MIL 0 @ 1 LAD
現地2023年8月17日のブルワーズ@ドジャース戦はすごいゲームでしたね。非常にハイレベルな投手戦でしびれました。
2021年にNLサイ・ヤングを獲ったコービン・バーンズと2021年にALサイ・ヤング投票で3位に入った右腕同士の投げ合いは非常にテクニカルで面白い投手戦を見せてくれました。
コービン・バーンズ、初回の怖い場面を乗り切る!
ドジャース打線を相手にするコービン・バーンズはかなり神経を使ったと思います。1回裏、先頭のムーキーにLFへのラインドライブのシングルを許したコービン・バーンズは、2番のフレディー・フリーマンにも慎重な投球を見せ、四球を与えてしまいます。
3番のデービッド・ペラルタは徹底してアウトコースを攻めて空振り三振に取り、1アウト。つづくウィル・スミスにも丁寧に低めをついて空振り三振で2アウト。
そして迎えるはマックス・マンシー。ここでコービン・バーンズはワイルド・ピッチを投じ、2アウト2、3塁の大ピンチを迎えます。しかも強打のマックス・マンシーということで非常に怖い場面でしたが、マンシーは甘めのチェンジアップを捉えたものの、RFフライにとどまり、非常に怖い場面を見事に乗り切りました。さすがです。
3回は三者連続三振
3回裏、先頭のオースティン・バーンズにシングルで出塁を許したコービン・バーンズですが、ムーキー・ベッツ、フレディー・フリーマン、そしてデービッド・ペラルタを三者連続三振に仕留め、エースとしての貫禄の投球を見せます。
コービン・バーンズはその後、7イニングを投げきり、98球で降板。被安打がたったの2で、スコアレス、BB 0、SO 9と痺れる投球を披露しました。
ランス・リンも7回スコアレス投球
一方のランス・リンも見事な投球を披露。2回から4回までの3イニングは毎回ランナーを背負う投球となりましたが、連続出塁を許さず、ブルワーズにつけ入る隙を与えません。
ピンチも落ち着いて乗り切る!
最大のピンチは6回表。先頭のタイロン・テイラー、クリスチャン・イェリッチに連続安打を浴び、ノーアウト1、3塁のピンチを迎えますが、ウィルソン・コントレラスを投手ゴロに仕留め、タイロン・テイラーをホームでアウトにし、まず1アウト。カルロス・サンタナには捉えられはしましたが、1Bライナーで収めて2アウト。最後はサル・フレリックをSSポップフライに仕留めてピンチを脱しました。結構、甘いボールだったのですが、これが今のランス・リンの勢いでしょうか!?
リンは7回も三者凡退に抑え、87球で降板。被安打4、スコアレス、BB 1、SO 3とベテランらしい打たせて取る投球を見せました。
オースティン・バーンズが決勝HR
明暗が別れたのは2番手が登板した8回の攻防。8回表、ドジャースは2番手に左腕のカレブ・ファーガソンをマウンドに送りました。先頭のブライス・トゥラング(Brice Turang)にLFに痛烈なシングルを許し、先頭打者の出塁を許します。
しかし、タイロン・テイラーをダブルプレーに斬って取り、ピンチの芽を摘むと、クリスチャン・イェリッチにはRFに痛烈なライナーを打たれるも、これをジェイソン・ヘイワードが好捕。
味方打線に流れを作ります。
8回裏、ブルワーズのマウンドにはジョエル・パヤンプスが上がりました。ドジャースはイニング先頭のキケ・ヘルナンデスが凡退。しかし、次打者のオースティン・バーンズが、2球目のハンギング・スライダーをLFスタンドに放り込み、待望の先取点を得ます。その後、ムーキーにもヒットが出て、ドジャースが追加点を上げそうな空気になりましたが、ここはジョエル・パヤンプスが抑えました。粘り強かったですね。
9回表、ドジャースはエバン・フィリップスをマウンドに送ります。エバン・フィリップスは2アウトから四球を一つ与えたものの、最後のバッターのウィリー・アダムスから空振り三振を奪い、ゲームセット。
ドジャースが1-0で投手戦をものにしました!
ランス・リン、LAD移籍後、絶好調!
さて、ドジャース先発のランス・リンですが、これでドジャース移籍後4試合目の登板となりましたが、登板日はいずれもドジャースが勝利。
この日は降板後に得点が入ったので、勝利投手にはなれませんでしたが、8月以降はここまで3勝0敗で、ERAはなんと1.44です!!
現地2023年8月17日時点のランス・リンのLADでの登板を記載すると、このようなログとなります。
Date | Opp | IP | H | R | ER | BB | SO | HR | Dec |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8/1 | OAK | 7.0 | 5 | 3 | 3 | 1 | 7 | 3 | W(7勝9敗) |
8/6 | @SDP | 6.0 | 4 | 1 | 1 | 2 | 6 | 1 | W(8勝9敗) |
8/11 | COL | 5.0 | 4 | 1 | 0 | 1 | 9 | 0 | W(9勝9敗) |
8/17 | MIL | 7.0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | NA |
なお、レギュラー・シーズン全体の数字は25先発で、144.2 IP、ERAは5.60。今季はHRをすでに32本も打たれていまして、これはキャリア・ワーストです。この被本塁打がERAを押し上げています。
ドジャースのTDL大成功の張本人
このランス・リンの好投がそのままドジャースのトレードデッドラインの成否そのものを反映しております。
8月のドジャースの戦績は、脅威の15勝1敗(現地2023年8月17日時点)。6月は12 勝12敗で勝率.500となり、Dバックスに首位の座を奪われたのですが、7月で13勝11敗でやや持ち直し、8月は完全にいつものドジャースに戻りました。
しかも8月は得点100 に対して、失点は41。勝って当然というすごい数字を残しています。
打撃成績を見ると、8月のチームOPSは、.844でこれはブレーブスの.928に次いで2位。ブレーブスはマット・オルソンが爆発していますから、高い数字になっています。
投手成績は、8月のERAは2.20でこれはレンジャーズに次いで2位。レンジャーズもトレードデッドラインで大成功のクラブですね。
そして対戦相手の打率は.194でこれはMLB NO.1です。
ウォーカー・ビューラーは今季はもともとトミージョン手術のリハビリで計算外でしたが、ダスティン・メイが抜けて苦しい中、カーショウもILとなり、フリオ・ウリアス不調で非常に苦しんでいたのですが、ランス・リンの補強がここまで機能するとは、ドジャースの編成も想定外の喜びかもしれません。
ドジャースはこの勝利で11連勝を達成です!
お読みいただき、ありがとうございました。
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