パクストン、2試合連続で好投
レッドソックスは現地2023年5月19日から西海岸への遠征がスタート。パドレス、エンゼルスと3ゲームシリーズをこなした後、5月25日に1日空いて26日から28日までDバックスとの3ゲームシリーズです。
レッドソックスはフェンウェイでのカージナルス戦で勝ちゲームを取りこぼしてスイープされた後、マリナーズとの初戦も1-10で大敗。このまま落ちて行くのか?と心配になりましたが、ルイス・カスティーヨが先発したゲームを9-4でものにし、マルコ・ゴンザレスも打ち崩して2連勝でサンディエゴに乗り込みました。
このゲーム、レッドソックスはジェームズ・パクストンが先発し、良いピッチングを見せてくれました!その前に事前情報です。
ボガーツとフィールドで再会
パドレスと言えば、ザンダー・ボガーツの移籍先ですね。今季のボガーツはこのゲーム前まで打率.275、OBP .374、SLG .431、OPS .806、HR 6、RBI 16と活躍。ボガーツの場合、これにプラスして守備の安定度がありますので、パドレスのゲームを見ていてもSSに飛んだ打球は安心して見ていられますね。
パドレスとは2019年以来の対戦
レッドソックスが西海岸へ遠征に行くとエンゼルスとはよく対戦しますが、パドレスとの対戦は記憶にないくらい久しいです。翌シーズンのスケジュールは当年のシーズン中に出ますから、ボガーツの移籍で決まったシリーズではありませんが、何やら不思議な縁も感じてしまいました。
調べるとレギュラーシーズンでのパドレスとの対戦は、実に2019年8月23日から25日にやはりサンディエゴで行われた3ゲームシリーズ以来のことです。このシリーズは2勝1敗でレッドソックスがものにしています。
なお、今季のパドレスとの対戦はこのシリーズで終了。ちなみに同じNLウエストのドジャースとは2023年8月25日から27日までフェンウェイで3ゲームシリーズが行われます。
パクストンが好投!6回/1失点/5K
このゲームで今季2度めの登板となったジェームズ・パクストン。そもそも現地2021年11月30日にレッドソックスとサインしたものの、2022シーズンは全休でした。
2019年以降のパクストン
2019年以降のジェームズ・パクストンを振り返ってみると、2018年オフに左腕のジャスティス・シェフィールドらとのトレードでマリナーズからヤンキースに移籍しました。2019年、怪我人で壊滅したヤンキースおいて、パクストンは数少ない健康な選手の一人ではありましたが、2019年5月3日のツインズ戦で膝を傷め、わずか3イニングで降板。その後ILに入ることになりました。
しかし、復帰後は10連勝してこのシーズンを15勝6敗、ERA 3.82で終えるというキャリアハイのシーズンを過ごしました。ポストシーズンでもドミンゴ・ヘルマンが出場できなかったため、ツインズとのALDSのGam1に先発。アストロズとのALCでは2試合に先発して計8.1イニングで2失点、12奪三振と好投。このうち1勝を上げました。
2020シーズンは2月に脊椎固定術を実施。4ヶ月の離脱を余儀なくされました。前年の9月下旬に初めて痛みを感じ、通常のプログラムでは改善出来なかったため手術を決意したのでした。このシーズンはご承知の通り、パンデミックにより短縮されたされたため、登板は5試合で1勝1敗、ERA 6.64という成績に終わり、ポストシーズンには出場せず。
シーズン終了後にFAとなり、2021年2月13日にマリナーズと1年で契約し、再入団しました。
しかし、2021年、マリナーズでは4月6日の1試合に登板しただけで、左前腕部の張りで残りシーズンを離脱しました。2021年は1.1イニングを投げたのみです。
ロックアウトが発動する直前の12月1日にレッドソックスとサイン。ただ、入団して即60 Day IL。もちろん、レッドソックスはそのリスクも想定した上での契約だったのですが、そこからまだ怪我が続きます。
2022年4月はやはり左肘が思うように回復せず、オールスター時期の復帰が見込まれましたが、これも吹き飛び、2022年8月には左広背筋も傷め(グレード2の損傷)、シーズンの最後までスローイング・セッションに終始して全休。
オフには契約で2023-24のクラブ・オプションをレッドソックスが拒絶。ただ、契約には2023年の$4Mのプレーヤー・オプションもついていたため、パクストンはそれを行使。レッドソックスに残ることになりました。
さあ、2023年は頑張ってもらうぞ!というタイミングの3月3日のスプリング・トレーニングのゲームで、今度は右足を傷めて離脱。診断の結果、右ハムストリングスのグレード1の損傷。
一体、いつ投げられるのだ!と相当厳しい時期を過ごしたのですが、2023年4月にようやくマイナーでのリハビリ登板をスタート。
5月12日のデビュー戦で好投
現地5月10日にようやくILからアクティブ・ロスターに復帰。ついに現地2023年5月12日のカージナルス戦でデビューを果たしたのでした。
そのデビュー戦での投球は素晴らしく、カージナルス打線を5イニングで被安打4、失点2、奪三振9をマーク。なかなか安定しなかったレッドソックスのスターターの中でようやく明るい兆しを提供するほどでした。
ただ、せっかくのパクストンの好投も虚しく、それまで良い結果を出していた2番手のジョシュ・ウィンコウスキーが6回表に3失点。レッドソックスは8回裏に6-5と逆転に成功するも、最後はケンリー・ジャンセンがひっくり返されて6-8で敗戦したのでした。この敗戦をきっかけにカージナルスにスイープされてしまったのでした。
今季、2試合目も好投
また前置きが長くなってしまいました。
パドレス戦のパクストンですが、立ち上がりに2連打を許しピンチを迎えますが、2回裏を三者凡退に抑えます。
味方打線の援護もあり、3回裏に入った時点で6−0とリードする展開の登板に。パクストンは3日裏に1アウトからフェルナンド・タティス・Jr.にアウトコースの95.6mphの4シームをRFスタンドにソロHRを打たれましたが、失点はこの1点のみでした。
4回裏には1アウトから2本のシングルと四球で満塁のピンチを招くも、落ち着いて後続を抑え無失点。
パクストンは5回と6回の2イニングを三者凡退に抑え、良い流れで2番手にスイッチ。
この日は、6.0イニング、107球で被安打5、失点1、BB 2、SO 5、HR 1という成績。やはり96mphほどの斜めから入ってくる角度のある4シームは魅力ですね。
デバースが2打席連続HR
レッドソックス打線ですが、2回表に先頭のラファエル・デバースがブレイク・スネルのカーブをうまく捉え、RFへソロHRで先制。
さらに、3回裏にはコナー・ウォンの2塁打をきっかけに、2つの四球も絡んでレフスナイダーのタイムリーダブルで2点を追加。さらに、ラファエル・デバースが2打席連続となる13号3ランHRをRFに放っち、このイニング5得点。優位な展開に持ち込みました。
レッドソックスは大量点を奪っても、ひっくり返されるケースが多かったのですが、この日はパクストンの好投と2番手ジョシュ・ウィンコウスキーの好投でこのまま逃げ切り、6−1で勝利をおさめました。
ジェームズ・パクストンには今季初勝利がついています。
パクストン、2年9ヶ月ぶりの勝利
なお上述のようにパクストンは怪我が重なったため、レギュラー・シーズンの勝利は、2020年8月15日以来、実に2年9ヶ月ぶりの勝利となります。ちなみにヤンキースにいたこのシーズン、この勝利の空いてはレッドソックスでした。
レッドソックスは、ロスターが入れ替わりなかなかおもしろい展開となっています。これからの戦いぶりに注目です。この勝利で25勝20敗で、貯金5なのですが、ALイーストはみな勝率が5割以上。現地2023年5月19日時点でトロントと同率4位です(最下位で2クラブが並んでいる)。
お読みいただき、ありがとうございました。
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