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【MLB 2022】リチャード・ブライアーに3度のボーク判定!メッツ、労せず1点を奪うも反撃の火も消されてしまう(追記あり)

アトランタとの決戦前の大事なマイアミ2連戦

 MLBの2022年のレギュラー・シーズンも残りわずか。現地2022年9月27日、マイアミとの2連戦が始まったメッツはこの日が155試合目。

 現地2022年9月30日から始まる@アトランタとの最終決戦の3連戦を前に少しでも有利に勝ち星を整えたいところ。しかし、思わぬところで反撃の火が消されました。もっとも、その前に先発のカルロス・カラスコが捕まったことがそもそものつまづきの原因ではあったのですが・・・。

 まずは問題のシーンから見て行きます。

リチャード・ブライアーが1ABで3度のボーク

 問題のシーンが起こったのは8回裏。

 このイニングからマウンドに上がったのがリチャード・ブライアー(Richard Bleier)。35才で、MLBキャリア7シーズン目で、通算304試合に登板の左腕です。

 ブライアーはベテランらしい投球を見せ、70mph後半のスライダーと90mph前後のファストボールのコンビネーションで、まずはイニング先頭のブランドン・ニモを3Bゴロに仕留めて1アウト。

 つづくフランシスコ・リンドーアも緩急と厳しいコースへの攻めで、RFライナーに打ち取り、2アウト。

 3人はジェフ・マクニールで、ブライアーはトントンと2球で2ストライクを奪い、3人で斬って取るペースでした。しかし、3球目のスライダーを1、2塁間に運ばれ、これを2Bのルーク・ウィリアムズがダイビングしてグラブに当てますが、シングルとなり出塁を許します。

 つづくバッターはピート・アロンゾ。

静止していないという判定

 アロンゾへの初球、ブライアーが投げた瞬間に1塁塁審のジョン・タンパネ(John Tumpane)から「ボーク」コールがあり、ジェフ・マクニールが2塁へ進塁。「どこが!?」という抗議をするブライアー。

なお、ボークコールがあり、バッターが見送った場合、投球はカウントされず、ランナーが1つ進塁します

 そして投げ直しの1球目、シンカーがボールに。

 つづく2球目を投じた瞬間、再びボーク・コール。これでマクニールが3塁へ進塁。ブライアーは「止まっていただろう!」と抗議。

 投げ直しの2球目、そして3球目はボール。4球目はシンカーでストライクを奪い、カウントは3ボール1ストライク。

 5球目を投じた瞬間、三度ボーク判定。これでマクニールが生還し、メッツが労せずして1点を奪い、4-6の2点差に。納得の行かないブライアーは抗議するも、なんとかその場を納めます。

 ピート・アロンゾはブライアーの投げ直しの5球目を打ち損じ、2Bゴロとなり、チェンジに。

 降板時、ブライアーは主審に猛抗議。そして今季で勇退が決まっているドン・マッティングリー監督も参戦。これでマッティングリー監督とリチャード・ブライアーは退場処分となりました。

 下の動画では2球目の判定が編集の関係で静止しているかどうかがわかりにくいのですが、3度のボークともに静止していないという判定。言われてみれば少し動き出しが早いかもしれませんが、ボークとは思えない動きでした。

ブライアーはキャリア初のボーク 

 なお、リチャード・ブライアーはこれまでのキャリアでボーク判定をされたことは一度もなく、この日がキャリア初ボークで一気に3つも計上することとなりました。

 ちょっとかわいそうな判定で、ブライアーには納得行かない記録まで付いてしまいました。

  • 1イニング3度のボークはメジャー史上7度目
  • 1AT BAT(1打席内)で3度のボークは1900年以来、リチャード・ブライアーが初

 なお、直近の1988年8月6日に1イニング3度のボークをやってしまったジム・ゴットはパイレーツの投手。いみじくもこのときも相手はメッツでした。

 上記の埋め込みによると、1885年のチャーリー・スウィーニーという投手は1イニング目にやっていたのですね。どういう試合だったのでしょうね?!

メッツ、むしろ反撃の芽が摘まれる

 ボークで労せず1点を奪ったメッツですが、むしろこのような判定がない方が良かったかもしれません。

 というのも、8回表を終了した時点でスコアは6-3でマイアミがリード。メッツは3点のビハインドでした。

 ここでアロンゾに一発が出れば、1点差に迫るチャンスでもありました。しかもアロンゾは4回裏に3ランHRを放っており、このゲームも含めてですが、直近7試合で5HRを量産中。ファンとしてもアロンゾの打席を見たいと思っていたからです。

 結果、アロンゾは打ち損じたのですが、これは打席途中でのブライアーのボークへの抗議時間もあり、やや冷水を浴びせられた感もありました。打者も集中力の維持が大変です。もし、アロンゾに長打が出ていた場合、メッツには副産物としてモメンタムもついてきそうな雰囲気がありました。

 ただ、そもそもは終盤に追いつこうという展開をしている時点でアウトだとも言えます。先発のカルロス・カラスコが3イニングで被安打6、1BB、4失点でしたので、あまり打たないメッツ打線には重荷になりました。

 また、展開として4回裏にピート・アロンゾがパブロ・ロペスから3ランHRを放ち、1点差まで迫る反撃を見せたまでは良かったのですが、2番手のトレバー・ウィリアムズが直後の守りで中押しとなる2点を与えたのもまずかったですね。その2失点で打線がかなり萎えたのも事実ではあります。

 スコアは6-4でマイアミの勝利。

首位タイ

 この日、ブレーブスはナショナルズに8-2で勝利。メッツが敗れたため、ついにシーズン成績は97勝58敗でタイになりました。

 メッツは自慢の先発ローテーションが今後、どういうふうにゲーム序盤を作るかが鍵になりそうです。アロンゾの調子がいいのが、せめてもの救い。ただ、アロンゾは穴も多いのですが。

 この後、メッツは28日にマイアミともう1戦を交え、29日を空けて、30日からアトランタとの3連戦。そして10月3日からナショナルズとの3連戦でシーズンは終了。

 一方のアトランタは、28日にナショナルズともう1戦交えた後、メッツ3連戦となり、10月3日からマイアミとの3連戦で終了です。

 ここまで来たら、相手がどうということではなく、1戦必勝ですね。アトランタはサンディー・アルカンタラとの対戦を経験すると思います。

 どうなるでしょうね!?

(追記)メッツ、1ゲーム差リードで3連戦へ

 現地2022年9月29日、メッツはまたもマイアミに苦戦。ただ、良い傾向としては4点差のビハインドを終盤の2イニングで追いついたことです。延長戦となり、10回裏にエドゥアルド・エスコバーの三遊間を破るシングルでサヨナラ勝ちを納めています。

 一方のブレーブスも延長戦となり、こちらはナショナルズに2-3で敗れました。

 これによって、メッツがブレーブスに1ゲーム差をつけて3連戦に突入ということになりました。

 発表されている先発はご覧の通りです。

  • 現地9/30: メッツ(J・デグロム) vs ブレーブス(M・フリード)
  • 現地10/1: メッツ(M・シャーザー) vs ブレーブス(K・ライト)
  • 現地10/2: メッツ(C・バシット)vs ブレーブス (C・モートン)

 お読みいただき、ありがとうございました。

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