新ヤンキー・スタジアムでの初のノーヒッター達成
現地2022年6月25日、アストロズがやりましたね。
ヤンキー・スタジアムでの4ゲームシリーズのGame3で、圧のすごいヤンキース打線を相手にコンバインド・ノーヒッターを達成しました!
おめでとうございます!
THE HOUSTON ASTROS HAVE NO HIT THE NEW YORK YANKEES IN YANKEE STADIUM.#LevelUp x @budweiserusa pic.twitter.com/DKauHBFJek
— Houston Astros (@astros) June 25, 2022
- BOX SCORE (HOU 3-0 NYY)
- Game Recap (Youtube)
ベイカー「球速はコントロールがあって初めて活きる(要約)」
試合後のダスティー・ベイカー監督の言葉が非常に印象的でした。それは投手にとってコントロールがいかに大事か!という言葉でした。
Everybody talks about velocity all the time, but velocity without command and control is no good. He was getting ahead of some real good hitters over there. That’s a day he’ll never forget, and us either.
「いつの時代もみんなはベロシティー(球速)にこだわるけれども、どんなに速いボールを投げても、投げ分けやコントロールが出来なければ、それは良いことじゃないんだよ。彼(クリスチャン・ハビエル)はあそこ(マウンド)で本当にいいバッターを相手に(それを)証明した。この日のことを彼は忘れないだろうし、我々だってそうさ」(筆者意訳)。
”Great !”クリスチャン・ハビエルが7回13K!
そのベイカー監督からコマンドを賞賛されたクリスチャン・ハビエル(Cristian Javie)。圧がすごいヤンキース打線を相手に出したランナーは1回裏、2アウトからジョシュ・ドナルドソンに与えた四球の1つのみ。
そして1回裏、3アウト目をジャンカルロ・スタントンから三振を奪って以降、三振の山。3回から6回までは2三振ずつ奪い、7回にはアウト3つが全て三振。
特に7回は表の攻撃で、この日グリエルに代わって1Bとして先発出場したJ.J.マティジェビック(J.J. Matijevic )がソロHRを放ち、1点をリードした直後だっただけに流れをキープする上で熱投だったと思います。
クリスチャン・ハビエルは7イニングで115球を数えたことからノーヒットのまま降板となりました。115球のうちストライクは71球。散らばり方も理想的でした。まさにコマンドの勝利。
この日のファストボールのベロシティーの平均は 94.6 mph。平均でこの数字は相当速いのですが、デビューはリリーバーで、相当速いボールを投げる投手でした。2021年のシーズン途中に先発に転向。以降、しっかりと結果を残しています。
ヘクター・ネリスは2BBもノーヒットを継続
2番手はヘクター・ネリス。このオフにフィリーズからFAとなり、アストロズに加入。今季はこのゲームを含めて16ホールドと調子が良いです。
この日は先頭のアーロン・ヒックスに四球。さらに1アウト後にもD.J.ルメイヒューに四球を出し、スコアリング・ポジションにランナーを背負うシチュエーションを作りましたが、ジョーイ・ギャロをRFフライ、アーロン・ジャッジをSSゴロに打ち取り、ノーヒットノーランを継続。ちなみに、ジョーイ・ギャロのRFはウォーニング・トラックまで飛んだので相当危なかったです。また、ジャッジのSSゴロもライナーをアレドミス・ディアスがポロっとファンブルし、2Bでフォースアウトに。これがセーフになっていたら、エラーでなくヒットとなっていたと思われます。
プレスリーがリベンジ投球
9回裏、Game1で大逆転負けを喫したライアン・プレスリーが登板。この日は本来の強気の投球を見せ、リッゾ、ドナルドソンを連続三振に。最後はジャンカルロ・スタントンを3Bゴロに仕留めてゲームセット。
クリスチャン・ハビエル、ヘクター・ネリス、そしてライアン・プレスリーの3人で見事にコンバインド・ノーヒットノーランを達成したのでした!!
Astros NO-HIT Yankees!! Watch all 27 outs from the Astros’ historic no-hitter!(Youtube)
アルトゥーベもリベンジHR
ヤンキース先発はゲリット・コール。さすがにアストロズ打線も苦戦し、6回まで無得点。7回表に上述のようにJ.J.マティジェビック(J.J. Matijevic )にソロHRが出て1点を先制。
ゲリット・コールは7回で降板。こちらも106球を投じました。被安打4、失点1、BB2、奪三振が8、被本塁打が1。
そして8回表はマイケル・キングが登板。1アウトからホセ・アルトゥーベが打席に。アルトゥーベはこのシリーズは、打席に入る度に大ブーイングを受けていて、これはサイン・スティーリングが明らかになって以来、ほぼずっと続いております。そんな中、ホセ・アルトゥーベはスタンドに対してリベンジのソロHRを放ち、投手陣をバックアップ。
アストロズは9回表にも連打で1点を奪い、3−0としていました。
今回のノーヒットノーランの記録
今回、アストロズが記録したノーヒットノーランは今季3度めの達成。
今季3度め
今季初はメッツが現地2022年4月29日にコンバインドで達成。
2度めはエンゼルスのリード・デトマーズが現地2022年5月10日に達成。
なお、ノーヒット・ノーランの記録達成ではありませんが、レッズがパイレーツを8回までノーヒットに抑えるも敗戦というのもありました。ランが入っているのでノーランではありませんでした。
その他のイベント
その他、このノーヒット・ノーランは色々なイベントが付随しておりますので、まとめておきます。
- アストロズ史上、14度目のノーヒットノーラン。
- アストロズの14度のノーヒットノーランは、ブレーブス、ガーディアンズと並ぶ7番目に多い達成
なお、1961年以降にMLBに加盟したエクスパンション・フランチャイズで、これ以上ノーヒッターを多く達成したクラブはなし。 - MLB史上、コンバインドは18度目
- アストロズとしては2019年9月1日にジャスティン・バーランダーが達成して以来のこと。
- ヤンキースが最後にノーヒット・ノーランを喫したのはブロンクスにて2003年6月11日のこと。達成したのはやはりアストロズ。このノーヒッターではアストロズはロイ・オズワルド、ピーター・マンロー、カーク・サールース、ブラッド・リッジ、オクタビ・ドーテル、ビリー・ワグナーの6人で達成。コンバインドとしては史上最多投手での達成。
- 2009年スタートの新ヤンキー・スタジアムでの達成は今回が初
- マーティン・マルドナードはコンバインド・ノーヒッターで2度マスクをかぶった唯一人の捕手。前回は2019年8月3日のマリナーズ戦で、アーロン・サンチェス、ウィル・ハリス、ジョー・ビアジーニ、クリス・デベンスキのリレーでマスクをかぶりました。
などです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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