メッツ戦に先発し、好投中に事故
現地2023年8月26日、エンゼルスはシティ・フィールドでメッツとの対戦。
この日、エンゼルスの先発は登板ごとに良い内容を披露している右腕のチェイス・シルセス(Chase Silseth/23才)。そのシルセスに事故が起こりました。
投げるたびに好投
チェイス・シルセスはこのゲーム前までの直近5試合は先発として非常に良い結果を出しており、26.1イニングで3勝0敗、ERA 308で対戦相手の打撃成績は .202/.269/.424。
この登板5試合でエンゼルスは4勝1敗。唯一負けがついた8月6日のシアトル戦でも7回まで投げて、被安打4、失点2、BB 1、SO 12で、この日は打線が苦戦して2-3のスコアで敗れて負けがついただけ。
いわは、シルセスはエンゼルスにとって幸運の象徴のような存在であったのです。
送球がもろに頭部にヒット
事故が起きたのは4回裏。それまでシルセスは3イニングをスコアレスに抑えていました。
このイニングは打者2巡目ということもあってか、先頭のフランシスコ・リンドーアにCFへのライン・ドライブのシングルを許し、つづくジェフ・マクニールにもCF前シングルを許してノーアウト、1、2塁のピンチを迎えていました。
このピンチにピート・アロンゾを打席に迎え、シルセスはボール先行で3−0カウントとなりますが、4球目のシンカーをインコース低めに決め、アロンゾをSSライナーに抑えて1アウト。
そしてダニエル・ボーゲルバックの打席の時に事故が起こりました。
アロンゾの打席でランナーを進められなかったメッツは初球にダブルスチールをしかけます。ストライクを見逃したボーゲルバックの動きから見てサインだったと思います。
しかし、フランシスコ・リンドーアの動きがおかしく、これに捕手のローガン・オホッピーは1塁に送球。それを見たリンドーアが3塁に向けて走り始めます。
おそらくですが、ダブルスチールのサインが出ていたのを二塁ランナーのリンドーアが見落としたというのがそもそもの原因かと思います。マクニールは通常通りスタートを切り、2塁に到達。2、3塁間にあぶり出されたリンドーアでしたが、オホッピーは1塁に送球。
そして1塁で捕球したトレイ・キャベージが慌てて3塁に走り出したリンドーアをアウトにするべく3塁へ送球。3Bにはムスターカスがしっかりとカバーに入っていましたが、とにかく先の塁を空けないように3塁に向けて走り出したシルセスに送球が当たってしまった・・・そのような流れかと思います。
これでリンドーアがホームまで還って1失点。
送球が当たったシルセスはしばらくの間、3塁ベース手間で悶絶。非常に危ない状況なのが明白でした。
そしてトレーナーに抱き抱えられながらも歩行してフィールドを後にしました。その間、話すこともできていたので深刻な怪我ではなさそうでしたが、強い送球が当たったので検査が必要になりそうです。現時点ではまだ判明していません。
正解は?
2塁ランナーのリンドーアの動きがわかるのがこの動画です。
Very scary scene here as Chase Silseth had to leave the game after being hit in the head by a throw from first to third
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) August 27, 2023
pic.twitter.com/Mbuqrc8VJn
実践だと色々なケースが起こりますね。まずオホッピーですが、マクニールが2塁に到達し、リンドーアが完全に炙り出されたので、次の塁を潰すために3塁に投げるべきであったと思われます。
こういうケースは1塁ランナーも1、2塁間に戻ってランダウン・プレーを誘発するケースがあります。2人とも塁間にいた場合は、捕手がボールを保持しつつ、二塁ランナーのリンドーアを睨みながら、出方を伺うために2塁へ向かうというのが良いように思いますが、塁間にいたのはリンドーアだけ。
今回は1塁ランナーのジェフ・マクニールが2塁に到達して全く動く気配がなかったことから、余計に3塁に投げておけばよかったと思います。1塁への送球だけはなかったように思います。
実践での咄嗟の判断は難しいですが、やはり先の塁というのが頭にあればオホッピーは3塁への送球だったと思います。
エンゼルス、連勝
シルセスが退場後、アーロン・ループが急遽マウンドに上がり、ボーゲルバックは抑えたものの、DJ・スチュアートに二塁打を打たれてこの回2失点目。いずれもシルセスが出したランナーだったため、自責点はシルセスにつきました。
シルセスは、3.1イニングで2失点、BB 2、SO 3でした。
打線の方は、1回表に大谷選手の2塁打をきっかけに、ブランドン・ドゥルーリーのタイムリーで1得点。
大谷選手、ニアHRを2発
大谷選手は、この打席でニアHRが2発。1本目はファウルで外野席のリボンを破壊。2本目がもう少し打球が上がればスタンドインという二塁打でした。なお、大谷選手は4回に四球で出塁し、2盗と3盗も決めております。
エンゼルスは2回表にも追加点を上げます。先頭のミッキー・モニアックがHRでこのイニング1点目。トレイ・キャベージの二塁打とレンヒーフォのタイムリーで2点目、さらに大谷選手のトリプル、ブランドン・ドゥルーリーのタイムリー・ダブルで4点目を追加。2回を終えて5-0とリード。
4回裏に上述のトラブルがあり2点を失い、6回裏にはダニエル・ボーゲルバックにHRを許し、3点目を失いますが、ホセ・ソリアーノとカルロス・エステベスがゲーム後半を締め、5-3のスコアで勝利。
連勝となりました。
ピート・アロンゾが首に死球
8回裏、ホセ・ソリアーノが投じたカーブが抜けてしまい、ピート・アロンゾの首に直接当たり、ベンチ・クリアーとなる事態が発生しましたが、特にトラブルに発展せず。ピート・アロンゾは大事をとってこれでゲームを後にしました。カーブだったがゆえに不幸中の幸いというところです。ちょっと危なかったです。大事に至ってないことを祈るばかりです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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