頼もしい兄貴分が復帰
プロスペクトを中心に年齢の若い選手が躍動し、すでに91勝をマークしてALイーストの首位に立っているオリオールズ。91勝はALイーストどころか、ALでNO.1の勝率を誇ります。
その好調オリオールズに心強い兄貴分が還ってきました!
現地2023年9月12日、オリオールズはトミー・ジョン手術のリハビリで60 Day ILに入っていたジョン・ミーンズ(John Means)をロスターに復帰させました!
アクティブ・ロスターはそれによって埋まってしまうため、右腕のジョーイ・クレイブル(Joey Krehbiel )をトリプルAにオプションしてスペースを作りました。なお、オリオールズは40 manロスターには空きがあったため、ジョーイ・クレイブルはDFAではなく、オプションされただけです。ここで言うオプションはマイナーに降格というふうに思っていただいていいです。
そして同日のカージナルス戦でシーズン・デビューを迎えました!
O’sが苦戦した時代のエース
ジョン・ミーンズは現時点で30才。2014年のアマチュア・ドラフトでオリオールズから11巡目で指名されてプロ入り。
デビューは2018年でこの年は1試合に試験登板をしたのみ。
ルーキー資格をキープしたまま迎えた2019年、ジョン・ミーンズは躍動します。
さて、オリオールズが直近でもっとも勝ち進んだシーズンは2014年で、この年はALCSまで勝ち進みました(しかし、ロイヤルズにスイープされて敗退)。その後、ポストシーズンに出場したのは2016年で、この年はワイルドカードでブルージェイズに敗退。まだマニー・マチャードがいた頃です。
それ以降、オリオールズは立ち直れるのか?というくらいに厳しいシーズンを過ごしてきました。ジョン・ミーンズが躍動した2019年はその真っ只中で、この年、オリオールズのシーズン成績は54勝108敗。
この厳しい環境の中でジョン・ミーンズは、31試合中、27試合に先発し、155.0イニングを投げ、12勝11敗と勝ち越したのです。ERAは3.60。まさに孤軍奮闘でした。この年、ジョン・ミーンズはオールスターに出場し、オフにはROYの投票で2位に入っております。なお、AL ROYを獲ったのはアストロズのヨルダン・アルバレスでした。
まさに厳しい時代を支えてきた投手です。
2021年には振り逃げ1つのみのノーヒッター
短縮シーズンとなった2020年は2勝4敗。
2021年、ジョン・ミーンズはMLB史上初の偉業を成し遂げます。それが現地2021年5月5日のマリナーズ戦で成し遂げたノーヒット・ノーラン。このノーヒット・ノーランは何がすごいのかというと、マリナーズは振り逃げを1つ記録したのみというところです。つまり対戦相手にフォアボール、デッドボール、エラーがついていないMLB初のノーヒットノーランだったのです。ほぼパーフェクト・ゲームでした。
この年、ジョン・ミーンズはノーヒッターを達成した時点で7先発で、4勝0敗、ERA 1.37をマーク。素晴らしいシーズンスタートを切ったのですが、シーズン全体では26試合で6勝9敗、ERA 3.62にとどまりりました。2021年、オリオールズは52勝110敗でしたから、その中にあって可能な限りベストを尽くしたと言っていいと思います。
2022年にトミー・ジョン手術
2022年4月8日、オリオールズの開幕投手としてレイズ戦のマウンドに上がったジョン・ミーンズでしたが、ピリっとしない投球で、4.0イニング1失点ながら84球を費やしました。再調整して臨んだ2戦目の4月13日のブルワーズ戦では4.0イニングで2失点。この時、前腕部に違和感を訴えて途中降板。これがトミー・ジョン手術前の最後の登板に。
そして2022年4月23日、トミー・ジョン手術を行うことが明らかになり、これまで復帰に向け、リハビリに励んでいて、ついに現地2023年9月12日、復帰したのでした。
いきなりの先発
2022年4月後半にトミー・ジョン手術を受けたジョン・ミーンズは、今回、約17ヶ月未満で復帰してきました。通常、投手なら18ヶ月を要するところですが、ポストシーズンも睨んでややペースを上げて復帰。
トミー・ジョン手術後はマイナーでリハビリ登板をしたとしても、ショート・イニングからスタートすることが多く、オリオールズはブルペンで起用するものとばかり思っていました。
しかし、オリオールズは現地2023年9月12日のカージナルス戦にミーンズを復帰戦でいきなり先発で起用してきました。
確かにオリオールズのローテションは右腕が多いです。現地2023年9月12日時点で14勝8敗のカイル・ギブソン、12勝5敗のディーン・クレマー、11勝6敗のカイル・ブラデッシュ、7勝6敗のタイラー・ウェルズ、5勝4敗のグレイソン・ロドリゲス・・・。左腕はコール・アービンだけ。なお、タイラー・ウェルズはブルペンで起用されていくと思われます。
ここにジョン・ミーンズが入れば確かに大きな武器となるのですが、オリオールズが今後、どれくらいの頻度で登板させるのかも注目です。なお、マイナーでのリハビリ登板ではすでに86球まで球数を増やして登板済みで、計21.2イニングを投げ、ERA 3.74をマークしていました。
復帰戦で5回3失点
さて、復帰戦ですが、ジョン・ミーンズは初回、2アウトを奪うも、ポール・ゴールドシュミットにHRはを打たれ先制点を許してしまいます。
2回表には犠牲フライで1失点。3回表は三者凡退に抑えるも、4回表にはリッチー・パラシオス(Richie Palacios)に一発を浴びて3失点目。
この日は5.0イニング、75球を投げて被安打5、失点3、BB 0、SO1、HR 2という結果でした。
久しぶりの登板でこれだけ投げれば首脳陣としてもありがたいくらいの投球だったのではないかと思います。
【YOUTUBE】John Means on his return to the big league mound
オリオールズ打線は5回に2点を返し、1点差ゲームとしますが、7回表にホルヘ・ロペスがリッチー・パラシオスにこの日2本目のHRを打たれるなど2点の追加点を許し、2-5のスコアで敗れました。
オリオールズはまた楽しみな要素が増えました。この日は敗れましたが、ここ数年の不振を払拭するかのような強さを見せております。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント