地味だが、かなり期待できる右腕
日本時間2023年1月1日、新しい年が始まりました。
新年一発目の記事は新鮮な気分になりそうなお話をと思いまして、プロスペクトに関するお話をしたためようかと思います。
毎年、1月20日前後に来たるべきシーズンのトップ・プロスペクト100がMLBパイプラインから発表されます。今年のランキングNO.1はおそらくメッツの捕手、フランシスコ・アルバレスで間違いないかと思われます。筆者的には、DバックスのOFのコービン・キャロルを挙げたいところですが、ジョナサン・メイヨーさんの見立てがどうなるのか、注目です。
本日採りあげたいプロスペクトはひょっとしたら、そのトップ100のランキングにも入らないかもしれず、しかもカブス内のプロスペクト・ランクでもおそらく中盤になる可能性が大きいです。存在としては割と地味です。
しかし、確かな実力が見て取れる投手で、怪我なく1年を過ごせばシーズン終了後のROYの得票においても上位にランクされる可能性を秘めた投手。
それが、カブスのプロスペクト右腕のヘイデン・ウェズネスキーです。
ヘイデン・ウェズネスキーとは
ヘイデン・ウェスネスキーは、1997年12月5日生まれの25才。テキサス州ヒューストン郊外のサイプレスの高校からサム・ヒューストン州立大学に進学。
高校卒の2016年のアマチュアドラフトで、レイズから33巡目で指名を受けるもこれを拒否。サム・ヒューストン州立大学に進学し、3年時の2019年のアマチュアドラフトでニューヨーク・ヤンキースから6巡目指名を受けてプロ入り。大学3シーズンでオール先発で25勝9敗をマークしています。
ドラフト後の2019 年は、ルーキー・レベルのアパラチアン・リーグ、プラスキー ヤンキースで、18 試合で 3 セーブをマーク。1 勝 1 敗、ERA 4.76 でリリーフのみの登板でした。
さあ、いよいよプロとしてのフルシーズンという2020年、コロナ・パンデミックの影響でマイナーリーグがキャンセルされたため、悔しい思いを経験した投手でもあります。
2021年はフルタイムのスターターとして稼働。クラスA+のハドソンバレー・レネゲーズ(Hudson Valley Renegades)、AAのサマセット・ペイトリオッツ(Somerset Patriots)、AAAのスクラントン/ウィルクスバー・レイルライダーズ(Scranton/Wilkes-Barre RailRiders)の3つのレベルで、計25試合に登板。このうち24スタートを任されました。 3レベルを併せて11 勝 6 敗、ERA 3.25 で、130 .1イニングで SOは151。 BB9が2.5、SO9は10.4。
2022年はAAAのスクラントン/ウィルクスバーレで開幕を迎え、19スタート、89.2イニングを投げ、6勝7敗、ERA 3.51をマーク。
Ummm… WHAT is this pitch from Hayden Wesneski?! pic.twitter.com/LdXHafeXjQ
— Ben Verlander (@BenVerlander) March 18, 2022
カブスへトレード(2022年8月)
割と順調に成長していたヘイデン・ウェズネスキーですが、2022年8月1日、ヤンキースがカブスのリリーバーで2022年前半にERA 2.66と好成績を残していたスコット・エフロスを獲得したトレードでシカゴ・カブスに移籍。
カブスでメジャー・デビュー
カブスに移籍後、AAAのアイオワ・カブスで5試合に登板したウェズネスキーは、0勝2敗、ERA 5.66 とあまり良い結果を出していなかったのですが、2022年9月5日にリグレーフィールドに招集され、翌日9月6日のレッズ戦でメジャーリーグ・デビューを果たしました。
デビュー戦では、スターターのウェイド・マイリーがカイル・ファーマーに2度の長打を許すなどして4回を終えてカブスは1-3とリードを許している状況。ヘイデン・ウェズネスキーは2番手として5回表から登板。
【YOUTUBE】Hayden Wesneski K’s 8, Collects Win in Spectacular Debut
そして、非常に度胸の良いピッチングを見せ、9回までの5イニングをわずか 2 安打に押さえて無失点投球。8つの三振を奪い、四球もわずか1つ。ウェズネスキーが登板した直後、カブス打線は鈴木選手の2ランHRなどで5回裏以降は毎回得点で9点を奪い、9-3のスコアで勝利。好投したヘイデン・ウェズネスキーに勝ちが転がり込み、デビュー戦で初勝利を上げました。
2度目の登板となった9月11日のジャイアンツ戦でもリリーフで登板。6回から登板し、この日はHRを2本浴び、3.2イニングで3失点。
そして2022年9月17日のロッキーズ戦からシーズン終了までの4試合はいずれも先発で登板。24.1イニングで2勝2敗、ERA 1.85と好投しました。2022シーズンは計6試合に登板し、33.0イニングで3勝2敗、ERA2.18。
なお、9月23日にはイマキュレート・イニングを達成しています。
Hayden Wesneski, Immaculate Inning. 😇 pic.twitter.com/XJ3nnTDZXb
— Rob Friedman (@PitchingNinja) September 23, 2022
ルーキーステータス
このようにヘイデン・ウェズネスキーすでにメジャー・デビューを果たしており、33.0イニングを投げていますが、投手は50イニング以内であればルーキー・ステータスを維持できますので、2023シーズンのROYへの参加資格があります。
スライダーが武器
ヘイデン・ウェズネスキーのファストボールは4シームで、93.0mphから96.0mphというところ。球種は4シーム、カット、シンカー、スライダー、チェンジアップ。
スライダーは相当自信があるようで、左打者に対してアウトコースのボールゾーンから枠内に入れるバックドアでストライクを取ることも可能。カットとの区別はつきにくいですが、カウント球とフィニッシュ球と2パターンを使い分けているように思います。
フォームを見ても四球が少ないのはおわかりいただけると思います。2022年のBB9は1.9で、コントロールが良いのが魅力です。
ローテーションのNO.5に入るか?
リビルドの期間を終え、完全にナ・リーグ中地区のコンテンダーに戻ったカブスは、今オフはダンスビー・スワンソン、コディー・ベリンジャーなど、FAの大物ヒッターを獲得。
ローテーションも良く、マーカス・ストローマン、カイル・ヘンドリクスのトップ2に加えて、ドリュー・スマイリー、ジェイムソン・タイヨンがおり、なかなか層が厚いです。ヘイデン・ウェズネスキーはローテーションNO.5のスポットを狙い、スプリング・トレーニングに参加します。
なかなかおもしろい存在なので、注目です!
お読みいただき、ありがとうございました。
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