レアな結果に
現地2021年1月27日、2021年のHOF(Hall of Fame「野球殿堂」)の投票が行われました。殿堂入りなるか?と思われていたカート・シリングをはじめ、25名の候補者がいた訳ですが、今回は75%の得票率をクリアーした選手が表れず、殿堂入りは見送りとなりました。
殿堂入りが出なかったのは1936年に投票が始まって以来、7回目のことで、前回は1960年まで遡ります。
なお、候補者の資格、投票のルールなどはこちら。
投票結果
投票結果はご覧の通り。
- カート・シリング(Curt Schilling): 285 (71.1%) — 9回目
- バリー・ボンズ(Barry Bonds): 248 (61.8%) –9回目
- ロジャー・クレメンス(Roger Clemens): 247 (61.6%) — 9回目
- スコット・ローレン(Scott Rolen): 212 (52.9%) — 4回目
- オマール・ビスケル(Omar Vizquel): 197 (46.4%) — 4回目
- ビリー・ワグナー(Billy Wagner): 186 (31.7%) — 6回目
- トッド・ヘルトン(Todd Helton): 180 (29.2%) — 3回目
- ゲイリー・シェフィールド(Gary Sheffield): 163 (40.6%) — 7回目
- アンドリュー・ジョーンズ(Andruw Jones): 136 (33.9%) — 4回目
- ジェフ・ケント(Jeff Kent): 130 (32.4%) — 8回目
- マニー・ラミレス(Manny Ramirez): 113 (28.2%) — 5回目
- サミー・ソーサ(Sammy Sosa): 68 (17.0%) — 9回目
- アンディー・ペティット(Andy Pettitte): 55 (13.7%) — 3回目
- マーク・バーリー( Mark Buehrle):44 (11.0%)— 1回目
- トリイ・ハンター(Torii Hunter): 38 (9.5%)— 1回目
- ボビー・アブレイユ(Bobby Abreu): 35 (8.7%) — 2回目
- ティム・ハドソン(Tim Hudson):21 (5.2%)— 1回目
- アラミス・ラミレス(Aramis Ramirez): 4 (1.0%)— 1回目
- ラトロイ・ホーキンス(LaTroy Hawkins):2 (0.5%)— 1回目
- バリー・ジト(Barry Zito):1(0.2%)— 1回目
- A.J. バーネット(A.J. Burnett):0 (0.0%)— 1回目
- シェーン・ビクトリーノ(Shane Victorino):0 (0.0%)— 1回目
- ダン・ヘイレン(Dan Haren):0 (0.0%)— 1回目
- マイケル・カダイアー(Michael Cuddyer):0 (0.0%)— 1回目
- ニック・スウィッシャー(Nick Swisher):0 (0.0%)— 1回目
17名が2022年へ持ち越し
投票の結果、1位から17位までの選手は次年度へ繰越となりました。シリング、ボンズ、クレメンスは2022年の投票がラスト・イヤーとなります。
また、18位以下の選手は得票率が5%以下なので、今回で投票は終了となります。HOF入りとはなりませんでしたが、10年間もプレー続けてきたことには敬意を表します。
シリング、10度目の投票を拒否
9回目も叶わずとなったカート・シリングは投票後、「10度目の投票はリストからは削除して欲しい」という意思を文書にしたためて、公表しました。
シリングの希望は元選手で構成されるベテランズ委員会で討議して欲しいというものでした。これまでの投票はBBWAAの記者による投票。
どうしてベテランズ委員会に委ねたいかというと、以下です。
ベテランズ委員会とは
- BBWAAの選考から漏れた選手の殿堂入りを審議する団体
- 構成員は元選手など
5%未満だった選手や、10年繰越期間を経過しても選ばれなかった選手、つまり現役を引退してから21年以上の選手はベテランズ委員会で再審査されるというルールがあるからです。
なお、そのほかにもベテランズ委員会が検討の対象とするのは、以下。
- 不適格リストに含まれなくて、10年以上プレーし、且つ現役引退から21年以上を経過した選手:投票は2年に1度
- 10年以上務めて、引退から5年以上経過した監督・コーチ・審判:投票は2年に1度
- 引退してから5年以上経過した発展貢献者:投票は4年に1度
なお、カート・シリングはフィールドではアツすぎる選手でしたが、フィールド外では叩かれるケースが多いです。2015年にイスラム教徒を誤解させるようなツイートをしてみたり、トランスジェンダーに関する差別的な発言などがそれです。いずれも、記者たちが忌み嫌うキーワードの対象ばかり。これが75%をなかなか超えられない要因でもあります。
ビスケルも今後は難しい
なお、名手のほまれ高いオマール・ビスケルですが、2020年12月に元妻への暴力が発覚。これで勢いを失いました。2022年も資格者ですが、よほどのことがない限り、このまま地位を失いそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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