すべて強いボールでMAX 102.2mph
現地2023年5月29日、エンゼルス@ホワイトソックス戦は見どころが多いゲームでした。1つは非ホジキンリンパ腫を克服したリアム・ヘンドリクスの復帰登板。命の危機から復帰した訳ですから、これは非常に喜ばしい出来事でした。
そして、もう1つは前日の現地2023年5月28日に、マイナーから40manあるいはアクティブロスターに入ることを意味する”selected contract”となったベン・ジョイス(Ben Joyce)のメジャー・デビュー戦です。
本当は今朝、この記事を書きたかったのですが、時間の都合で夜になってしまいました。その代わり、デビュー戦をじっくりと見た上での記事です。
Ben Joyce was ready for the show ⚾️ @Angels | #GoHalos pic.twitter.com/0C3qpF96AO
— Bally Sports West (@BallySportWest) May 30, 2023
ベン・ジョイス、2番手で7回から登板
そのベン・ジョイスは、このゲームの2番手として7回表に登板することになりました。
スコアは4-3とエンゼルスが僅差でリードした状況での登板ということで、非常にハードルの高いデビュー戦となったのですが、ベン・ジョイスは期待通りの剛腕を披露してくれましたね!
ファストボールはAll 100mph超え
ベン・ジョイスが最初に対したのは、アンドリュー・ボーン。2019年のホワイトソックス1巡目、全体3位指名のスラッガーです。そのボーンに対して、ベン・ジョイスは2球で追い込みます。3球目、スライダーを投じたところをボーンにLF前に弾き返され、いきなりの被安打となりました。ただし、むしろベン・ジョイスにとってはマイナーの打者との違いを体感するには良かったのではないかと思います。
つづく、ギャビン・シーツには、4シーム圧しで、メジャー初三振を奪いました。
さらに右打者のロミー・ゴンザレスにも強いボールで圧して行き、空振り三振。
2アウトとなり、ホワイトソックスは代打にベテランのヤズマニ・グランダールを起用。おもしろい勝負でしたが、ベテランは初球から打って出て、LFフライに倒れました。
ベン・ジョイスのデビュー戦は、1イニング、12球、被安打1、スコアレス、BB 0、2SOという素晴らしさ。12球のうち、ストライクが10球です!
【ベン・ジョイスのデビュー戦のベロシティー】
なお、デビュー戦のベロシティーはご覧の通り。
- アンドリュー・ボーン
- 102 mph 4シーム
- 100.3mph 4シーム
- 89.3mph スライダー (LF前シングル)
- ギャビン・シーツ
- 101.3 mph 4シーム
- 100.7 mph 4シーム
- 100.2 mph 4シーム
- 101.8 mph 4シーム (空振り三振)
- ロミー・ゴンザレス
- 101.5mph 4シーム
- 101.6 mph 4シーム
- 101.2 mph 4シーム
- 100.6 mph 4シーム (空振り三振)
- ヤズマニ・グランダール
- 102.2mph 4シーム ( LFフライ)
記録としてはファストボールは4シームでしたが、起動はシンカーのようなものが多かったですね。これはいわゆるナチュラルでシュートしていたのか、意図的に投げていたのかわかりません。
デビュー戦ということもあり、思い切って腕を振ったのでしょうね。ベン・ジョイスはスライダーの他にチェンジアップも投げます。アマチュア時代はスプリッターも投げていて、カッターにも挑戦していたはずです。
前年ドラフトで翌年5月にデビュー
アマ時代に投げた105.5mphが衝撃的すぎるベン・ジョイスは、2022年のアマチュアドラフト3巡目指名。
前年のドラフトでピックされた大学生が翌春に投げていること自体がそもそもすごいことです。
彼がすでにトミージョン手術を受けたことなど、アマチュア時代の詳細は下記の記事をお読みいただければ幸いです。
マイナーはダブルAのみ!
2022年のドラフトでピックされ、もう上で投げたくて仕方のなかったベン・ジョイスは、ドラフト後にすぐにプロデビュー。通常はルーキー・リーグから始める、ときにシングルAのショートシーズンで腕試しというところですが、ベン・ジョイスはいきなりダブルAにアサインされ投げました。
2022年は13試合で、13.0イニングを投げて、被安打11、失点4、BB 4、HR SO 20。このベロシティーなら打者は三振するはずです。
2023年はスプリング・トレーニングでNRIとしてメジャー・キャンプに参加。7試合、6.2イニングを投げ、被安打4、失点2、BB 6、SO 10でERAは2.70。この時点でBBはやや多めだったものの、ほぼ合格点でした。
2023年は、ダブルAで開幕を迎え、14試合、15.2イニングを投げ、被安打7、失点12、自責点 8、HR 1、BB 13、SO 24。SO9は13.8、BB9は7.5。
救世主になれるか?
エンゼルスはカルロス・エステベスが期待どおりの活躍を見せており、先発が降板した後に彼にどうつなぐかがポイントな訳ですが、現時点ではクリス・デベンスキーが機能しており、ジミー・ハーゲットも戻ってきたことから、手厚くはなってきております。
ベン・ジョイスは大事に使うと思いますので、ブルペンでうまくローテーションを組めれば良いですね。
さて、このゲームはグリフィン・カニングが3戦連続で好投。6回を3失点に抑え、ベン・ジョイス、クリス・デベンスキー、カルロス・エステベスとつないで、ブルペンで1失点とホワイトソックス打線を抑えました。
大谷選手に死球
ここのところ、打線がその力を十分に発揮出来ていないエンゼルスでしたが、初回にブランドン・ドゥルーリーの3ランHRなどで4得点。
8回にはリアム・ヘンドリクスから2得点を奪い、6-4のスコアで勝ちました。
それにしても、19日のロイヤルズ戦でパーフェクト・ペースの素晴らしい投球を見せたホワイトソックス先発のマイケル・コペックは大谷選手に死球を与えるなど乱調でした。安定しませんね。
Shohei Ohtani remained in the game after being hit in the leg by a pitch pic.twitter.com/Zf6LRYexs2
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) May 30, 2023
お読みいただき、ありがとうございました。
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