藤浪投手のデビュー戦
現地2023年4月1日、オークランド・アスレチックスは予告通り、エンゼルスとの開幕2戦目に今季、阪神からMLBへ移籍することとなった藤浪投手を先発に起用しました。
期待された藤浪投手は上々の立ち上がりを見せたのですが、3イニング目に大量失点を許してしまいました。
藤浪投手、最高の立ち上がり
この日、エンゼルスの先発は左腕のパトリック・サンドバル。WBCのメキシコ代表として準決勝において日本打線を苦しめた投手で、すでに出来上がっております。
藤浪投手としては、先制点を与えたくないところでした。
MAX 99.6 mph & スプリッター 94.8mph
その藤浪投手は立ち上がりは非常に良かったです。初回、リードオフのテイラー・ウォードに大きなファウルを打たれましたが、最後は93.3mphのスプリッターが真ん中低めに決まって空振り三振。
2番マイク・トラウトには、2球目に98.7mphの強い4シームを披露。やはり最後はスプリッターで空振り三振を奪いました。トラウトを三振に斬って取ったスプリッターはなんと94.8mphです。
このスプリッターのベロシティーは大谷選手より速かったかもしれません。
そして3番DHの大谷選手もスプリットで1Bゴロに打ち取り、初回は三者凡退。最高の立ち上がりとなりました。
オートマティック・ボールも体験
2イニング目、先頭のアンソニー・レンドンには、スライダーを1球挟むも、最後は4シームでLFフライに打ち取り、1アウト。
2イニング目の2人目、ハンター・レンフローの時には、3球目を投げた後にピッチ・クロックの時間制限超えで、オートマティック・ボールを体験。しかし、レンフローにも91.6mphのスプリッターで空振り三振を奪い、落ち着いたところも見せました。
次打者のジェイク・ラム時には初球にこの日のMAXの100mph(99.6mph)を記録。かなり強いボールでしたね。ジェイク・ラムも最後はスプリッターで空振り三振に仕留め、2イニングを打者6人で抑える好投を見せました。
3回に崩れる
0-0スコアのまま進んだ3回表。藤浪投手はイニング先頭のルイス・レンヒーフォにフル・カウントから四球を与えます。ストライクは取ったものの、ボール球が明らかにそれとわかるコースでした。
落ち着きを取り戻すべく、つづくジオ・ウルシェラにはスライダーを投じたものの、2球目がハンギング・スライダーとなり、CF前にゴロで転がるシングルに。
ノーアウト1、2塁でローガン・オホッピーを迎えた藤浪投手は、おそらく四球に気をつけたのでしょう。3球目のスライダーがまたしてもハンギング・スライダーとなり、先制の2塁打を許してしまいます。
ノーアウト2、3塁でテイラー・ウォードを迎えた藤浪投手は、またしても初球のスライダーがハンギング・スライダーとなり、CFへのラインドライブのシングルとなり、ウルシェラが還って2失点目。
マイク・トラウトには一貫して強いボールを投げるも、明らかボール球となり、四球。ノーアウト満塁でなんと大谷選手を迎えることに。
大谷選手に技ありの大飛球を打たれる
その初球、99.1mphの4シームで大谷選手を差し込んだ藤浪投手でしたが、2球目のアウトハイの4シームを大谷選手に逆方向へ運ばれ、これがあと数10cm上ならウォール超えという当たりに。この技ありの大飛球は、LFのセス・ブラウンが対応できそうな動きをしたため、ランナーは1人だけしか還れませんでした。これでエンゼルスは3-0。
アンソニー・レンドンにも真ん中近辺に投球を集めてしまい、CFへの犠牲フライを打たれて4失点目。
ハンター・レンフローには明らかにわかるボールで四球を与え、1アウト満塁。
ジェイク・ラムには3球目の4シームがアウトコースのベルト付近の高さに行ってしまい、CFにゴロで転がるタイムリーとなり、トラウトと大谷選手が還り、6失点目。
1アウト2、3塁でルイス・レンヒーフォに回ったところで、アダム・オラーにスイッチしました。
藤浪投手は、2.1イニングで55球、被安打5、失点8、自責点8というデビュー戦に。なお、2番手のオラーが藤浪投手が出した2人のランナーも還したため、藤浪投手に自責点がついております。
エンゼルスはこのイニングに、さらにテイラー・ウォードの2ランHRなどで追加点を上げ、11得点を上げて試合を決めました。
結果は、13-1でエンゼルスが勝利。
レンヒーフォの立ち位置で変わった?
序盤2イニングにも逆球があった藤浪投手でしたが、原則、ゾーン近辺に集めており、良い立ち上がりでした。
3イニング目にどうしておかしくなったのだろう?と筆者なりに分析したところ、どうもイニング先頭のルイス・レンヒーフォの打席の立ち位置でおかしくなったのか?と思いました。あくまでも筆者の妄想ですので、ご容赦ください。
この打席のレンヒーフォは、わかってやったことなのか?それともアウトコースに逃げるスプリッターに対応しようしてそうしたのか?動機は不明ですが、バッターボックスのホームプレート寄りのラインぎりぎりに立っていたように思います。
基本的に左打者には遠慮なく腕を振って投げる藤浪投手ですが、ひっかかるのを恐れてか、投球がおかしくなったように思います。
その後はスライダーがとにかく甘く入り、痛打というのが続きました。
MLBの腕の長い投手を参考に変わるか?
198cmの藤浪投手。NPB時代には長い手足ゆえにその使い方に苦労していたようにも見受けられました。アマチュア時代も含めてそのような大きな投手はいなかったでしょうし、コーチ自身もそんな長身ではないでしょうから、コーチング出来なかったのではないかと思います。
今回、長身投手の多いMLBに入ったことで、何か藤浪投手の参考になるのでは?と期待していますが、今のところはまずは日本やってきたことを試すというところかもしれません。
ジャック・フラハーティーは静か
下記の埋め込みは今季初登板のカージナスのジャック・フラハーティーの投球の様子。彼の動きは非常に静かであると思いますし、ベース盤の上しか行かなさそうな投げ方です。
なぜ、ジャック・フラハーティーかというと、藤浪投手と投球モーションのスタートが似ているから。単にそれだけで取り上げたまでで、技術的な意味はありません。筆者にはわかりませんので。
ただ、コマンドが出来る投手は、動きが静かなようです。それは大谷投手も同じですね。
なお、ジャック・フラハーティーは193cmで藤浪投手よりは手足は短く、操作しやすいかもしれません。見た目だけですが、体の沈み込みや左腕の使い方に違いがあるように思います。
藤浪投手の次の投球に期待したいと思います。なんと言っても、95mphほどのスプリッターを投げる投手など、MLBと雖もそうはいませんから!その才能を活かしてもらいたいです。しかもボールは強いですしね。頑張って欲しい!
お読みいただき、ありがとうございました。
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