球が5試合もあるのですが、いずれも7月以降に記録しており、8月はしかも3度も記録。尻上がりに良くなった点も優勝を加速させました。
奪三振228は、ALではケビン・ゴーズマンの232に次いで2位(現地2023年9月22日時点)です。
今季のツインズ
強固なローテとクローザー
今季のツインズは先発投手陣は、ローテションが良かったです。シーズンの勝率が上がらなかったのは前半戦の攻撃陣の不調があったからですが、ローテーションのパブロ・ロペス(11勝)、ソニー・グレー(8勝)、ジョー・ライアン(10勝)の3人は安定しており、ベイリー・オバー、前田投手、ルイ・バーランド(リリーフも)が彼らに続きました。
なんと言ってもクローザーにヨアン・ドゥラン(ERA 2.54)がいるというのがブルペンの運営をたやすくさせました。
今季はエミリオ・パガンも復調。ERAは3.17です。ローテションが6回まで投げてくれれば、7回、8回をなんとか回し、9回にヨアン・ドゥランという流れで勝ちを積み上げてきました。
野手の補強も成功
そして派手さはないものの、フロント・オフィスが良い仕事をしたのはドノバン・ソラーノ、ウィリー・カストロ、カイル・ファーマー、マイケル・A・テイラーの獲得です。実戦向きな彼らの補強は奏功したと言って良いと思います。
ルーキー達が火付け役
そして後半戦にオフェンスの好転の火付け役となったのはルーキーたちでした。2度のACL断裂でもうこのまま沈むかと思われたロイス・ルイスは途中、怪我で退くシーンもありましたが、.309/.372/.548、15HR、52 RBIをマーク。OPS+は149です。
さらに、2Bのエドゥアルド・ジュリアンは、102試合に出場し、.266/.380/.455、14 HR、32 RBI、56 Runをマーク。OPS+は129。
OFのマット・ウォルナーは69試合で.245/.367/.484、HR 12、RBI 35、Run 35。
前半戦のツインズのオフェンシブWARは30クラブ中20位でしたが、オールスターブレイク以降は6位となりました。
少なくとも200 PAを経験したLルーキーの中で、OPSはロイス・ルイスが.920で1位、エドゥアルド・ジュリアンが9位に入っています。
彼らの活躍がアレックス・キリロフ、マックス・ケプラー、ホルヘ・ポランコを刺激しています。
今季はプレーオフで勝つ!良いXファクターが満載
ワイルドカードシリーズに参戦
ツインズは勝率の関係で地区優勝の3クラブの中で3位に入ることは確実。1位、2位はそのままALDSに進みますが、3位は10月3日から5日にかけて行なわれるワイルドカード・シリーズを戦います。対戦相手は、ALワイルドカードの最下位のチームとの対戦。地区優勝をしているのはそこはアドバンテージが認められております。
ALワイルドカードは現地2023年9月22日時点では混沌としていますが、現地2023年9月22日時点でワイルドカード枠の3位はアストロズなので、もしもこの日に順位が決したなら、アストロズとの対戦に(わかりやすくするための仮のお話です)。
PS 18連敗中!
ツインズは2004年10月5日(ALDS第1戦)以来、ポストシーズンで勝利していないというちょっとおかしなジンクスをもったクラブでもあります。PS18連敗中。このうち、天敵だったのがヤンキースで13連敗を喫していました。
- 2020: ALWC (0勝2敗)vs HOU
- 2019: ALDS (0勝3敗)vs NYY
- 2017: ALWC (1敗) vs NYY
- 2010: ALDS (0勝3敗)vs NYY
- 2009: ALDS (0勝3敗)vs NYY
- 2006: ALDS (0勝3敗)vs OAK
- 2004: ALDS (1勝3敗)vs NYY
今季、ヤンキースはポストシーズンには出場しません。
ローテ、クローザー& ルーキーで突破
上述のように過去のPSでは悪い要素が満載だったツインズですが、今季は短期決戦に強い要素があります。
- 3名の強固なローテション
- 強いボールを投げるクローザー
- Xファクターの多いルーキー
少なくとも3名のローテションはALDSを勝ち進むに当たっては必要。ツインズはワイルドカードも戦うので、4名は必要になりますが、スウィープすれば日程も空き、NO.1ローテを使える頻度も上がるのでなんとか回せそうです。仮にNO.4が必要になったとしても復調した前田投手もいますから!
それにクローザーのドゥランはやはり魅力です。その前のパガンがどれだけ質の良い投球を見せるかも大きな要素ですが、安定したクローザーがいるのはやはり短期決戦では有利。
そして、ルーキー達です。乗ってしまうとチーム全体に勢いをつけることにつながり、良いXファクターがかなり多め。ただし、その逆もあり、短期決戦は一度沈むと修復不可能となってしまうデメリットもあありますが、ここは前向きに捉えれば良い要素が多いと思います。
ツインズはレギュラー・シーズンでは落ち込みましたが、今季のポストシーズンはかなり力を発揮するかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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