ハートブレイクな2021シーズンの挽回にベテラン監督
現地2021年10月29日、サンディエゴ・パドレスの新監督が決定。アスレチックスの現監督であるボブ・メルビンとサインしたことが明らかになりました。
パドレスは2021シーズン、4月からドジャースと死闘を演じ、その強さを発揮。フェルナンド・タティス・Jr.を中心とした強力な攻撃陣と、トレードで獲得したダルビッシュ投手やブレイク・スネルなどの大型投手の補強を背景にいい戦いぶりを見せていました。ところが、終わってみれば79勝83敗と負け越し。ポストシーズンも逃しました。まさにハートブレイクなシーズンになったのでした。
シーズン最終盤でティングラー監督を解雇
GMのA.J.プレラーはシーズン終盤に、ジェイス・ティングラー監督を解雇。監督のポジションが空いていました。なぜティングラー監督で機能しなかったかは、その体制になっておらず、監督が采配しづらかったという声も聞こえては来ました。GMにしてみれば、これだけ集めたのに!という思いもあったでしょう。とにかく、パドレスは新体制が決まりました。
A’sがよく手放した
ボブ・メルビンは名将。
アスレチックスとの直近の契約では、2018年10月の終わりに2年(2020-2021)で契約。サラリーは年間$3.5M。この契約には2022年のクラブオプションがついていて、アスレチックスは2021年6月15日にそれを行使することを決定。2022年もアスレチックスの監督として指揮を執ることになっていました。
しかし、一転、ボブ・メルビンはパドレスで指揮を執ることに。
器量がデカすぎるアスレチックス
これは去るもの追わずということなのでしょうか。アスレチックスはパドレスにボブ・メルビンと監督就任の話をすることを許可。
アスレチックスはこの辺が非常におおらかというか、緩いというか、器量がでかいです。先日もメッツのフロント・オフィスにと白刃の矢が立ったビリー・ビーンに、メッツがコンタクトすることも許可。結果、ビリー・ビーンは丁重にお断りしてアスレチックスに残ることになりました。
実際はどんな温度で許可を出したのかはわかりませんが、結果としてコンタクトを認めるという、なんとも器のデカいというか、ちょっと考えられないアスレチックスなのでした。
3年12Mドル
パドレスとの契約は3年で$12M。年俸は$4Mですから、メルビンの希望通りという数字になっています。
決め手はサラリー?
アスレチックスがボブ・メルビンとの2022年のオプションを行使した際のサラリーは$3.5M。これもどこまで本当かはわかりませんが、メルビンは本当は$4Mを希望していたとのこと。よって、今回のパドレスのオファーは金額面では合致しました。
アスレチックスはどうかというと、このオフは、調停の選手を中心に、サラリー・シェッド(削減)をせざるを得ない財務状況。メルビンと再度契約うんぬんという交渉は出来る余地がなく、「いい話であれば、行っていただいてもうちはクレームをつけたりしません」と言ったかどうかはともかく、そのようなスタンスで送り出したのでした。おそらく遺留はしたとは思います。
メルビンの実績
2003年、41才でマリナーズの監督となったメルビンは、それ以降、2010年に1度フリーになってだけでずっと監督のポジションに就いています。
- マリナーズ: 2003-04
- Dバックス:2005-09
- アスレチックス: 2011-21
18年のキャリアで1,346勝1,272敗、勝率.514。Dバックス時代の2007年、アスレチックス就任後の2012年、2018年にMOY(Manager of the Year)を受賞。
低迷しているクラブをグンと強くすることに長けた監督さんで、今季のアスレチックスがこれほどいい結果を残すとは思えませんでした。人材をうまく活用そして育成するのがうまい人でもあります。
パドレスにピッチング・グルが登場
パドレスはメルビン決定以前にコーチ陣も形成しつつあり、なかでも注目はインディアンスでピッチング・グルと呼ばれていたルーベン・二エブラ(Ruben Niebla)を獲得したこと。
インディアンス(来季はガーディアンズ)は、出してはいけない人材でした。これはインディアンスの現役投手は怒っていい案件です。
Thank you to Ruben Niebla, who spent 20 years in the Cleveland organization and made an incredible impact on this franchise. He will definitely be missed here! pic.twitter.com/NHKkDSQhKi
— Cleveland Guardians (@OurCLEGuardians) October 27, 2021
ルーベン・二エブラはインディアンスの投手力を影で支えたコーチで、コーリー・クルーバーをはじめとして、カルロス・カラスコ、ダニー・サラザー、トレバー・バウアー、シェーン・ビーバー、アーロン・シバーリ、トリストン・マッケンジーと先発だけでこのような超豪華メンバーが巣立って行った実績あり。
ずっと右腕王国でもありましたが、まあこの方の力が相当寄与したのは言うまでもありません。
メルビン体制になり、今のところはメルビンの息のかかったコーチはいませんが、これからそれも形成して行くことでしょう。おそらくアスレチックスからも拝借ということになるでしょうね。アスレチックスはここでも条件次第で手放すのか?
2022年、ナ・リーグ中地区はドジャースがおそらく現戦力の維持は不可。変動があるかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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