豪腕デグロムから1チャンスを掴む!
現地2021年4月28日(水)、日本時間では4月29日。祝日でのんびりされた方も多いのではないかと思います。昭和への想いを馳せるのもよいかもしれません。なぜなら・・・
令和3年4月29日(木)、本日は昭和の日となっていますように、昭和天皇がお生まれになられた日。今年は明治34年(1901年)のご生誕から120年目の節目にあたります。皇室弥栄。
野球好きの延長で、メジャーリーグ好きになってしまいましたが、こうやってMLBを楽しめる今があるのも昭和天皇のお力のお陰でもあると思っている次第です。
2ゲームシリーズで連勝
さて、前日の27日から始まったインターリーグのレッドソックス@メッツ戦。シティ・フィールドでの開催なので、DHではなく投手も打席に入るシリーズです。今回は2ゲーム・シリーズ。
Game1ではギャレット・リチャーズが快投
27日のGame1ではレッドソックス先発のギャレット・リチャーズがメッツ打線を相手に7回、被安打7、失点1、奪三振10の快投を見せてくれました。マット・アンドリーズ、マット・バーンズが無失点リレーを演じ、ボビー・ダルベックの今季初HR、ラファエル・デバースの勝ち越しシングルでで2−1で勝利。
いいゲームを見せてくれました。
誰もが厳しい戦いを予想していたGame2
Game2は、レッドソックスがニック・ピベッタ。そしてメッツがジェイコブ・デグロムの先発。戦前では(遠慮気味の小見出しをつけてしまいましたが)、レッドソックスがデグロムにコテンパンにやられると思った方も多いと思います。この連戦にスイープされ、調子を崩して・・・という悪い考えを持ちかねないメッツ戦でした。
しかし、このゲーム、ニック・ピベッタが頑張りました!
ニック・ピベッタ、マインドセットで臨む
レッドソックス先発のニック・ピベッタは、マインド・セットをしてマウンドに上がりました。
The way that I go into it is I have to mentally put myself in that [place] that I’m as good as deGrom and I’m going to be deGrom. / He’s an incredible pitcher, don’t get me wrong, I love watching him pitch. I think he’s incredible. But I can’t let him being up here, let me get down here. I have to go up and meet him right there and believe in myself.
僕がゲームには入るには、デグロムと同じくらい素晴らしい投手で、僕自身がデグロムになるつもりでマインドセットする必要があったのです。(そんなふうに思うと調子に乗っていると思うかもしれないけれど)誤解しないで欲しいのですが、僕はデグロムをすごい投手だと思っているし、なにより彼が投げているのを見るのが大好き。でも、ここでは彼を思い通りにさせるわけにいかない。彼としっかり対峙するために、自分自身を信じるんだ。(筆者超意訳)
監督のアレックス・コーラもボガーツにはっぱをかけたようです。
We treat it like college baseball. I told Xander [Bogaerts] before the game, we beat this guy, we might be No. 1 in the nation in the upcoming days.
(戦前に気合を入れる)カレッジ・ベースボールのように、私(コーラ)はボガーツにゲーム前に語りました。我々が彼を倒すぞ。そして我々が来るべき時にNO.1になるぞ(筆者超意訳)
やはり最小チャンス
ゲームの方ですが、やはりジェイコブ・デグロムはすごかったですね。ジェイコブ・デグロムに対してレッドソックス打線はご覧のラインナップ。
ジェイコブ・デグロムに対しては、データとしては左打者に打たれているという数字もあるので、左を多めに使うのかとも思っていましたが、そのデータは雀の涙ほどの差なので大したデータではありません。レッドソックスもいい選手をとにかく当ててきたという感じのラインナップでした。
初回から100mph超え7球!
立ち上がりのジェイコブ・デグロムは、三者凡退に抑えました。圧巻だったのは、100mph超えが7球もあったこと。最速は3番のJ.D.マルチネスを三振に仕留めるべく3球目に投じた101.2mph(162.86kmh)。これはファウルとなりましたが、J.D.の時はギアを上げた感じでしたね。
バスケスが先制打
先制はレッドソックス。なんと2回表にやってきます。まず、先頭のザンダー・ボガーツが1stストライクの4シームを叩き、LFに二塁打で出塁。つづくラファエル・デバースは、鋭い当たりを放つも2Bゴロとなり、これが進塁打となり、レッドソックスが1アウト3塁のチャンス。
ここでバッターはクリスチャン・バスケス。ファストボールでぐんぐん押してくるデグロムに2球で追込まれます。しかし、3球目、100mph超えのファストボールがアウトハイに。これで普通はボールの下をくぐって三振となるところをバスケスは見事にバットを立てて対応。これがラインドライブでぐんぐん伸びてCF後方へ。2塁打となり、3塁ランナーのボガーツがホームイン。レッドソックスが1点を先制します。
ニック・ピベッタ、ゾーンに
1回裏、気合が入り過ぎたのか、2者連続四球と頭の痛い立ち上がりとなったニック・ピベッタですが、ピート・アロンソ、マイケル・コンフォート、J.D.デービスを打ち取り無失点に。
1点の先制点をもらった2回裏にはドミスク・スミスに初安打を許すも、丁寧な投球で無失点に。まだまだ最小リードで油断はならなかったものの、非常に良い投球が続きました。
ピベッタ、打席で意地を見せる
3回裏、これもこのゲームの一つのポイントになったと思いますが、先頭のニック・ピベッタが打席に。明らかに勝敗は見えていましたが、ピベッタが意地を見せました。ボール、ストライク、ボールで2-1カウントになってから、ピベッタはなんと6球もファウルで粘ります。最後はスライダーで三振となりましたが、デグロムに10球を投げさせたことは、後々、デグロムが7イニング目のマウンドに上がるのを防いだと思います。
この日デグロムが投げたのは93球。
なお、せっかくピベッタが粘ったのに、つづくエンリケ・ヘルナンデスとアレックス・ベルドゥーゴはとも2球で凡退。
ニック・ピベッタですが、1バッターにつき、かなりの球数を投げさせられたので、5回で降板。93球を投げ、1ヒッター、無失点、与四球3、奪三振7。
ギャレット・ウィットロックも好投
6回裏のマウンドに上ったのは、ギャレット・ウィットロック。ルーキーで、いい仕事をしていますね。ウィットロックはこの日も好投。2イニングを被安打1の無失点、奪三振4という成績。
マーウィン・ゴンザレスの好捕
8回裏、レッドソックスのマウンドはアダム・オッタビーノ。1アウト後、フランシスコ・リンドーアを打席に迎え、2Bへの強烈なライナーを放ちましたが、これをマーウィン・ゴンザレスがリーピング・キャッチ。緊迫したゲームから生まれた好プレーでしたね。
マット・バーンズ、6 SV
最終回、レッドソックスのマウンドはマット・バーンズ。この日はマイケル・コンフォート、J.D.デービス、ドミニク・スミスを三者連続三振に奪う安定ぶり。6セーブ目を上げました。6セーブはア・リーグではレイズのディエゴ・カスティーヨと並んでトップタイ(現地2021年4月28日時点)。
レッドソックスが1-0でシャットアウト勝利です。
デグロム、59K/5試合
さて、ジェイコブ・デグロムですが、6イニングを投げて、被安打3、失点1、与四球1、奪三振9。この日、開幕5戦目となったデグロムは計59K。これは1978年のノーラン・ライアンの数字と並んで歴代トップタイです。
メッツ打線、またしても沈黙
メッツ打線ですが、この日はたった2安打。前回登板の23日のオリオールズ戦では11安打を放ちましたが、この日はまったく元気がありませんでした。4月10日のマーリンズ戦が3安打でしたが、同じような状況に。
戦意充実の相手への対策
レッドソックスがかなり入れ込んでこのゲームに挑んだのは上述の通りです。このようにジェイコブ・デグロムが投げるゲームは対戦相手は打線だけでなく、投手も相当に入れ込んでゲームインしてくることが今回の対戦でさらに明白になったと思います。
メッツはここを戦術面か、あるいはメンタル面で克服する必要がありそうです。そうでもしないとこのままだと、さすがのデグロムも調子を狂わせかねないです。今は単にデグロム戦で当たりが止まるそういうサイクルかもしれませんが、それにしても何か手を打たないとせっかくの歴史的大エースを活かせないですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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