フィリーズ移籍後のホームデビュー戦で快挙達成
現地2023年8月9日、フィラデルフィア・フィリーズの右腕、マイケル・ローレンツェン(Michael Lorenzen)が、シチズンズ・バンク・パークで行われたナショナルズ戦でノーヒットノーランを達成しました。
【YOUTUBE】A NO-HITTER IN PHILLY! Michael Lorezen throws a 124-pitch MASTERPIECE! | All 27 Outs
Congratulations!
フィリーズは7-0で勝利。
マイケル・ローレンツェンはトレードデッドラインでタイガースからフィリーズに移籍。タイガースでは18試合に先発し、105.2イニングを投げ、5勝7敗、ERA 3.58。タイガースのチーム事情から数字は上がりませんでしたが、内容は高く評価され、ローテーション不足に悩む複数のクラブから熱視線を受けておりました。その中でフィリーズがローレンツェンを獲得。期待に沿う投球を見せています。
フィリーズ移籍後、ERAは1.06に
ローレンツェンがフィリーズで登板するのはこれが2戦目。1戦目は現地8月3日のマイアミとのロード・ゲームでジョニー・クエトとの投げ合いを制し、8回、被安打6、失点2,、BB 1、SO 5、HR 1。4-2で勝利し、今季6勝目を上げていました。
このノーヒットノーランを含め、フィリーズ移籍後のERAは1.06となり、シーズンERAも3.23に下がりました。
冴え渡るチェンジアップ
胸を見せない時間が長いフォーム
マイケル・ローレンツェンと言えば、その筋肉質の体格からはギャップのあるゆったりとしたフォームがトレードマークで、そのメカニックは投手のお手本のような動きとも言え、「いかに打者に胸を見せないか」を地で行くような横向きの時間を長くつくる投手。
そしてなんと言っても、チェンジアップが得意球で、この日は全124球の内、チェンジアップは4シームの球数とほぼ同じとなりました。
- 4シーム:39
- チェンジアップ:37
- スライダー:29
- シンカー:14
- スウィーパー:5
豪球を投げそうな体格なのですが、左右で揺さぶりつつ、チェンジアップを使って奥行きも使い、打たせて取る投球スタイルでこの日も奪三振は5です。
なお、BBが4つありましたので球数は124球まで行きました。
最後のアウトは、ドミニク・スミスにフルカウントから投げたスライダーでした。打球はポップアップとなり、CFのヨハン・ロハスが最後のアウトを取り、見事に偉業達成となりました。
スタンドではお母さんと奥さん、そして”Have a nice day”とプリントされたかわいいベビー服をまとった小さなお嬢さんが見守っていました。お母さんがなかなかテンションが高かったですね!
なお、打線の方は初回からナショナルズ先発のマッケンジー・ゴアを攻め、ニック・カステヤーノスのHRなどで3点を先取。その後も28才のルーキー3Bのウェス・ウィルソンのHRなどで4回終了時点で7点を奪い、援護しました。
2023年4度目のノーヒットノーラン
マイケル・ローレンツェンの今回のノーヒッターは、2023年シーズン4度目のノーヒットノーラン。直近では現地2023年8月1日にアストロズのフランバー・バルデスがガーディアンズを相手に達成しています。
フィリーズでは2015年のコール・ハメルズ以来
フィリーズのノーヒッターで言えば、2015年7月25日にコール・ハメルズがカブス戦で達成して以来のこと。この時はロード・ゲーム。ホームでのノーヒッターとなると、2010年10月6日のレッズとのNLDSでロイ・ハラデイがポストシーズンに達成して以来です。
フィリーズ史上14番目のノーヒッター
今回のノーヒットノーランはフィリーズ史上14番目。なお、フィラデルフィアには現在のオークランド・アスレチックスの前身のフィラデルフィア・アスレチックスが1901年から1954年まで存在していたため、この間の両者の区別に時間がかかってしまいました。
# | M-D-Year | Name | vs | Score | Note |
---|---|---|---|---|---|
14 | 8/9/2023 | マイケル・ローレンツェン | WSH | 7-0 | |
13 | 7/25/2015 | コール・ハメルズ | CHC | 5-0 | |
12 | 9/1/2014 | コール・ハメルズ(6IP) | ATL | 7-0 | Combined |
12 | 9/1/2014 | ジョナサン・パペルボン(1) | ATL | 7-0 | Combined |
12 | 9/1/2014 | ジェイク・ディークマン (1) | ATL | 7-0 | Combined |
12 | 9/1/2014 | ケン・ジャイルズ(1) | ATL | 7-0 | Combined |
11 | 10/6/2010 | ロイ・ハラデイ | CIN | 4-0 | Post Season |
10 | 5/29/2010 | ロイ・ハラデイ | FLA | 1-0 | Perfect Game |
9 | 4/27/2003 | ケビン・ミルウッド Kevin Millwood | SFO | 1-0 | |
8 | 5/23/1991 | トミー・グリーン Tommy Greene | MTL | 2-0 | |
7 | 8/15/1990 | テリー・マルホランド Terry Mulholland | SFO | 6-0 | |
6 | 6/23/1971 | リック・ワイズ Rick Wise | CIN | 4-0 | |
5 | 6/21/1964 | ジム・バニング Jim Bunning | NYM | 6-0 | Perfect Game |
4 | 5/1/1906 | ジョニー・ラッシュ Johnny Lush | BRK | 6-0 | |
3 | 9/18/1903 | チック・フレイザー Chick Fraser | CHI | 10-0 | |
2 | 7/8/1898 | レッド・ドナヒュー Red Donahue | BAL | 5-0 | |
1 | 8/29/1885 | チャーリー・ファーガソン Charlie Ferguson | PRO | 1-0 |
フィリーズの14回のノーヒットノーランは、ブレーブス、ガーディアンズと並んで、MLB8位タイ。
ナショナルズ、初のノーヒット
なお、対戦相手のワシントン・ナショナルズは今回、初めてのノーヒットノーランを喫したということに。
前身のモントリオール・エクスポズは、1999年7月18日にヤンキースのデビッド・コーンにパーフェクトゲームをされていますが、フランチャイズが変わってからは初めてのノーヒッター。
実に3810試合に亘ってノーヒットノーランを喫していませんでしたが、その記録に終止符が打たれました。
なお、次ぎにノーヒットノーランを喫していないのはエンゼルスということに。エンゼルスは1999年9月11日にミネソタのエリック・ミルトンにノーヒットノーランを決められましたが、それ以降はノーヒットノーランを決められておりません。
VANSのスパイク!
マイケル・ローレンツェンと言えば、筋肉、二刀流の他に、もう1つ特徴があってそれがスパイクです。なんと、VANSのスパイクを履いています。そんなものあったのか!というくらいに驚きのカスタムメイド。
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— baseballcontent (@grandslamviral) August 10, 2023
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Michael Lorenzen's white Vans cleats he pitched a no-hitter in are going to the Baseball Hall of Fame 🔥🤩 pic.twitter.com/5WsACW30DW
今回は白だったのでわかりにくいですが、これは野球殿堂に飾られるようです。これはレッズ時代からそうです。
congrats to Michael Lorenzen on the no hitter who I mostly know as the vans guy pic.twitter.com/siZJCbdFDd
— Quesly (@Quesly2) August 10, 2023
おめでとうございました!
お読みいただき、ありがとうございました。
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