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【MLB2022FA】フィリーズ、カイル・シュワーバーとニック・カステヤーノスとサイン!二人合わせて、66HR&171RBI!

シュワーバーの入団がオフィシャルに

 ロックアウトが明けて、怒濤のごとく大物FAのディールが決まり、当ブログでも追いつけませんでした。現地2022年3月21日、フィリーズとカイル・シュワーバーがサインしたことがオフィシャルになったタイミングで、カイル・シュワーバー(29)とニック・カステヤーノス(30)のディールについて触れておきたいと思います。

クリス・ブライアントとは年数で合わず

 ロックアウト前からフィリーズはクリス・ブライアントの有望な移籍先として名前が上がっていました。実際、かなり突っ込んで行ったことは事実なようで、もう一声というところまで行ったようです。ボブ・ナイチンゲールさんの情報では、クリス・ブライアント側が少なくとも7年の保証を求めたのに対し、フィリーズは5年が精一杯だったようです。結果、7年を保証したロッキーズがクリス・ブライアントを獲得して行ったという後日談も出てきました。

 クリス・ブライアント1人で7年/$182M。

 クリス・ブライアントへの資金が効いたこともあり、フィリーズは結果的に左右の強烈なバットを二人も獲得することに。カイル・シュワーバーが4年/$79Mニック・カステヤーノスが5年/$100Mともに重複する濃厚な4年、トータルで$179M。これでもブライアント1人よりは結果的に安かったという結果に。

NLイーストがますますヒートアップ

 ブライアントとハーパーのケミストリーももちろん興味深ったのですが、2人の長距離砲のタレントを獲得できたことは、NLイーストのライバル・クラブに強烈なプレッシャーを与えることに。

 ただでさえ、NLイーストは熾烈な争いが繰り広げられています。

 2021年ワールドシリーズ・チャンプのブレーブスには、マット・オルソンが加入。クローザーにケンリー・ジャンセンが入りました。前年は、ロナルド・アクーニャ・Jr.を膝の怪我で欠いてのWSチャンプですから。

 そして、マックス・シャーザーを獲得したメッツは、ジェイコブ・デグロムとともに、3連戦で2勝を見込めるほどの投手力に。タイワン・ウォーカーもいますし、打撃ではマーク・カナとスターリン・マルテも補強し、昨年の貧打は解消されそうです。

 また記事にするつもりですが、マーリンズもかなりいいローテーションが揃っています。ナショナルズにはフアン・ソトがいますからね。

それぞれの契約内容

 カイル・シュワーバーとニック・カステヤーノスのそれぞれのディールも見ておきます。

カイル・シュワーバー

  • 4年/$79M (2022-25)
    • 2022: $19M、2023-25: $20M/年

 ファイナル・イヤーにはオプションなどはついていない模様です。2021年のサラリーは$10Mで、2022年は$11.5Mのミューチュアルオプションでしたが、これを拒否。FAとなり、この契約に至ります。サラリーは倍になりましたから、市場に打って出て正解でしたね。

ニック・カステヤーノス

  • 5年/$100M (2022-26)

 ニック・カステヤーノスの情報はまだこれだけしかありません。

 直近の契約では、4年/$64M (2020-23) + 2024 $20M ミューチュアル・オプション($2Mバイアウト)に加えて、2020年と2021年終了後にオプトアウトを入れていました。オプトアウトしたので、FAとなり、今回の契約に至るわけですが、繰延払いも入っていましたし、アウォード・ボーナスの設定もありましたから、今回も結構、細かく入れてきているとは思います。

 もしオプアウトを入れるなら、今季で30才を迎えるカステヤーノスの場合、早めに入れてくると思われます。

二人の実績

カイル・シュワーバー

 2015年、カブスでデビューしたカイル・シュワーバーの腰の座ったスイングを見た時、かなり驚きました。こんなすごいバッターがいるのかと。打撃があまりに良すぎて、本職のキャッチャーからLFの守備に就くことに。

 カブスがワールドシリーズチャンプに輝いた年、カイル・シュワーバーは膝の大怪我で、シーズン中は2試合の出場のみ。ポストシーズンには間に合いました。詳細は下記の記事に書かせていただいております。

 カブスの2021年問題のメンバーの1人でしたが、2020年のコロナ・パンデミックで入場料収入がないらなかったカブスは経営危機を感じ、あっさりとカイル・シュワーバーをノンテンダーに。これは衝撃的でしたね。

 そして、2021年、ナショナルズとサインしたカイル・シュワーバーは、6月にはHRラッシュ。なんと16本を叩き出すというとてつもない破壊力を見せたのでした。しかし、7月2日のドジャース戦で、ハムストリングスを傷めてしまうアクシデントが発生。

 そのままトレードデッドラインを迎え、回復を見込んだレッドソックスが獲得。レッドソックスのポストシーズン進出、ALCS進出に貢献を果たしたのでした。

 2021年は32HRだったのですが、6月までに25HRを放っておりました。もし、ハムストリングスを傷めていたなかったら、記録的なシーズンになっていたかもしれません。

ニック・カステヤーノス 

 ニック・カステヤーノスは1992年生まれの30才。カイル・シュワーバーより1つ上です。2010年のタイガース1巡目指名(全体44位)。高校卒です。

 2013年にメジャー・デビュー。21才の時です。レギュラーとして出場し始めたのは、2014年から。まだタイガースにマックス・シャーザーがおり、タイガースが最後にポストシーズンに進出した年です。ALDSでオリオールズに3連敗してしまいましたね。ちなみに2014年から2017年までは3Bを守っていました。

 デビュー以来、右の中距離打者のような印象だったカステヤーノスがさらに注目を集めたのは、2017年のこと。このシーズンに打率.272、OBP .320、SLG .490をマーク。HRは初めて20本を超え、26本をマーク。二塁打は36本、そして三塁打を10本も放ちました。RBIは101でこれは現時点でキャリアハイです。

 2018シーズンには右打者でありながら、シーズン185安打をマーク。HRは23です。

 そして2019年、カステヤーノスはトレードデッドラインでカブスに移籍することに。

 このシーズンですが、27HRをマークしたのも素晴らしかったのですが、特筆は二塁打の数。なんと58本をマークしました。なかなかこんな数は見ることがないです。あと2本で60本ですからね。

 2020シーズンにレッズに移籍。しかし、シーズンが短縮だったこともあり、162試合のフルシーズンで働いたのは、2021年のみとなります。138試合に出場し、164安打を放ち、打率.309、OBP .362、SLG .576、HR 34、RBI 100、二塁打34。2021年はシルバー・スラッガー賞を受賞。

二人合わせて、66HR、171 RBI。これは強烈ですね。

シフト

 今季からナ・リーグはDHということで、カイル・シュワーバーがメインでDHに入ると思われます。オデュバル・ヘレイラと再契約しましたから、CFにヘレイラ、RFにハーパー、LFにカステヤーノスになるのではないかと。ヘレイラが頼りなければ、アダム・ヘイスリーがいますし、マット・ビアリングの成長も期待されます。

 Cにはもちろん、JT・リアルミュート。1Bにリース・ホスキンス、ディディとセグラで二遊間を組み、アレック・ボーンが3B、バックアップに、ヨハン・カマーゴ、ニック・メイトン、ルーク・ウィリアムズ、スコット・キンガリーというところでしょうか。

 この二人が入ってかなり厚みが増しました。

 お読みいただき、ありがとうございます。

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