ともに強烈な打撃力を証明
現地2022年4月8日からトロントのロジャー・スタジアムで行われたレンジャーズ@ブルージェイズのオープニング・シリーズの3連戦は凄まじいの一言に尽きましたね。この3連戦の結果はご覧の通りでした。
- Game1(4/8): レンジャーズ 8 @ ブルージェイズ 10
- Game2 (4/9) : レンジャーズ 3 @ ブルージェイズ 4
- Game3 (4/10):レンジャーズ 12 @ ブルージェイズ 6
シリーズはブルージェイズが2勝1敗と勝ち越し。しかし、RS(Runs Scored)は、レンジャーズが23でブルージェイズが20と実はレンジャーズの方が多く得点を奪いました。これはGame3で差がついたことにも依るのですが、それにしても凄まじいものがありました。
前評判が高いブルージェイズ
シーズン開始前、ブルージェイズは非常に評価が高かったです。
たとえば、ESPNのパワーランキングでは、ブルージェイズは2位(1位はドジャース)。その他、ブックメーカー系を含め、ブルージェイズの前評判は非常に高いものがありました。
ロビー・レイ、スティーブン・マッツ、マーカス・セミエンと投打の柱が抜けたにも関わらず、既存の選手の存在感が光るのがまず1点ですね。クラブの顔であるヴラディーミル・ゲレロ・Jrはさらなる進化が期待できますし、とりわけスプリングトレーニングにスリムになって表れたのはいいサインでした。ボー・ビシェットも期待値が高いですし、2年目となるエリック・マノアもさらに伸びそうです。
それらに加えて、ケビン・ゴーズマン、菊池雄星投手、なんと言ってもアスレチックスからトレードでマット・チャップマンを獲得したのは大きいですね。
そんなブルージェイズがどんな戦い方をするのかが非常に興味深かったです。
レンジャーズの戦いぶりも興味津々
そしてそのブルージェイズの相手がオフ・シーズンに大躍進を遂げたテキサス・レンジャーズであったことも興味深ったです。
マーカス・セミエン、コーリー・シーガーの2大戦力補強だけでなく、ロッキーズからジョン・グレイ、ツインズからミッチ・ガーバー、フィリーズからブラッド・ミラーを獲得。どのような戦いぶりになるのか、興味深いところでした。
ともに大逆転を演じる
この開幕カードですが、やはり強烈な印象を残したのがGame1でのブルージェイズの大逆転。
Game1で最大7点差をはねのけたTOR
レンジャーズは初回、ブルージェイズ先発のホセ・ベリオスの乱調につけ込み、ブラッド・ミラーのリードオフHR、元レイズのネイト・ロウこと、ナサニエル・ロウのタイムリーなどで4点を先取。2回にはミッチ・ガーバーの2ランHR、4回にはナサニエル・ロウのタイムリーなどで、4回表を終了した時点で7-0と大量リード。
しかし、4回からブルージェイズの追撃が始まり、ゲレロ・Jr.のタイムリー、アレハンドロ・カークの犠牲フライでまずは3点をゲット。5回には、ゲレロ・Jr.のタイムリー、テオスカー・ヘルナンデスの2ランHRなどで4点を奪い、ついに7-7のタイスコアに。
そして双方、得点を奪い合い、9-8のスコアでブルージェイズが1点リードした8回裏、ダニー・ジャンセンがHRを放ち、10-8。この2点を守りきったブルージェイズがまずはGame1を獲りました。
Game2は接戦
Game2は接戦。ブルージェイズはケビン・ゴーズマンが先発。打線も初回からゲレロ・Jr.のタイムリーなどで2点を先制。ところがケビン・ゴーズマンはコツコツと安打を打たれ続け、3回表にはマーカス・セミエンのタイムリーダブルなどで3得点を奪われ、逆転を許す展開に。
しかし、ブルージェイズはレンジャーズ先発で粘りの投球を見せていたデーン・ダニングから5回にボー・ビシェットのHRで追いつき、3-3のタイスコアに。そして6回裏、2番手左腕のブレット・マーティンからサンティアーゴ・エスピナルがタイムリー・ダブルを放ち、逆転。ゲームはこのまま4-3でブルージェイズが勝利。
Game3はレンジャーズが大逆転
現地2022年4月10日のGame3では、ブルージェイズが初回にジョージ・スプリンガー、マット・チャップマンのHRなどで4得点。このままブルージェイズがスイープする流れになりそうでした。3回を終えて、6-1とブルージェイズがリード。
ところが、4回表、レンジャーズは5本のタイムリー長短打を浴びせ、先発のRyu、2番手のメリウェザーから6点を奪い、7-6と大逆転。
レンジャーズは5回にナサニエル・ロウ、ブラッド・ミラーのタイムリーで2得点、さらに、7回にはジョナ・ハイムとブラッド・ミラーにHRが出て3得点。
結局、このままレンジャーズが12-6で逃げ切り、シーズン初勝利を上げました。
ゲレロ・Jr,シーガーが大当たり
特別に良かったのはこの3名。下記の3連戦の合計の数字です。打席に立てば、半分の確率でヒットを放つという状態。
この他にもブルージェイズではダニー・ジャンセン、ボー・ビシェット、ジョージ・スプリンガーがそれぞれ4安打ずつ。レンジャーズではブラッド・ミラーが4安打、2HR、5BRIと活躍。捕手のジョナ・ハイムも3安打を放ちました。
- 【TOR】ゲレロ・Jr. :12-5/ .455/.500/.727/ 1.227/ 1HR/4RBI
- 【TEX】ナサニエル・ロウ:11-5/ .455/.500/. 455/ .955/ 4 RBI
- 【TEX】コーリー・シーガー: 13-6/ .462/.500/ .538/ 1.038/ 2 RBI
セミエンが苦戦
レンジャーズではコーリー・シーガーが大当たりでしたが、苦戦したのが、マーカス・セミエン。このシリーズは13-1と、Game2に二塁打を1本はなっただけ。なんとか切り替えて、爆発してもらいたいですね。努力の選手なので、復活してくれるでしょう。
ともに投手力に粗さあり
上述のように、打撃力は双方ともに破壊力が増し、凄まじいものがありました。
課題は投手ですね。
ブルージェイズは先発が機能するかどうか
やがて上がってくるかとは思いますが、ブルージェイズは先発が機能すれば、かなり強いという戦いぶりでした。Game1でホセ・ベリオスが0.1イニング、4失点で降板したのがそもそも痛かったのですが、Game2のケビン・ゴーズマンもかなり当てられていましたね。Ryuも3.1イニングで6失点。
ブルペンは良さそう
ブルージェイズのブルペンですが、ジョーダン・ロマーノとイーミ・ガルシアは2試合に投じて、ともにERAは0.00。この2人がブルペンの鍵ですね。2人が好調なのは何よりです。シリーズを勝ち越したのもブルペンの差にあったと思います。
レンジャーズはブルペンをチューンナップ中
レンジャーズは今オフ、投手をあまり補強できておりませんでした。ジョン・グレイを獲得しただけでも違いますが、先発、ブルペンともにここはもうチューンナップしていくしかありません。
以上、ともに打撃にかなりの優位性を持っているものの、投手力の整備が必要な両者でした。
筆者としては、負け越したとは言え、レンジャーズの粘りがテキサス・ブロンコスっぽくて非常に良かったです。面白い戦いをしてくれそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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