噂が実現してしまう
現地2022年6月3日、フィラデルフィア・フィリーズのベースボール・オペレーション社長のデーブ・ドンブロウスキ氏が記者会見を開き、監督のジョー・ジラルディを解任したと発表しました。ジラルディとともに、コーチング・アシスタントのボビー・ミーチャムもクラブを去ることに。
後任にはベンチコーチのロブ・トムソンがインテリム・マネージャー(暫定監督)として指揮を執り、空いたベンチコーチのポジションには品質保証コーチのマイク・カリトリが昇格することになったことも併せて発表しました。
22勝29敗
フィリーズは現地2022年6月2日はオフでゲームがなかったのですが、1日を終えた時点でのシーズン成績は22勝29敗。2017年の開幕以来最悪のスタートとなっておりました。
直近では現地2022年5月27日から始まったメッツとの3ゲームシリーズで3連敗。ジャイアンツとの3ゲームシリーズにも連敗し、Game3でようやく勝利したものの、スコアは6-5であわや2カード連続でスイープされるところでした。
5月は10勝18敗、とくに5月15日以降が顕著で4勝12敗。
強敵ばかりのスケジュールの不運さも
なお、ハーパーのPRP治療の記事でも書きましたが、たしかにスケジュールも悪かったです。強敵ばかりとの対戦が続いておりました。
ただ、力のあるクラブとの対戦でスイープされるということは、今季はもう力がないことを証明するようなものでもあります。特に戦っている選手がそのように思い込むのはなんとしてでも避けたいところでもありました。
ドンブロウスキ「変化が必要だった」
会見でデーブ・ドンブロウスキは「この時点まで、力を発揮出来ておらず、フラストレーションのたまるシーズンだった」と述べました。また、選手を含めた関係者全員が欠点の責任を共有してはいるものの、クラブハウスには新しい声が必要であり、その変化が必要であったと今回のジラルディ解任の経緯を述べています。
強気だったジラルディだったが
ジョー・ジラルディのフィリーズの監督としての成績は2シーズン+2ヶ月で133勝141敗。
ジャイアンツとの連敗中、自身のポジションについて質問されたジラルディは「私は自分の仕事について心配していない。」と強気に出ていました。
ゲーム終盤での失点も多く、特に最近のブルペンでの起用法には厳しい目が向けられている中での発言だっただけに、これがかえって「解任されるかも」という噂を拡げる形にもなりました。
フィリーズは2011年以来ポストシーズンに進出しておらず、ナショナル・リーグで最も長いポストシーズンの低迷を経験中。そして今季は2日時点で同じような成績では、パイレーツ(22勝27敗)、カブス(22勝29敗)などが挙げられます。パイレーツはむしろ上り調子。カブスは不完全燃焼というところで、フィリーズと同じですね。
ジラルディのその前の実績
現時点で57歳のジョー・ジラルディは、フィリーズ就任前には、フロリダ・マーリンズ(2006年)、ニューヨーク・ヤンキース(2008~17年)で監督を務め、監督としての成績は1,120勝935敗(勝率.545)。クラブハウスに新しい声が必要だったと言ったドンブロウスキ氏ですが、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが2017年にジラルディとの決別を説明する際にも同様の理由を述べています。
トムソンはジラルディの腹心
なお、その「新しい声」である新監督のロブ・トムソンはジラルディの長年の腹心の一人。ヤンキース時代を通じてコーチングスタッフとして活躍していました。トムソンは、様々なコーチやフロントオフィス職なども担っており、経験は豊富。
記者会見に同席していたトムソンは「この機会に非常に興奮していますし、デイブ(ドンブロウスキ)が私に示した信頼に感謝しています。とはいえ、長年ジョー(ジラルディ)と蜜に働いてきた私にとって、今日はエモーショナルな日でもあります。(略)このフランチャイズ、この街、選手、コーチ、スタッフ、そしてファンのことを深く思っています。私はこのチームを率いる準備ができており、仕事に取り掛かり、これを好転させることを楽しみにしています」と豊富を述べています。
トムソン体制初日に10-0の圧勝
そして会見からほどなくして始まった現地2022年6月3日はエンゼルスを迎えての3ゲームシリーズの初日。エンゼルスと言えば、大谷選手もさることながら、フィラデルフィアの近くで育ったマイク・トラウトがおります。
トラウトが張り切るのではないか?と思われたそのGame1でしたが、監督交替などもあり、むしろフィリーズが発奮。ハーパーの2発などで調子の悪いエンゼルスをコテンパンに叩きました。
フィリーズ、巻き返しなるか?注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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