BOS、クローザーを獲得
現地2022年12月7日、ボストン・レッドソックスはクローザー候補としてブレーブスからFAとなっていたケンリー・ジャンセン(Kenley Jansen)と2年で合意いたしました。そろそろオフィシャルになる頃かと思っていたのですが、まだ現時点では合意のままです。
契約内容
レッドソックスとケンリー・ジャンセンの契約は下記の通り。
- 2年/$32M (2023-24)
ケンリー・ジャンセンのエージェントはワッサーマン(Wasserman Media Group)。ボラス・コーポレーションではないので、これ以上のオプションなどの付帯条項はない見込み。ひょっとしたら、ボーナスは設定されるかもしれませんが、2022年はブレーブスと1年/$16Mのみのシンプルな契約だったので、このままではないか?と思います。
また、憶測ではありますが、レッドソックス側が体調面で何か話し合っているかもしれませんが、それは後述。
【YOUTUBE】Kenley Jansen comes through with a perfect 8th inning to keep the game tied!
通算400SVまであと9!
さて、ケンリー・ジャンセンは1987年9月30日生まれで、2023年開幕時点で35才。そしてレッドソックスがポストシーズンに進めば、ポストシーズン中に36才になります。
2010年にデビューし、2022シーズンを終えてメジャー通算13シーズン。ここまで積み上げてきたセーブ数は391。400セーブまであと9。キャリアの重要なマイルストーンをレッドソックスで過ごすことになりました。
歴代Saveランク
# | Player (yrs, last mlb age) | Saves | IP | Throws |
1 | マリアーノ・リベラ【HOF】 (19, 43) | 652 | 1283.2 | R |
2 | トレバー・ホフマン【HOF】(18, 42) | 601 | 1089.1 | R |
3 | リー・スミス【HOF】 (18, 39) | 478 | 1289.1 | R |
4 | フランシスコ・ロドリゲス(16, 35) | 437 | 976 | R |
5 | ジョン・フランコ (21, 44) | 424 | 1245.2 | L |
6 | ビリー・ワグナー (16, 38) | 422 | 903 | L |
7 | クレイグ・キンブレル (13. -) | 394 | 688.1 | R |
8 | ケンリー・ジャンセン (13, -) | 391 | 769 | R |
9 | デニス・エカーズリーHOF】(24, 43) | 390 | 3285.2 | R |
10 | ジョー・ネイサン (16, 41) | 377 | 923.1 | R |
11 | ジョナサン・パベルボン (12, 35) | 368 | 725.2 | R |
気になるポイント(ベロシティー・ダウン)
ケンリー・ジャンセンの気になるところと言えば、まずはベロシティー・ダウン。
シンカー
ケンリー・ジャンセンはかつてはカッター、スライダー、4シーム、チェンジアップと4種を投げていました。キャリアの中で一番速かったのは2014年で、この時の4シームのアベレージ・ベロシティーは95.6mph。2018年からはカッター、シンカー、スライダーの3種のみに絞り、この3種の中で色々と速度や曲がりを調整しています。そして、2022年のファストボールはシンカーでアベレージは93.6mphと2mphほど落ちました。
カッター
最大の武器のカッターは2014年にアベレージで94.3mphでしたが、2022年は92.2mphに。こちらも2mphほど落ちたことになっています。
ちなみに2014年はキャリアNO.2の44セーブをマークした年です。キャリアハイのセーブ数は2016年の47。
なお、2019年はカッターのアベレージ・ベロシティーが91.7mphまで落ち、それに比例するかのようにセーブは33まで落ちました。それから比較すると2022年はベロシティーが上がりましたので、セーブ数は41となり、セーブのタイトルを獲得しています。
スライダーの空振り率↓
やはり、緩急の急がないと厳しい数字になるようです。投球上の気になるのは空振り率(Whiff%)。特にスライダーです。全盛期の2017年には56.4%も誇ったスライダーの空振り率は、2022年は25.0%。フィニッシュで当てられる確率が高まっているのもベロシティー・ダウンの影響かもしれません。
気になるポイント(不整脈)
ケンリー・ジャンセンと言えばというもはや代名詞的な感がありますが、やはり「不整脈」が気になるところです。2022年も不整脈でIL入りとなった時期がありました。これはキャリア4度目。不整脈を抑える治療カテーテル・アブレーションも行っていたようで、2022年は最短15日で復帰しています。
状態が良いことを祈るばかりです。
ケンリー・ジャンセンの実績
ケンリー・ジャンセンは2004年11月にアマチュアFAとしてドジャースとサイン。17才の時です。このときはキャッチャーとしてプロデビューしています。ちなみに彼は両打ちです。
What’s the best defensive gem we’ve seen in the WBC? How about Kenley Jansen (as a catcher) throwing out Ryan Braun? https://t.co/Bz6iSWRUs6 pic.twitter.com/M8cosHgeRs
— World Baseball Classic (@WBCBaseball) February 28, 2017
もともとキャッチャーだったのは有名な話ですが、2009年にAAAまで昇格を果たしています。投手に転向したのは2009年のシーズン途中から。そして転向後、わずか1年足らずに2010年7月24日にメジャー・デビュー。そこからはご承知の素晴らしいキャリアを築いています。
- NL オールスター:3度出場(2016-2018)
- トレバー・ホフマン・アウォード:2度 (2016 & 2017)
- NLセーブタイトル:2度 (2017 & 2022)
- 30 セーブ以上のシーズン: 8シーズン (2014-2019, 2021 & 2022)
- 40 セーブ以上のシーズン: 4度 (2014, 2016, 2017 & 2022)
- ワールドシリーズ・チャンプ:1度(2020: ドジャース)
- 2011シーズン以降は50試合以上登板(短縮シーズンの2020年も27試合に登板=162試合換算でも50試合以上に該当)
レッドソックスはとにかくどっかりとしたクローザーをようやく手にしました。クリス・マーティン、ジョーリー・ロドリゲスもいますから、他のリリーバーにもいい影響を与えそうです。
とにかくヘルシーであることを祈りたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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