デバースとの契約延長
現地2022年4月13日、ヤンキースとの3連戦、タイガースとの3連戦の開幕2カードを、それぞれ1勝2敗、2勝1敗で過ごし、3勝3敗で勝率5割のレッドソックス。
次は現地15日のジャッキー・ロビンソン・デーから始まるツインズとの4連戦で、これはフェンウェイでのホーム・オープニング・シリーズです。
その次が打撃がセンセーショナルなトロントとの3連戦(19日から21日@フェンウェイ)、さらに前年も苦戦したレイズとの3連戦(22日から24日@タンパ)、そして再びトロントと今度は4連戦が控えています(25日から28日@トロント)。このレイズ、トロントとの10連戦が今季の実力を測るシリーズになりそうです。
好調デバース
まだまだ本調子とは言えないレッドソックスの中で打撃の中心となっているのは、3Bで25才(現地2022年4月14日時点)のラファエル・デバース。
6試合で、打率.346、OBP .370、SLG .577、OPS. 947、2塁打3、本塁打1、RBI 5。
打席でのあの構えがなんとも言えません!
2022年は調停を避けてサイン
今季のデバースのサラリーは、1年/$11.2M(2022)。これは3月22日に調停を避けて、サインしたもの。前年が$4.575Mで、今季の予想では$10.5Mという数字が出ていた中、そのレンジより上の数字でオファーされ、サインしました。
2022年1月時点でのデバースのMLSは4.070。このまま怪我なく過ごせば、2023年終了後にFA資格を得ます。
そこで出ているのが、ラファエル・デバースの契約延長のお話であるのはご承知の通りです。
1度目のオファーは昼と夜の差
シーズン前、レッドソックスはラファエル・デバースに契約延長の話をオファーしました。この件は、具体的な期間、金額は明かされておりません。
ただし、「昼と夜の差」があったと言われているほど、両者の間に大きな開きがあったのは事実のようです。
デバースは生涯レッドソックスでいられる超長期を希望
レッドソックスがオファーしたのは、デバースが考えていた期間の半分、そして金額にして$100M以上の開きが合った模様。
デバースが求めていると言われているのは、「生涯レッドソックスで」いられるくらいの期間と金額。こちらも具体的には明かされてはいませんが、今季25才のシーズンを過ごすデバースですから、これは筆者の推測ですが、35才のシーズンはもちろん、37-38才くらいまで、ひょっとしたら、40才くらいまでの設定を求めているのではないか?と思われます。
40才はともかく、35才+2年で計12年くらいのラインを求めているのではないか?と、あくまで筆者の推測ですが、そう思います。
大型ディール例
過去にまとまった大型ディールとして、例えば今オフでは、レンジャーズとコーリー・シーガーのケースがあります。28才のシーズンのコーリー・シーガーは、10年/$325Mでレンジャーズとサイン。38才までのシーズンまでの契約。
2021年2月17日、パドレスはフェルナンド・タティス・Jr.と14 年/$340M (2021-34)でサイン。2021年は22才のシーズンであったタティス・Jr.の場合、35才のシーズンまでの契約となります。同じドミニカ共和国の出身ゆえ、意識しているところはあるかと。
その他、野手の大型契約をあげますと、ご覧のようなディールがあります。
PLAYER | Year | Value | AAV |
1. M・トラウト /LAA | 12 | $430M | $35.8M |
2. M・ベッツ/ LAD | 12 | $365M | $30.4M |
3. F・タティス・Jr./ SDP | 14 | $340M | $24.3M |
4. B・ハーパー/PHI | 13 | $330M | $25.3M |
5. G・スタントン/MIA | 13 | $325M | $25M |
これらから類推すると、デバースは10年から12年/$300Mくらいで考えていたのかもしれません。
ところがレッドソックスがオファーしたのはその半分ほどであると考えた場合、選手のピークを少し過ぎた32才くらいまでだとしたら、7年/$150M-180Mくらいのオファーだったのかもしれません。下手をすると、5年のオファーだったかも(あくまで筆者の邪推です。すみません)。
ボガーツにはスラップ・イン・ザ・フェイスのレベル
なお、デバースの友人でもあるSSのザンダー・ボガーツは、2019年4月に下記の契約でサイン。
- 6年/$120M (2020-25)+ 2026 オプション
- $20M/2020-2025
- $20M/2026 (2025シーズンに535PA達成、尚且つ2025シーズン終了後にヘルシーであるなら、この金額で保証)
- プラスAwardボーナスあり
- 2022シーズンオプトアウトあり!
ボガーツの場合、2022年終了後にオプトアウトがあるのです。
今季29才のシーズン(1992年10月1日生まれ)のボガーツにとって、このオプトアウトは選手寿命を左右しかねないので非常に重要です。これを機に現状の契約を上書くのも可能。レッドソックスがシーズン前にオファーしたと言われているのが、オプションの設定であった2026年の1年分の追加のみ。その1年は$30Mのサラリーであると。
このオファーは、Slap in the face(スラップ・イン・ザ・フェイス)、顔面平手打ちレベルのオファーであったとも揶揄されています。ボガーツ自身も思っている額と$100Mのギャップがあった言っています。
ボガーツはオールスター出場が3度、シルバースラッガー賞受賞が4度もあります。
シーズンに専念
なお、デバースはシーズン中に契約の話はしたくないと言っており、とにかくシーズンに集中する姿勢を見せています。
よって、この半年の間にレッドソックスがどこまでコンセプトを変えられるのか?これはハイム・ブルーム・ベースボール・オペレーション社長の意向というよりはオーナーの意思、理念次第ということになりそうです。
これが案外いい加減なところがあって、かつてエイドリアン・ゴンザレスとカール・クロフォードの2人を獲得したことがあって、その理由がNESNでの視聴率アップを狙って、ビジュアルのいい2人を獲得したという前科があります。当時はテレビの位置づけが重要だったんですね。今は違いますね。本物志向でないと受け入れられない時代です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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