選手会投票の結果
現地2022年11月4日、2022シーズンのPlayers Choice Awardsが発表されました。
Awardの概要
下記のような賞があり、現場の選手の投票によって決められるというところが価値のあるところです。
- MLB Players Choice Player of the Year (1人)
- 言ってみれば、MVP中のMVP。しかも選手が選んだというところが価値のあるところ。
- MLB Players Choice Outstanding Player(AL/NL)
- BBWAAのMVPに相当。選手が選んだMVP。
- MLB Players Choice Outstanding Pitcher (AL/NL)
- BBWAAではサイ・ヤング賞に相当。現場が選んだサイ・ヤング賞。
- MLB Players Choice Outstanding Rookie (AL/NL)
- BBWAAではROY(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)に相当。選手が選んだルーキーNO.1。
- MLB Players Choice Comeback Player (AL/NL)
- 怪我などから復帰し、素晴らしい成績を残した選手に贈られる。
- MLB Players Choice Man of the Year (1人)
- リーダーシップをもって他の選手に良い影響を与えた選手に贈られる賞。
- MLB Players Curt Flood(カート・フラッド) Award (1人)
カート フラッド賞は、1970 年代にフリー エージェンシーへの道を開いた野球のリザーブ・ステムに対するカート・フラッドの歴史的な司法闘争を記念して創設されたもの。そのイメージの中で、選手会と選手の権利向上に無私無欲で長年の献身を示した、元プレーヤーに贈られます。なお、亡くなった方もその対象です。
各賞の受賞者
そして2022シーズンの各賞の受賞者はこちらです。
MLB Players Choice Player of the Year
- アーロン・ジャッジ(NYY) OF
ジャッジは ALの 1 シーズン本塁打記録を破り、歴史に名を残した点が評価されました。HR(62)、RBI (131)と2冠を達成。打率.311もALで2位という結果で、3冠も目の前に迫っていました。主要打率3指標だけでなく、RUN (133)、出塁率 (.425)、長打率 (.686) 、OPS(1.111)で両リーグ通じてトップ。ヤンキースのディビジョン タイトルに大きく貢献しました。
【YOUTUBE】62!!! AARON JUDGE BREAKS American League single-season HOME RUN RECORD! HISTORY!
大谷選手は惜しくも逃す
エンゼルス大谷選手と、カージナルスの1Bポール・ゴールドシュミットは、プレーヤー・オブ・ザ イヤーのファイナリストでした。
MLB Players Choice Outstanding Player
【AL】アーロン・ジャッジ(NYY) OF
ジャッジの62HRは、ロジャー・マリス超え( 61HR)のALレコード。 両リーグを通じて2位のカイル・シュワーバーの46HRに16本もの差をつける圧倒的なパフォーマンスでした。なお、これはジミー ・フォックスが 1932 年に ベーブ・ルースの41HRに17本もの差をつけて上回って以来の最大ギャップ。また、TB(トータル・ベース) 391 は、アレックス・ロドリゲスが2001年のレンジャーズ時代に記録した.393に次ぐ数字でした。
【NL】ポール・ゴールドシュミット(STL) 1B
カージナルスでの 4 シーズン目となった2022シーズン、ポール・ゴールドシュミットは 5 月に NL POMを受賞。この好調さを最後まで継続しました。 SLGの.578 と OPS .981 でNLトップをマーク。キャリア 4 度目の 100 ラン以上をマーク(106)。 惜しくも1Bでのゴールド グラブ賞を逃しましたが(過去4度受賞)、 NL ファイナリストには残りました。
MLB Players Choice Outstanding Pitcher
【AL】ジャスティン・バーランダー(HOU)RHP
ジャスティン・バーランダーは勝利数 (18)、防御率 (1.75)、WHIP (0.83)、対戦相手の OPS (.498)、対戦相手の打率 (.186)、9 イニングあたりの安打 (6.0) でALでトップ。ERA 1.75は、ペドロ・マルティネスが2000年に1.74を記録して以来、ALのスターターでフルシーズンで最高の数字。圧倒的なパフォーマンスでした。
【NL】サンディー・アルカンタラ(MIA)RHP
サンディー・アルカンタラの2022年の成績は14勝9敗、ERA 2.28。何より228.2 イニングの投球回数は選手からも高く評価された結果となりました。 しかも6 CG(完投)です。そして今季、8イニング以上の登板が14度とこれも驚異的。これは、2016年にクリス・セールが13度をマークしたのを破っての最多記録。
MLB Players Choice Outstanding Rookie
【AL】フリオ・ロドリゲス(SEA) OF
マリナーズ躍進の打のエンジンとなったフリオ・ロドリゲス。21才のルーキーはHR(28)、TB(260)、SLG(.509)、OPS(.853)でルーキー・トップの成績。盗塁は25。これは 2007年のDバックスのクリス ・ヤング、 2012年のエンゼルスのマイク・トラウトに続き、少なくとも 25HR以上と 25盗塁以上をマークした 3 人目のルーキーとなりました。
【NL】スペンサー・ストライダー(ATL) RHP
2020年ドラフトでラウンド4でブレーブスから指名されたスペンサー・ストライダーは、2022年は31試合に登板し、このうち20試合で先発。 11勝5 敗、ERA 2.67をマーク。特筆すべきは131.2イニングで奪三振が202!そしてこちらはあまり目立ちませんが、被安打はたった 86 しか許していません。 ストライダーのSO9 13.8は、1998 年にカブスのケリー・ウッドがもっていたルーキー・ピッチャーの12.6 を上回りました。
チームメイトのマイケル・ハリス2世とのROY争いはまずはプレーヤーズ・チョイスでストライダーが選ばれました。やはりインパクトの度合いが違いましたからね。
MLB Players Choice Comeback Player
【AL】ジャスティン・バーランダー(HOU) RHP
2020シーズンの7月24日の開幕戦に登板後、その年の秋にトミー・ジョン手術を行ったジャスティン・バーランダーはほぼ2シーズンを欠場した2022シーズン、39歳で信じられないほどの復活を果たしました。成績は上述の通り。まだまだ余力を感じさせるのがすごいところ。
【NL】ロナルド・アクーニャ・Jr.(ATL)RF
2021年7月に右膝のACLを断裂し、2022年4月28日にMLB復帰を果たしました。 最初の3週間を逃したにもかかわらず、29盗塁。オールスター出場も果たしました。
MLB Players Choice Man of the Year
フランシスコ・リンドーア(NYM)SS
フランシスコ・リンドーアは組合の代表を務めたことが選出の大きな理由のようです。プエルトリコ出身のリンドーアは、カルロス・ビヤヌエバ、エルビス・アンドラスに続いて、ラテン・アメリカ出身の選手として 3 人目の 実行委員会の仕事に従事。さらに他のプレーヤーを引っ張っただけでなく、コミュニティ内の数多くの慈善団体に対し、多くの時間と労力を費やしてきたことも選出の理由のようです。
レンジャーズの2Bであるマーカス・セミエン、ブルワーズのリリーバーのブレント・スーターもマービン・ミラー・マン・オブ・ザ・イヤーのファイナリストでした。
MLB Players Curt Flood Award
スティーブ・ロジャース(Steve Rogers)
スティーブ・ロジャースは、1973 年から 1985 年にかけてエクスポズのピッチャーとしてオールスターに5回選出された元選手。通算158勝152敗。
スティーブ・ロジャースは、7 人の現役および元MLBPA役員から構成される指名委員会によって、今年のカート フラッド賞に選ばれました。
スティーブ・ロジャースは1999 年に特別補佐官として選手会にフルタイムで参加し、組織的な知識と選手のデータ把握で選手会と選手に貢献。特に年金基金と福利厚生プランで大きな実績があると言われています。選手として、また選手会の役員として、ほぼ 50 年間、選手の権利をたゆまず擁護してきたことが評価されました。
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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