豪腕のデビュー2戦目
現地2023年4月25日のアスレチックス@エンゼルス戦で注目の投手が先発しました。このゲームはエンゼルスがグリフィン・カニング、アスレチックスがメイソン・ミラーが先発。
エンゼルスのグリフィン・カニングも怪我からの復帰で良い投球をしているのですが、今回はデビュー2戦目となったメイソン・ミラーにフォーカスを当てたいと思います。
【前回登板】衝撃デビューとなったカブス戦
アスレチックスのNO.3プロスペクトのメイソン・ミラーは現地2023年4月19日のオークランドで行われたカブス戦でメジャー・デビュー。アスレチックスは開幕から大苦戦でしかもこの日は平日の12:37のファーストピッチにも関わらず、この日詰めかけた観衆は12,112名。入場目的は様々ではあるものの、メイソン・ミラーのデビュー戦を見たいという観客も多かったはずです。
このデビュー戦はなかなかすごかったです。筆者は寝転んでVTRを見ていたのですが、思わず起き上がって姿勢を正したほど、よく見たい!という動機が働くほどのボール。
後日のエンゼルス戦で初めて見た方も多かったと思いますが、俗に言う糸を引くような速球に驚かれた方も多かったのではないかと思います。デビュー戦でこのようなきれいな球筋を見たのは、かつて(あくまでかつてです!)、マリナーズでデビューした頃のマイケル・ピネダを思い出しました。ピネダはデビュー当時はすごかったのです。
そのカブス戦は初回は、丁寧な投球だったと思います。先頭のニコ・ホーナーにシングルを打たれ、いきなりの洗礼を受けた訳ですが、その後はイアン・ハップをダブルプレーに打ち取るなど無失点。
【前回登板】ベールを脱いだ2イニング目
凄みを見せたのは2イニング目でした。コディー・ベリンジャー、エドウィン・リオス、パトリック・ウィズダムを3者連続三振。しかも、コディー・ベリンジャーの4球目からエドウィン・リオスの3球目まで5球連続で100mph超え。この日の最速は3回表にニコ・ホーナーに投げた101.1mphでした。
4回表に四球とワイルド・ピッチが絡んだところをイアン・ハップにスライダーを叩かれ2塁打を打たれ、1失点。5回表にはカット・ボールを狙われ、エリック・ホズマーに技ありのシングル、ニック・マドリガルにもシングルを打たれ、1、3塁となったところでタッカー・バーンハートに犠牲フライを打たれ、2失点目。この日はここで降板。4.1イニングで81球を投げ、被安打4、失点2、BB 1、SO5、HR 0という上出来のデビュー戦でした。
相手投手が今季好調のジャスティン・スティールでなかなか高いハードルでもありました。なお、このゲームは終盤にブルペンが打たれて、アスレチックスは2-12で大敗しました。
【2戦目】エンゼルス戦
現地2023年4月25日のキャリア2戦目、メイソン・ミラーは、最高レベルの打者との対戦がいかなるものかを初回から味わうことに。
この日も100mph連発
この日もメイソン・ミラーは100mph投球を連発。初回になんと12球も投じました。特にマイク・トラウトには、100mph、100.7mph、100.7mph、100.7mphと4球連続。しかも大谷選手の打席では100mphこそ超えなかったものの、99、98と100mph近いファストボールを投げ込んだのでした。
エンゼルスが逆方向にしっかりと打ち返す
ただし、「これがメジャー」というところをエンゼルス打線は見せつけられました。
初回、先頭のテイラー・ウォードから三振を奪ったものの、マイク・トラウトには、100.7mphの4シームをRFへ二塁打。
大谷選手はLFフライに倒れたものの、こちらも99.7mphをしっかりとLFに運ばれます。アンソニー・レンドンには四球を出し、つづくブランドン・ドゥルーリーには、真ん中外寄りの低めの99.7mph の4シームをCFへしっかりと弾き返され、これがCFのエステウリ・ルイーズの判断ミスもあり3塁打となり、2失点。
ルイス・レンヒーフォには、96.3mphのインコースのベルト付近のカット・ボールを捉えられ、RF前シングルとなって3失点目。ジオ・ウルシェラにも真ん中低めの100.4mphの4シームをRF前に運ばれ、4失点。
たとえ、100mphを越えようが、しっかりと逆方向へ対応されれば、あっさりと得点を奪われるということを実感した初回でした。
このカードは前夜、10イニングの乱打戦の後で、リリーフ陣もフル回転したことから、メイソン・ミラーはイニング・イーターとして踏ん張ることもテーマに掲げられていました。
どうなるか?と思われた初回の投球でしたが、2回以降はヒット1本に抑える好投。4回で降板となりましたが、86球を投げて、被安打5安打、1BB 、SO6。
修正能力もあり!
特に2回以降の投球に、カットセイ監督も「彼が落ち着いて、3回を無失点に抑えたことは、ポジティブなことだ。彼のプロセスや、この試合から何を学び、何を取るかについて話し合った。」と語っており、今後に大きな期待を寄せています。
またコマンドも効くミラーは、インコースへの投球を増やすなど、ゲーム中に修正するというルーキーらしからぬ面も見せています。
なお、ゲームは初回の4失点が響き、5-3でエンゼルスが勝利しています。メイソン・ミラーに黒星がつきました。
メイソン・ミラーとは
なお、メイソン・ミラーの簡単なプロフィールですが、1998年8月24日生まれの24才(現地2023年4月25日時点)。
2021年のアマチュア・ドラフトのアスレチックスの3巡目指名です。
ノース・キャロライナ州のディビジョンIIIのウェインズバーグ大学からピッツバーグのガードナーウェッブ大学に2021年に移籍。編入と言った方がいいのでしょうか。4年生の時に8勝1敗の成績を収めて、アスレチックスにドラフト指名されました。なお、大学では、2年生の時に糖尿病と診断されています。それからまだ2年ですから糖尿病と戦いつつという状態かと思います。
2021年はルーキー・リーグ。2022年はルーキーから、クラスA+を経てトリプルAにまで昇格。2022年は3レベルで14.0イニングしか投げておりません。2022年はダブルAスタートで1試合、3.2イニング、ほどなくトリプルAに昇格し、1試合5.0イニングに登板。2試合、8.2イニングのみの登板でメジャーに上がったことになります。両レベルを併せてERAは2.08、SO9は19.7でした。
かなり珍しい昇格の仕方をしていますね。
最高レベルの打者が揃うエンゼルスから多くを学んだメイソン・ミラー。今後の投球に期待がかかります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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