かなり控え目なサラリーでサイン
現地2023年2月17日、OF(外野)のFAとしてジュリクソン・プロファーとともにその動向が注目されていたロビー・グロスマン(Robbie Grossman)のディールが決まりました。
We’ve agreed to terms with OF Robbie Grossman on a one-year deal for the 2023 season. pic.twitter.com/zwWlVEOsQY
— Texas Rangers (@Rangers) February 18, 2023
大補強中のテキサス・レンジャーズと1年契約で合意となった模様です。ジュリクソン・プロファーもレンジャーズという噂があったので、これでプロファーの契約先はさらに厳しくなったかもしれませんね。
契約内容
合意した内容は、ご覧の通りです。
- 1年/$2M (2023)
- インセンティブを含め、MAXで$5M
前契約
2022シーズンはデトロイトで開幕を迎え、トレードデッドラインでアトランタに移籍したロビー・グロスマン。デトロイトとの契約は2021年1月に結んだ2年/10M (2021-22)。PA(打席数)に応じたボーナスもありましたが、AAV(Average Annual Value)で$5M。
今回の契約は、33才のシーズン迎えたことや2022年の成績が芳しくなかったことから単価は落ちており、それでもなんとかボーナスを含めたMAXの額で現状維持のラインを守ろうとしたというのがよくわかる契約となっています。
ロビー・グロスマンとは
ロビー・グロスマンは上述の通り、2023年は33歳。誕生日は1989年9月16日。よって、シーズン後半に34才になります。今回のレンジャーズとの契約では、6クラブ目となります。左投げのスイッチヒッティングです。
ドラフトは2008年のパイレーツの6巡目指名。高校卒での指名でした。出身地はテキサス州。
2012年にパイレーツがワンディー・ロドリゲスを獲得したトレードで他の選手とともにアストロズへ移籍。ワンディー・ロドリゲスは、左腕投手で2015年までメジャーで登板。通算97勝です。
移籍翌年の2013年にメジャー・デビュー。OFのジャスティン・マクスウェルが死球で骨折したことによるコールアップでした。この年は63試合に出場し、打率.268、OBP .332、SLG .370、二塁打14、HR 4と活躍。これにより、ロビー・グロスマンは2014年のスプリング・トレーニングでCFのポジションを獲りました。しかし、開幕後は極度の不振に見舞われ、4月の打率は、.125。一旦はトリプルAに落とされるという事態に。この時に、代わってマイナーから上がってきたのがジョージ・スプリンガーです。結果、期待された2014年は103試合に出場するも、打率は.233と低迷しました。
2015年、ジョージ・スプリンガーの台頭などもあって出場機会の減ったロビー・グロスマンはシーズンの大半をトリプルAで過ごし、メジャーでは24試合の出場にとどまりました。この年のオフ、アストロズはリリースしてしまいます。
リリースから1ヶ月後の2015年11月、ロビー・グロスマンはインディアンスとマイナー契約を結びます。ところが、シーズン開始後の2016年5月にリリース。この辺りの出来事はロビー・グロスマンのキャリアにとって非常に危ない時期でもありました。
ただ、直後に拾う神ありで、ツインズとマイナー契約を締結。なんとかキャリアをつなぎました。ツインズで命拾いしたグロスマンはメジャーにも昇格。2016年は99試合に出場し、打率.280、OBP .386、SLG .443をマーク。がんばりました。
その後、ツインズでは安定して働きを見せ、2018年まで所属。2018年は打率.273、OBP .367、SLG .384と非常に良い結果を残しました。
2018年オフにFAとなったロビー・グロスマンは、2019年2月にアスレチックスと1年/$2M(2019)でサイン。アスレチックスとは、翌年も契約を更新。単価は$3.725M(2020)と上がったのですが、いかんせんこのシーズンは60試合でサラリーも日割りとなったため、本来の37%しか入らなくなったため、$1.38Mほどになりました。アスレチックスでの2シーズンのトータルは、打率.241、OBP .337、SLG .386、HR14、二塁打33。
そして2021年1月についにマルチイヤー・ディールをゲット。上述のようにタイガースと2年/$10M(2021-22)でサインしたのでした。
2021年は156試合に出場し、557-133で打率.239、OBP .357、SLG .415、HR23 、二塁打23、RBI 67と31才にしてキャリア最高のシーズンにしたのでした。
2022年、さらに飛躍と行きたかったところですが、7月末までは打率.205と苦戦。ただ、トレード・デッドラインではブレーブスに移籍。ブレーブスでは打率.217、OBP .306、SLG .370、HR 5、RBI 22と若干は上向きました。ポストシーズンはフィリーズとのNLDSに出場。2試合、3打席でヒットはありませんでした。
完全なる左キラー
キャリアを通じて高いOBPを誇るロビー・グロスマンですが、思いのほか安打数や打率は上がっていません。その理由は実は左右の投手との対戦成績の差にあります。
キャリアを通じて左投手には強く、とりわけそれが顕著に現れたのが2022シーズンで、左投手に対しては、打率.320、OBP .436、SLG .443と素晴らしい数字をマーク。ところが、右投手に対しては、打率.163、OBP .253、SLG .256。
これはもう右投手に対する時の左打席はやめた方がいいのではないかというくらいの数字で、ずっと右打者としてやった方が良いのでは?というレベル。打席数が左打席の方が多いというのもあるのですが、2022年は7HR中、6HRが左打席。長打があるので、左打席を捨てるわけにはいかないという考えなのかもしれません、
ここまで極端だと、対左投手の右打席の良さが相殺されてしまって数字が伸びませんね。とてもセンスを感じる選手なので、ここが残念なところ。
守備はコーナー・スポット
若い頃はCFも守ったロビー・グロスマンですが、直近はLFかRFのコーナー・スポットのどちらかでの出場となっています。
ちなみに、どのような相関関係があるのかはわかりませんが、LFを守った時の方が打撃成績は良く、2022年の数字ですが、LFの時は打率が.243で、RFの時は.164。打席数は少ないですが、DHでは、打率.375、代打は.167 です。
2022年、LFが弱かったTEX
2022年、レンジャーズのLFは、打率.186、OBP .253、SLG.255という数字が出ています。これはア・リーグでワースト。ちなみにワーストNO.2はエンゼルスで、.208の打率。
2022年のLFは試合途中の守備位置変更も含めて総勢13人が守り、最も守備機会が多かったのがバッバ・トンプソンの35試合。コール・カルフーン、ブラッド・ミラー、ジョシュ・スミス・・・と続きます。
2022シーズンに151安打、27 HRを放ったアドリス・ガルシアはRFで決まり。CFは打率.261、OBP .309、SLG .366をマークし、11盗塁を決めたレオディー・テベラスでしょう。
LFがブラッド・ミラーとロビー・グロスマンの争いになるか?というところです。ブラッド・ミラーはDHでの起用も考えられ、DHでのミックスで行けば、筒香選手も候補の1人。
ブラッド・ミラーは2018年から21年にかけて、右投手に対して打率.250、OBP .344、SLG .487をマークしていることから、投手次第でロビー・グロスマンと使い分けをすることになりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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