3位、51勝63敗で借金12
現地2022年8月15日、テキサス・レンジャーズのGMのクリス・ヤング(SDPなどで活躍した元投手)とベースボール・オペレーション社長のジョン・ダニエルズ両氏が、監督のクリス・ウッドウォード(Chris Woodward)を解雇したと発表しました。
トニー・ビーズリー3Bコーチがインテリム
同日、レンジャーズは地元グローブ・ライフ・フィールドでアスレチックスとのゲームを行いましたが、このゲームから3Bコーチのトミー・ビーズリー(Tony Beasley)がインテリム・マネージャー(暫定監督)として指揮をとることになりました。
よって、クリス・ウッドウォード監督は現地2022年8月14日が最後のゲームで、今季の成績は114試合を終えて51勝63敗、勝率.447ということになりました。3位ではありますが、借金が12。
FA補強も結果が出ず
今シーズン開始前、レンジャーズは非常に精力的に選手補強を行いました。SSのFA選手が多い中、レンジャーズはブルージェイズからFAとなっていたマーカス・セミエン(元SSですが、2021年は2Bとして活躍)とドジャースからFAとなっていたコーリー・シーガーの2人を獲得。
強烈な二遊間を形成することに成功しました。
コール・カルフーン、ブラッド・ミラーも獲得し、打撃力を大いに強化しました。
オープニング・シリーズですでに問題は顕在化
シーガー、セミエンとセンター・ラインを整えつつも、レンジャーズの浮上をあまり予測出来なかった理由は投手の補強が少なかった点にあります。
打線は水物です。かならず凹む時があります。その時に辛抱出来るかどうかは、やはり投手力にかかってきますが、レンジャーズの投手の補強はロッキーズからFAのジョン・グレイくらいしか目立ちませんでした。
いざ、シーズンが始まると打線は活発でした。特に開幕シリーズのブラッド・ミラーとコーリー・シーガーの活躍は素晴らしかったです。
しかし、得点すれども失点を繰り返し、シリーズは1勝2敗で負け越し。3試合の失点は計20。もうこの時点で課題は顕在化しておりました。
そしてシーズンが進むにつれ、マーカス・セミエンが大苦戦。4月の打率は.157、5月も.233となかなか上がりませんでした。ようやく数字がついてきたのは6月からです。
良い誤算と言えば、左腕のマーティン・ペレスです。レッドソックスではまったく活躍できませんでしたが、今季は現地2022年8月15日時点で9勝3敗、ERA 2.79。頼みのジョン・グレイは現時点ではIL入りで、今季は7勝6敗。
もともと、投手に難があっての船出ではありました。
ジャック・ライター時代への布石を
ただ、レンジャーズが本腰を入れてかかるのは2023シーズンから。
ドラフトで注目を浴びたジャック・ライターのデビューが2023年の予定。ひょっとしたら、今季は1度くらいビッグリーグで投げさせるかもしれませんが、あくまで本格稼働は2023年からです。
その時に向けて、今季は準備するシーズンでもありましたが、今季に結果を期待するにはさすがに編成は確かだったのか?とも思います。投手まで予算が回らなかったということかもしれませんが、あまりにも打撃偏重の編成だったと思います。
今季の監督解任はこれで4人目の
今季、MLBでの監督解任はクリス・ウッドウォードで4人目です。
Four MLB managers have been relieved of their duties during the 2022 season. pic.twitter.com/ecQ7Q6qXSv
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) August 15, 2022
ここまでのところ、うまく行っているのはフィリーズのみ。
エンゼルスのマッドンの解任は大きな間違いでしたね。怪我人が原因です。
ブルージェイズは、現地2022年8月15日時点で、シュナイダーに代わってからは15勝11敗で勝率 .577。モントヨの46勝42敗(勝率は.523)より上がってはいますが、対戦相手がワクチン未接種により戦力ダウンした中、勝利した数字も含まれているので、大幅に改善というワケでもないと思います。
ポストシーズン進出がほぼ0%となったレンジャーズが今、監督を交代させるのはあまりよくわからない決断ではありますが、もう来季へ向けて動き出したという見方もできそうです。
クリス・ウッドウォード監督の実績
2019シーズンから指揮を取り始めたクリス・ウッドウォード監督は、今季が4年目。監督通算、212勝287敗で、勝率は.425。この数字はレンジャーズがタンキングした2021年の60勝102敗も含まれているので、実力を正当に評価しているとは思いませんが、それも含めた監督としての実績になります。
なお、レンジャーズとウッドウォード監督は2021年に契約を延長。2023シーズン終了まで指揮を執る予定でした。
追記:編成トップ、ジョン・ダニエルズも解雇
追記です。現地2022年8月17日、テキサス・レンジャーズは編成トップでベースボール・オペレーションズ社長のジョン・ダニエルズの解雇も決めました。これはオーナーのレイ・デービス(Ray Davis )が強い意思でそう決めたようです。
ジョン・ダニエルズとクリス・ヤング(GM)は、オーナーにウッドウォードの責任の軽減を持ちかけに行ったようですが、結果からすると「君もな」とジョン・ダニエルズも解雇になった模様。
ジョン・ダニエルズの後継にはGMのクリス・ヤングが就く見込みですが、まだ今後の正式なタイトルは決まっていないようです。クリス・ヤングも相当落ち込んだ模様です。
オーナーのレイ・デービスにすれば、マーカス・セミエン、コーリー・シーガーそしてジョン・グレイの長期契約があまりお気に召さなかったというメッセージにも取れてしまいます。果たしてレンジャーズはこの痛みを歓喜に変えることが出来るのか? 厳しい世界です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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