土壇場でLFフライ=万事休す→エラー→同点HR!
今、オリオールズのゲームが非常にアツいです。
現地2022年8月25日、1勝1敗で迎えたホワイトソックスとの3ゲームシリーズの3戦目は、あり得ない同点劇が起こりました!
まるで箕島のあのゲーム!
早速、9回裏の攻撃から書きます。
2-3とホワイトソックスが1点をリードして迎えた9回裏。マウンドにはクローザーのリアム・ヘンドリクスが上がり、逃げ切り体制となっていました。
オリオールズは先頭のアンソニー・サンタンダーがフルカウントまで粘るも、リアム・ヘンドリクスのファストボールに押し切られ、力のないキャッチャー・フライに倒れて1アウト。
リアム・ヘンドリクスはカーブを巧みに使いましたので、最後のファストボールは95mphしか出ていませんでしたが、詰まりました。
つづくライアン・マウントキャッスルは2ボールまで選んだものの、最後はキレのいいスライダーに対してバットが空を斬って空振り三振。
カイル・ストワーズ、LFファウルフライ・・・
2アウトとなり、バッターはカイル・ストワーズ。2019年のオリオールズの2巡目指名のOFで、6月にデビューしたばかりのルーキーです。リアム・ヘンドリクスの力からしてもう勝負はあったと思われました。
初球はやや甘かったものの、ストワーズが対応しきれずにファウル。96.2mphの4シームでした。
2球目も強い4シームで、インコースの厳しいコースにストワーズも対応を試みましたが、LFへのファウル・フライに。
予想落下地点とLFのアダム・エンゲルの走る速度からして、誰もがこれで万事休すと思いました。ところが、左打者のLF方面への打球でスライスしたのか、あるいは風の影響があったのか、アダム・エンゲルは追いつくのが精一杯で、捕球体制を十分に作れないうちに落下地点に入ります。そして、ボールをグラブに当てるも掴みきれずに落下させてしまいました。
ゲームセットが一転、ストワーズはサバイブ。マウンドのリアム・ヘンドリクスも信じられないという表情をしておりました。
そして3球目、カーブで崩そうとしたヘンドリクスでしたが、カイル・ストワーズがこれにしっかりと対応。なんとCFバックスクリーンまで届く同点ソロHRに。
これは誰もが予想しない出来事でした。
ストワーズはメジャー初HR!
カイル・ストワーズは主に守備要員として起用されてきた選手で、打席ではデビュー日からこの日まで出場は7試合。守備も含めれば11試合の出場です。
打率.167、OBP.200、SLG.333(このゲーム終了時点)。まだまだビッグリーグ・レベルの投手に慣らしている段階。ところが、これがメジャー初HRとなりました。
全く打撃に期待されていない選手が見事に結果を出し、しかもメジャー初HRとてんこ盛りも内容でした。
延長11回裏に決着
9回裏にサヨナラ勝利を決めることが出来なかったオリオールズ。ゲームは延長戦に入ります。
オートマティック・ランナーがつきながら、両チームともにスコアレス。ホワイトソックスは11回表も無得点。
迎えた延長11回裏、オリオールズはアドレー・ラッチマンがLF前シングルを放つも、2塁ランナーが生還できず、ノーアウト1、3塁に。
つづくアンソニー・サンタンダーは、2球で追い込まれるも、3球目のスライダーをCF前に弾きまえし、3塁ランナーのセドリック・マリンズが生還。
オリオールズがまるで箕島高校の試合のように、一度死にかけてHRで同点。そして延長でサヨナラ勝利を上げたというゲームでした。
両先発が好投
ゲーム後半に劇的なシーンがあったこのゲームですが、何より先発投手が頑張りました。
ホワイトソックスのランス・リンは、6回を投げて、失点2、自責点1、BB 1、奪三振8。
一方のジョーダン・ライルズも7回まで投げて被安打9を浴びたものの、失点2、自責点1という粘りました。
ワイルドカード枠を狙えるオリオールズ
この勝利でオリオールズは65勝59敗とし、ワイルドカード順位は4位。
ア・リーグのワイルドカード枠は、現時点でレイズ、ブルージェイズ、マリナーズが入っています。3位のマリナーズの成績は68勝57敗なので、4位のオリオールズとの間にはやはり壁がある状況です。
ただ、レイズ、ブルージェイズともに東地区で、これからのスケジュールでトブルージェイズとはあと6試合も直接対決が残っているので、他力の要素もあるとは言え、まだチャンスはあります。
どうなるでしょうか!?
お読みいただき、ありがとうございました。
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