レッズ、6月の輝きが遠のく
現地2023年6月5日のことです。レッズはルーキー左腕のアンドリュー・アボットがブルワーズを相手に6回1ヒッター、スコアレス投球の快投を演じ、連敗を4で止めました。これがエリー・デラクルーズのデビュー前夜のこと。
そして6月6日、エリー・デラクルーズがメジャー・デビュー。
そこからのレッズはご承知の通り。見ていても非常に面白いゲーム展開を演じ、6月10日のカージナルスとのGm2から6月23日のブレーブスとのGm1まで実に12連勝を達成。
6月の勝敗は18勝9敗で破竹の勢いを見せ、5月終盤に4位、5位をさまよっていた順位が一気に好転。19日にナ・リーグ中地区の首位に立ったのでした。
7月に入っても勢いは止まらず、7月8日までの8試合で6勝2敗をマーク。
潮目が変わり始めたのは、オールスター前の7月9日からのブルワーズとの4ゲームシリーズ。ウェイド・マイリー、コービン・バーンズ、フレディー・ペラルタにころっとひねられ、3試合連続シャットアウト負け。4戦目にようやく3点を奪うも、3-4で惜敗。スウィープされてしまいます。
ただ、その後はそれを振り払うかのように打線が奮起。5連勝を演じます。7月は結局、15勝11敗をマークし、さすがに6月のようには行かなかったものの、貯金4の勝ち越しを決め、月末の時点でもまだ首位をキープしていました。
強かった6月のERAは5.03と高かったものの、7月のそれは3.51とMLBトップ5に入る堅さを誇ったのでした。
レッズはTDLで投手補強せず
トレードデッドラインで、レッズはアスレチックスからサム・モルを補強したのみ。この夏は投手補強にテコ入れするということで、ジョナサン・インディアを差し出しても!という覚悟を見せていたのですが、投手補強をしませんでした。
ジオリトを逃す
アレクシス・ディアスという良いクローザーをもつレッズはローテーション補強を目論んでいて、大きなターゲットはホワイトソックスのルーカス・ジオリトでした。
ところが、ジオリトはエンゼルスに奪われ、ローテーション補強に失敗。元レッズのマイケル・ローレンツェンの獲得にどこまで突っ込んだのかはわかりませんが、ローレンツェンもフィリーズへ。
まったく投手補強が出来ないまま、8月を迎えました。
8月未勝利クラブの1つ
現地2023年8月6日時点で8月未勝利なのが、ア・リーグ西地区のエンゼルス、ナ・リーグ東地区のメッツ、ナ・リーグ西地区のDバックスそしてナ・リーグ中地区のレッズです。
このうち、メッツは「売り」でしたので、この成績も覚悟の上だったのでしょうが、エンゼルスとDバックスは「買い」でしたから、ちょっと今は切ない結果となっています。
特にエンゼルスはコンテンダーとしてトレードデッドラインで大暴れしましたから。
その成果は現時点では上がっていませんが、シアトルとの4連戦でも、1点差負けが2試合、2点差負けが2試合と内容がかなり伴っております。
8月のERAはMLBワースト
ところが、レッズの場合は強烈です。8月1日、2日のカブス戦で2試合連続大量失点を喫し、スコアは9-20、6-16で大荒れ。
その他の試合も5失点以上を喫している状態。
8月1日から6日までのERAはMLBワーストの9.52。直近15試合でもMLBワーストの6.03です。
これではさすがに打線も萎えてしまいます。
打線も不調
ただ、打線も不調で8月に入って6日までのチーム打率は.251。これはMLBで16位の数字。強みのある打撃でもこの順位です。
エリー・デラクルーズもだんだんと数字が平準化してきており、ご覧のような推移です。
Month | BA | OBP | SLG | OPS | HR | SB |
---|---|---|---|---|---|---|
JUN | .307 | .358 | .523 | .881 | 3 | 9 |
JUL | .238 | .277 | .410 | .686 | 4 | 8 |
AUG | .250 | .348 | .550 | .898 | 2 | 0 |
8月は7月に比べ、OBPも上がりましたが、ここまで盗塁が0。
相手チームもエリー・デラクルーズが出れば大変なので、かなり警戒されている状態です。
そして今はビッグリーグの変化球に苦労している状態で、もう少し時間がかかりそうです。6月は夢中で打っていたのでしょうね。
レッズ、悪いサイクルに入ってしまいました。ここで投手が踏ん張ればなんとかポストシーズンへサバイブできるのですが、そこが機能していないのがつらいところです。
レッズは今季で契約完了であったデービッド・ベル監督と2024年から2026年までの3年間を延長を発表。その後は上述のような状態です。これは完全にハロー効果で調子の良い時に財布が緩む典型です。
現地2023年8月6日終了時点、レッズは59勝55敗でナ・リーグ中地区3位に落ちました。
まだ巻き返せると言いたいところですが、とにかく投手が失点の穴を塞がないことにはどうにもならないという現状です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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