活躍はサイ・ヤング級!
現地2022年9月1日、ロッキーズ@ブレーブス戦で、ブレーブスの先発、スペンサー・ストライダーがほぼ完璧と言えるピッチングを披露。
ロッキーズ打線を相手に、8イニング、106球を投げきり、被安打2、スコアレス、四球なし、そして奪三振16というとんでもなくすごい投球を見せてくれました。
アイドリングの時間も不要
このようなすごい投球をする時は案外、立ち上がりに苦労するものですが、BB0が示すとおり、この日のスペンサー・ストライダーにそのようなアイドリングの時間は不要でした。ロッキーズの早打ちもあり、初回は打者3人、しかも9球で終えるゲームイン。
そして2回からはさらにエンジン全開で3者連続三振。4回まではパーフェクトで、ロッキーズの初ヒットが生まれたのは5回表の先頭打者のC.J.クロンのシングル。
握力が無くなるであろう6回から7回にかけての2イニングにおいても、打者6人に対して奪三振が5!7回を終えて83球。このような三振の多い日で無ければ、ここでスイッチしても良いくらいの球数でしたが、この時点で奪三振は14。もうブライアン・スニッカー監督も、あと1イニング、行かせるしかありませんでしたね。
8回はやはり疲れもあったのか、1アウトからこの日2本目のヒットとして、マイケル・トグリアにRFへ二塁打を打たれ、さらに次打者にもエラーで出塁を許し、ランナーを3塁に置いてのピッチングとなりましたが、残り2つのアウトを三振で取り、16奪三振が完成。ストライダーはこのイニングで降板となりました。
【YOUTUBE】Spencer Strider sets an Atlanta Braves record with 16 Ks in a game!!!!!!
9イニングゲームの16Kはブレーブス史上最多
スペンサー・ストライダーの8イニング、16奪三振はブレーブス史上、1試合最多奪三振となりました。
もう少しブレーキング・ダウンすると、これまではジョン・スモルツの1試合15奪三振が最多でした。
1952年にウォーレン・スパーン(Warren Spahn)が1試合18奪三振を記録したゲームがありましたが、これは15イニングでの達成。
したがって、”9イニング・ゲームで”というのがつきますが、ストライダーの16奪三振は1試合最多です。ジョン・スモルツ、グレッグ・マダックス、トム・グラビンもなし得なかった偉業です。
0BB、16Kは過去たったの30試合
そして、1つの四球を出さずに16個以上の三振を奪った試合はメジャー史上、これが30試合目。過去には、ランディ・ジョンソンとロジャー・クレメンスがそれぞれ4度達成。また、ドワイト・グッデンとマックス・シャーザーがそれぞれ2度達成しています。
なお、ドワイト・グッデンの「2度」は、2試合連続での達成です。これはルーキー・イヤーの1984年での記録です。
そして、この30試合の中にはケリー・ウッドの20Kゲームも入っています。
【直近の16K以上、0BBの達成者】
- スペンサー・ストライダー(2022年9月1日):16K、0BB – 8.0 IP
- ウォーカー・ビューラー(2019年6月21日):16K、0BB- 9.0 IP
- クリス・セール(BOS)(2019年5月14日): 17K, 0BB -7.0 IP
- ジョン・グレイ (TEX)(2016年9月17日) 16 K、0 BB- 9.0 IP
- ケリー・ウッド(1998年5月6日):20 K、0 BB- 9.0 IP
- ドワイト・グッデン(1984年9月17日):16 K、0 BB- 9.0 IP
- ドワイト・グッデン(1984年9月12日):16 K、0 BB – 8.0 IP
サイ・ヤング級の活躍も量が足りず、ROYのみが対象
スペンサー・ストライダーはここまで28試合で、114.2イニングに登板。奪三振は174、ERAは2.67。
ERAのタイトルを獲得するにはチームの消化試合戦と同じイニング数が必要で、言ってみればシーズン最終戦で162.0 IPを投げていることが条件です。現時点ではブレーブスが132ゲームを消化しているので、132.0 IPを投げていなければ、ERAのタイトル争いには加われません。現時点でのナ・リーグERAトップは185.2 IPを投げているサンディー・アルカンタラで2.13。
奪三振数174は、現時点でNL4位。コービン・バーンズの195も近くに見えている状況。
奪三振率で行けば、NLトップになる可能性は大きいです。
量は足りないですが、まさにサイヤング級の活躍であると言えるでしょう。主要Awardsに関しては、ROY(ルーキー)が対象になりそうですが、なんとブレーブス内で争っております。マイケル・ハリス2世との競り合いです。
伸びるファストボール
この日は低めのフレーム外をストライク・コールされていたケースがありましたが、それだけボールが伸びて見えるということですね。
なお、スペンサー・ストライダーはここ3ヶ月ほど、月初1度目の登板に二桁奪三振を記録しています。それも面白い傾向です。
- 9/1: vs COL: 16K
- 8/2: vs PHI: 13K
- 7/2: vs CIN: 11K
お読みいただき、ありがとうございました。
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