2023年の最初の1ヶ月が終了
現地2023年4月30日、3月30日から始まった2023年のレギュラー・シーズンは、3月に行われた2日分も含めて最初の1ヶ月が終了しました。
まだまだ大型エンジンを積んだクラブでスロースタートとなっているクラブが複数あり、シーズン最後にどのクラブがフィニッシュラインを先に超えるかは見える訳ではありませんが、ロケットスタートが有利なのは間違いありません。1ヶ月の模様を見て行きます。
レイズが圧倒!
とにかく、今季はレイズのスーパー・ロケット・スタートが他を圧倒しています。開幕13連勝を樹立し、その後も揺れ戻しは無し。結果、たったの6敗しかしておりません。
内容を見ても超優秀。非の打ちどころがありません。
NO.1だらけ
現地2023年4月30日時点のレイズのチームスタッツを見てみると、ご覧の通り。
【打者成績】
- チームAV.:.281 (MLB NO.1)
- チームOBP: .351 (MLB NO.1 )
- チームSLG : .528 (MLB NO.1)
- チームOPS: .879 (MLB NO.1 )
- チームHR数:61 (MLB NO.1 )
- チームRBI : 188 (MLB NO.1 )
- チーム安打数:282 (MLB NO.1)
- チームTotal Bases: 529 (MLB NO.1)
【投手成績】
- チームERA :3.28 (MLB NO.1)
- チームWHIP:1.11 (MLB NO.1)
- チーム被HR:19 ( MLB最少)
- チーム被安打数:198 (MLB NO.2)
そのほかにも20試合以上に出場している選手で、3割超えは6名(ヤンディー・ディアス、ワンダー・フランコ、ランディー・アロウザリナ、ジョシュ・ロウ、ハロルド・ラミレス、テイラー・ウォールズ)、5HR以上がなんと8名!うち4名は7HRです(ヤンディー・ディアス、ランディー・アロウザリナ、ブランドン・ロウ、ルーク・レイリー)。
勝つしかない状態ですね。これで、まだタイラー・グラスノーが復帰していないのですから、彼が出てくるとどうなるのか?というくらいの状況です。
打線はみずものとも言いますが、レイズは先発がゲームメイクが出来ているので、接戦になっても強いという状況でもあります。4月24日から26日までアストロズとの3ゲームシリーズがあり、レイズは1勝2敗で負け越しましたが、記事にはしませんでしたが、非常にレベルの高いゲームでした。双方ともに強かったです。この1ヶ月はとにかく強かったですね。
パイレーツがNLで唯一、20勝
今季最初の1ヶ月の最大のサプライスはパイレーツではないでしょうか。ブレーブスとメッツとのゲームが雨で流れたこともありましたが、NLで唯一20勝を達成。当然のことながら負け数も一桁という素晴らしさ。
パイレーツのスタッツ
非常に注目していたオニール・クルーズを怪我で欠いたとは言え、打撃成績はご覧の通り。
- チームAV: .264 (MLB NO.5/ NL NO.4)
- チームOBP: .347 (MLB NO.3/ NL NO.2)
- チームSLG : .449 (MLB NO.2/ NL NO.1 )
- チームOPS:.792 (MLB NO.3/ NL NO.2)
- ダブル:62 (MLB NO.2 タイ)
- BB: 113 (MLB NO.2)
- SB: 41 (MLB NO.1)
打撃はMLBでもトップクラス。特に二塁打の数が多いこととBBの数が多いことで得点力が高まっています。
ピッチングの方はチームERAは3.56でNO.7。WBCのUSA代表でもあったデービッド・ベッドナーという確固としたクローザーがいるのが大きく、彼がすでに9SVを上げています。また、SBがMLB NO.1というのも得点力の高さを実現させています。3盗塁以上が7名もおり、しかもカルロス・サンタナまで3盗塁です。アンドリュー・マッカッチェンの好調さもチーム成績に反映されているようです。
2022シーズンは4月末時点で9勝12敗で3位。最終的には62勝100敗で100敗超えの4位。そこからするとかなりのサプライズということですね。
ALイースト
では各地区ごとに見て行きます。ALイーストは上述の通り、レイズが他を圧倒。
ALE | CLUB | W | L | RS | RA | DIF |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | TBR | 23 | 6 | 195 | 92 | +103 |
2 | BAL | 19 | 9 | 147 | 122 | +25 |
3 | TOR | 18 | 10 | 132 | 118 | +14 |
4 | BOS | 15 | 14 | 163 | 151 | +12 |
4 | NYY | 15 | 14 | 116 | 114 | +2 |
オリオールズがラッチマン他、カノーなども出てきて良い数字を出しています。NO.1プロスペクトのガナー・ヘンダーソンは右手を傷めており、出遅れました。
ブルージェイズがアレク・マノア、ケビン・ゴーズマンに加えて今季は菊池投手が好調。良い戦いぶりです。
レッドソックスはとにかく、先発がゲームメイク出来ておらず、しんどい戦いが続いています。
ヤンキースはジャッジ、スタントンを怪我で欠き、カルロス・ロドンほか先発も怪我で稼働出来ず、投打にわたり苦戦しています。アンソニー・ボルピーが明るい材料。ジャッジとの大型契約以外はおとなしかったヤンキース。さては何か企んでいるのでしょうか!?
ALセントラル
ツインズがソニー・グレーの好調さ(ERA NO.1)もあり、投手力が安定しており、地区をリード。ジョー・ライアンも好調です。
AL C | CLUB | W | L | RS | RA | DIF |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | MIN | 17 | 12 | 134 | 108 | +26 |
2 | CLE | 13 | 15 | 108 | 125 | -17 |
3 | DET | 10 | 17 | 88 | 135 | -47 |
4 | CHW | 8 | 21 | 118 | 183 | -65 |
5 | KCR | 7 | 22 | 96 | 160 | +42 |
ガーディアンズはもともと打たないのが響いています。タイガースがなんとか頑張っていますが、ホワイトソックスが自滅状態。ロイヤルズは完全に投壊です。勝率5割超えはツインズだけ。
ALウエスト
トラウト&大谷に加え、ジオ・ウルシェラ、カルロス・エステベスが加わったエンゼルスはアクセルを踏みつつ、ブレーキも踏んでいるような戦いぶりで、せっかくの力が発揮出来ていない状態。昨年はジミー・ハーゲットが夏以降は無双状態でしたから、彼の復調が待たれます。
AL W | CLUB | W | L | RS | RA | DIF |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | TEX | 17 | 11 | 178 | 106 | +72 |
2 | HOU | 15 | 13 | 128 | 106 | +22 |
3 | LAA | 15 | 14 | 148 | 130 | +18 |
4 | SEA | 12 | 16 | 120 | 119 | +1 |
5 | OAK | 6 | 23 | 113 | 230 | -117 |
WSチャンプのアストロズはホセ・アルトゥーベがWBCで死球を受けて骨折。これが響いて、開幕はつまづきましたが、それでも5割を超えてきたのはさすが。やはり強いです。
レンジャーズは投手力がどこまで持つかというところ。デグロムの離脱も気になります。
意外だったのがマリナーズの不調です。いずれ上がってくるかと。アスレチックスは投壊で目指す野球である走塁を重視したプレーを見せる機会がない状態。それでも落ち着いてきていますから、今後は4月ほどのことはないかもしれませんね。
NLイースト
スペックだけで言えば間違いなくメッツの天下ですが、そうはいかないのが野球の面白いところ。NLイーストは優秀なブレーブスがやはり首位を走ります。
NL E | CLUB | W | L | RS | RA | DIF |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ATL | 18 | 9 | 138 | 95 | +43 |
2 | NYM | 15 | 12 | 122 | 114 | +8 |
3 | MIA | 16 | 13 | 99 | 134 | -35 |
4 | PHI | 15 | 14 | 126 | 130 | -4 |
5 | WSH | 10 | 17 | 104 | 130 | -26 |
メッツはバーランダーが5月に復帰、シャーザーも粘着物質のサスペンションがそろそろ明けます。千賀投手が良い滑り出しだったのが良かったです。
前年ALのバッティング・チャンプのルイス・アラエズをトレードで獲得したマイアミが5割超え。同じく前年サイ・ヤング賞のサンディー・アルカンタラもそろそろエンジンがかかってきそうです。
フィリーズはやはりブライス・ハーパーのトミージョン手術による欠場が響きましたが、それでもなんとか5割をキープ。マーシュ、ボーム、ニック・カステヤーノス、アーロン・ノラがいい働きをしていますね。そのハーパーは、5月2日から1Bで復帰しそうです!
ナッツはトレードで入ってきた若手が活躍するも、投手力が厳しい状態です。
NLセントラル
ここは上述したパイレーツの好調さが際立ちますが、逆の意味で際立っているのがカージナルスの不振。ゴールディーが3割を超えていますが、アレナドが.236と不振で得点力が上がらず。元気者のヌートバーの打撃が進化しているだけに楽しみもあります。
NL C | CLUB | W | L | RS | RA | DIF |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | PIT | 20 | 9 | 156 | 108 | +48 |
2 | MIL | 18 | 10 | 128 | 100 | +28 |
3 | CHC | 14 | 13 | 146 | 103 | +43 |
4 | CIN | 12 | 16 | 125 | 139 | -14 |
5 | STL | 10 | 19 | 123 | 136 | -13 |
鈴木選手のいるカブスはパイレーツに匹敵する得失点差にも関わらず、1RUNゲーム(1点差ゲーム)の勝敗が2勝5敗と接戦を落としているのが響いて3位。しかし、内容は良いので期待値は高いです。
ブルワーズはさすがの強さですが、得点力があと少し上がればというところ。レッズは投手力の弱さが出てはいるものの、なんとか借金4で最初の一月を終えました。
ALウエスト
NL W | CLUB | W | L | RS | RA | DIF |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | AZD | 16 | 13 | 145 | 140 | +5 |
1 | LAD | 16 | 13 | 146 | 129 | +17 |
3 | SDP | 15 | 14 | 121 | 134 | -13 |
4 | SFG | 11 | 16 | 126 | 144 | -18 |
5 | COL | 9 | 20 | 115 | 169 | -54 |
ドジャースが勝ち越してはいるものの、SSに据えようとしたギャビン・ラックスを怪我で欠き、ムーキーもSSを担当するなど、攻撃力が不安定で打撃にいつもの爆発力がない状態。
ドジャースもオフの補強はおとなしかったのですが、何か企んでいるのでしょうかね!?
DバックスがNO.2プロスペクトのコービン・キャロルの活躍などもあり、好調です。エースのザック・ギャレンが無双状態なのも大きいのですが、それ以外の投手がちょっと弱いので、これがどこまで持つか?というところ。
パドレスはこれから上がって来そうです。ソトのスロー・スタートが響きました。ジャイアンツはブランドン・クロフォードが好調なので、昨年のようなことはなさそうですが、やはり打撃に迫力がない状態です。
ロッキーズは、開幕時に良かった投手力が落ちました。ヘルマン・マルケスの離脱はちょっと大きすぎます。クリス・ブライアントはまったく目立たなくなってしまいましたが、打率.297、HR3。彼がもっと目立たないとロッキーズは厳しいです。WBCでイップスを再発したか?と思われたダニエル・バードは、今季はまだ4試合、4.0イニングしか投げていません。ERAは0.00なのでこれから登板機会が増えるようなんとか頑張ってほしいところです。
個人
投手では大谷選手が、4勝0敗、ERA 1.85と非常に安定した成績を残しています。ERAリーダーはソニー・グレイで0.77。勝利数は5勝が、ゲリット・コール、クレイトン・カーショウ、シェーン・マクラナハン、ジョー・ライアンと5名が並んでいます。
SOはケビン・ゴーズマンがSOタイトル常連のゲリット・コールの44を抑えて54でトップ。大谷選手は46でMLBで4位、ALで2位タイです。
打撃ではマーリンズのルイス・アラエズがすでに1ヶ月が経ったというのにまだ打率.438をキープ!千賀投手のフォークを初見でヒットにしたのには驚きました。ALではマット・チャップマンが.384でリードしています。
HRはドジャースのマックス・マンシーが11本でMLBトップ。ALではレッドソックスのラファエル・デバースが10本でトップです!
RBIはレンジャーズのアドリス・ガルシアがMLBトップの30。ランディー・アロウザリナが28で2位。NLではメッツのピート・アロンゾが25でトップです。
OPSでは、ブルージェイズのマット・チャップマンが1.152でMLBトップ。2位のマックス・マンシーの1.071を上回っております。
SB(盗塁)はロナルド・アクーニャ・Jr.が13でMLBでトップ。ALではオリオールズのセドリック・マリンズとA’sのイチオシのエステウリ・ルイーズが11でトップタイです。
なお、BB(四球)は、フアン・ソトが安定した強さを見せ、もう27個も選んでおります。
以上、粗いレビューだったかもしれませんが、開幕1ヶ月の状況でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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