STL、モンゴメリー&プホルズのコンビで1-0で勝利
カージナルスが渋い1ラン・ゲームを見せてくれました!
現地2022年8月22日、リグレー・フィールドで行われたカージナルス@カブス戦は、息詰まる投手戦。カブス先発のドリュー・スマイリーは7回を被安打4、失点1、奪三振6と素晴らしい内容でゲームメイクしましたが、それを上回ったのはカージナルス先発のジョーダン・モンゴメリーでした。
そしてカージナルスを勝利に導いたのは、700号までカウントダウンに入ったアルバート・プホルズでした。
モンゴメリー、99球で1RUNゲームを制す!
息詰まる投手戦をまるでやすやすと投げているかのように、通常通りに投球していたジョーダン・モンゴメリー。ゲーム序盤はコントロール重視で抑え気味。モンゴメリーが最も球速を出すボールはシンカーなのですが、4シームと併せて、90mph台と92-93mph台の2つの速度帯を使い、まずはスムーズなゲームインを心がけていたような立ち上がりでした。78-81mphほどの緩いカーブも効果的に使っていましたね。
この日の捕手はヤディアー・モリーナでしたので、当然モリーナの巧みなリードが引き出したスムーズな立ち上がりでした。
ゲーム内での微調整が済んだ中盤。モンゴメリーは意識的にファストボールの速度を上げ、93-94mphに切り替え。威力がありました。
数字以上の球威
今のメジャー・リーグの左腕投手は、平気で95mph以上をビシバシと決めたりすることから比べると、モンゴメリーのベロシティーは最速のシンカーで95mph近辺で、数字上は特別に速いわけではありません。しかし、198cmの長身から強く腕を振って放たれるファストボールは、数字以上の球威を感じさせます。「もっと出てるでしょ!」と思えるほどの威力ですね。
モリーナもリードしがいがある!
モンゴメリーには、80mph台前半のチェンジアップと80mph台後半のカットボールもあります。こうなると、リードするモリーナもその日のコントロールが大丈夫と判断すれば、こんなにリードしがいのある投手はいないかもしれません。
左右の違いはあれど、アダム・ウェインライトと絶妙なコンビを見せるモリーナですから、もう美味しい素材というしかないでしょうね。相手打者を見つつ、リードするのは楽しくて仕方なさそうです。
9回1ヒッター・シャットアウト
この日のジョーダン・モンゴメリーはお手本のような投球で、結果9回をたった99球で投げきり、被安打1、スコアレス、BB 0、 SO 7という内容でした。
ニア・パーフェクト!には違いないのですが、初ヒットを許したのはゲーム序盤の3回裏です。2アウトからクリストファー・モレルがLF線へ2塁打を放ち、この時点でブレークしています。なお、この2塁打でエラーもあり、モレルは3塁まで到達するも、このバッテリーはニック・マドリガルをSSゴロに抑え、得点を許しませんでした。
TDL移籍後、輝きつづけるモンゴメリー
このトレードデッドラインでハリソン・ベイダーとのトレードでヤンキースから移籍してきたモンゴメリ。
今季の成績はご覧の通り。
- NYY: 3勝3敗、ERA 3.69
- STL: 4勝0敗、ERA 0.35
カージナルスでの数字は8月2日のTDL以降、まだ1ヶ月経過していない数字です。4戦4勝です!!
交換相手のハリソン・ベイダーは7月末に足底筋膜炎と診断され、回復まで1-2週間ということでしたが、まだ出場なし。現時点ではマイナーでのリハビリ出場もしていません。一旦、戻ってくれば素晴らしいディフェンスを披露するのですが、現時点ではヤンキースは泣くに泣けない結果となっております。当初から首をかしげるトレードでもありました。
プホルズがゲームを決める!
カージナルス打線もカブス先発のドリュー・スマイリーに手を焼き、3回までは毎回三振。4回表に先頭のノーラン・アレナドがLFへのシングルで出塁し、チャンスメイクをするも、つづくアルバート・プホルズがアウトハイのシンカーでダブルプレーに打ち取られ、得点ならず。
スコアレスで進展した7回表、先頭はアルバート・プホルズ。4球目、アウトハイのとんでもない高いボールが来ましたが、プホルズはこれに対応。バットのヘッドを立てて、左中間に強烈な一発を放ち、先制点を上げました。
ALBERT PUJOLS IS UNREAL 😳 @BRWalkoff
— Bleacher Report (@BleacherReport) August 23, 2022
Career HR No. 693 for The Machine 💪
(via @BallySportsMW) pic.twitter.com/Zgv5nxjAf0
プホルズは前の打席から最後はアウトハイのシンカーと読んでいたようです。前の打席を知らずにHRシーンのVTRだけを見た時、「なんであんなうまく高めに対応できたの?」と不思議でなりませんでしたが、ちゃんと伏線はありました。
2ストライクと追い込まれていましたし、アウトハイのシンカー一本に絞っていたのでしょう。スマイリーがカーブを投じたならタイミングは崩されますが、4シームであれば対応できますし、待ちとしてはそれしかなかったのかもしれませんね。ウィルソン・コントレラスは2度続けたということにもなります。
プホルズ、700号へあと7
アルバート・プホルズのこの一発は通算693号。700号まであと7本と迫りました。ちなみにあらためて、歴代HRリーダーはご覧の通り。
【MLBキャリアHRリーダー】
- バリー・ボンズ(22シーズン):762
- ヘンリー・アーロン(23シーズン):755
- ベーブ・ルース(22シーズン):714
- アレックス・ロドリゲス(22シーズン):696
- アルバート・プホルズ(22シーズン):693
(現地2022年8月22日時点)
アルバート・プホルズは今月7HR目です。8月は現地2022年8月22日時点で14試合に出場し、打率.472、OBP .525、SLG 1.083、OPS 1.608。出れば打つ!という状態。
10年ぶりのウィークリー・アウォード
なお、プホルズは現地2022年8月21日(該当週は8/14-20)に、Players of the Weekを受賞。これは同僚のポール・ゴールドシュミットとともに受賞しました。
プホルズがPlayers of the Weekを受賞したのは、2012年8月5日以来のこと。なんと10年ぶりの受賞です!
ここまでの活躍をしているプホルズですが、引退の意思は動かないようです。ここに来て、体調がいいのがすべてだと思いますが、それまでは公表していない怪我などもあったのでしょう。そして、今はチャンスが与えられていると考えているのかもしれません。
それにしてもカージナルス、素晴らしいゲームでした。
なお、鈴木誠也選手は4番RFで出場するも、3-0でした。これはモンゴメリーのスタッツが語るように四球なしの打数です!よく見ると、カブス打線で4回打席に立っているのは1番のニック・マドリガルしかおりません。9イニングゲームで2番以降、3打数(打席数も3)しか回っていないとはあまり聞いたことがないですね。
それだけモンゴメリーとモリーナのコンビが素晴らしかったということですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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