急遽、トレードが決まっていた!
現地2022年5月16日、フェンウェイパークではアストロズ@レッドソックス戦が行われていました。
今オフ、FAでツインズに移籍したカルロス・コレアの後のSSは、開幕からプロスペクトのジェレミー・ペーニャが守っていました。しかし、この日のラインナップを見ると、マウリシオ・ドゥバンの名前が。
実はマウリシオ・ドゥバンはジャイアンツからアストロズへトレードされていたのです。
トレード概要
ドゥバンのトレードが決まったのは現地2022年5月14日のこと。ジャイアンツはドゥバンを出して、キャッチング・プロスペクトを獲得したのでした。
アストロズGet
- マウリシオ・ドゥバン(Mauricio Dubón/27)SS, 2B, 3B & CF/右投げ右打ち
表記
過去、当ブログではDubonの日本語表記をドゥボンと記しておりましたが、どうやら正解はドゥバンのようです。Baseball Referenceの発音表記を見ると、 \do-BAHN\となっているのですが、ドゥバーンと伸ばすよりも、ドゥバンと普通に読めば、バーンと伸びるように聞こえるため、ドゥバンと記すようにしたいと思います。
ジャイアンツGet
- マイケル・パピエルスキ(Michael Papierski/26)C/ 右投げスイッチ
ドゥバン、新天地でチャンスを
今季、ジャイアンツで23試合に出場していたドゥバンは、途中交替を入れたスタメンでの出場は10試合、このうちフル出場は8試合でした。後はほぼゲーム終盤の守備固めという出場に留まっておりました。
SSのブランドン・クロフォードの壁は厚く、SSに就くのはクロフォードが後半に退くパターンのみで、最も多く守備に就いたのはCFとしてでした。本来はSSで、2Bはチャンスでもあったのですが、タイロ・エストラーダの後塵を拝しており、立場は厳しいところに置かれていたのも事実。
ドゥバンにはすでにマイナーリーグ・オプションが残っていないこともこのトレードが決まる決定打の一つとなってしまいました。
これらを総合してドゥバンも、何が起ころうとしているのかはわかっていたらしく、妻にもその旨を話し、準備をしていたとのことでした。ただ、どこのクラブへの移籍になるのかまではわからなかったようです。
ダスティー・ベイカーのアストロズへ
そして決まったのはアストロズ。
14日のトレード決定時、アストロズは11連勝中で、ドゥバンはそんな強いクラブの一員に加わることに興奮していたようです。アストロズも上述の通り、メインはジェレミー・ペーニャを起用すると思われますが、ドゥバンがいることで内野に厚みが加わります。
ドゥボンはまた、ダスティ・ベイカーとも縁があったようで、ベイカー監督の息子のダレンは、高校時代にドゥバンのワークアウトのパートナーの一人だったようです。そんなドゥバンにベイカー監督は、「何も変えずに、自分らしく、プレーする準備をしてほしい」と伝えており、ドゥバンも燃えているようです。
アストロズでのデビュー戦は移籍翌日の現地2022年5月15日のナショナルズ戦。8回から守備固めとして入りました。一応、打席も回り、芯で捉えたサード・ライナーを放ったものの移籍後初安打はお預け。
そして現地2022年5月16日のレッドソックス戦では9番SSとして先発出場。9回の第4打席に先頭打者としてハンセル・ロブレスからシングルヒットを放ち、移籍後初安打を記録しています。
マウリシオ・ドゥバンとは?
あらためて、マウリシオ・ドゥバンについて簡単に記しておきます。1994年7月19日生まれの27才(現地2022年5月16日時点)。ホンジュラスの出身。
実は元レッドソックス
ホンジュラス生まれのドゥバンですが、高校はカリフォルニアの高校に通いました。ドラフトは2013年のレッドソックスの26巡目指名。
2016年12月、レッドソックスがタイラー・ソーンバーグ(現ブレーブス)を獲得し、トラビス・ショーをブルワーズに渡したあのトレードの1員としてブルワーズに移籍。
そしてブルワーズではトップ・プロスペクトとして非常に期待されておりました。
しかし、2019年のトレード・デッドラインでブルワーズがドリュー・ポメランツとレイ・ブラックを獲得したトレードで、ジャイアンツへ移籍。
ジャイアンツではすぐにゲームに出ましたが、バックアップロールに近い出場でした。ジャイアンツ移籍後はカイ・コレアが手塩にかけて育てた内野手でもあります。
メジャーでの通算成績は、打率.258、OBP .300、SLG .393、OPS.694、HR15、RBI 58。打撃に今ひとつ決め手がないのが、もったいないところもでもあります。
ただ、その甘いマスクなどもあり、ジャイアンツではとても人気のある選手でした。今回のトレードではジャイアンツ・ファンにはかなり衝撃的だったようです。
ジャイアンツは捕手の中間層不足に対応
マイケル・パピエルスキを獲得したジャイアンツですが、その目的は捕手の層を厚くするため。
ご承知の通り、2021シーズンをもってバスター・ポージーが引退。ジャイアンツの成績の浮沈はポージーの活躍次第と言われていたほどでしたね。それだけインパクトのあった選手が引退したことで、ザイディ社長も相当頭を悩ましたようですが、開幕すれば、25才のジョーイ・バートをメインに、33才のカート・カサリをバックアップロールで起用しています。
ただ、ジャイアンツはキャッチング・プロスペクトはいても、すぐにメジャーに呼べるようなマイナー上位のMLB候補が不足していたため、今回のパピルエンスキを獲得に動きました。
捕手は特殊ですから、難しいですね。
マイケル・パピエルスキとは?
マイケル・パピルエンスキは1996年2月26日生まれの26才。ドラフトは2017年のアストロズの9巡目指名。2021年からトリプルAでプレー。2021年は103試合に出場し、打率.246、OBP .379、SLG .375、HR7、二塁打 18をマーク。まあまあ打ちますね。
マウリシオ・ドゥバンも決して容易い道ではありませんが、ぜひこの機会に羽ばたいてもたいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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