まるでスサノオを見るよう
現地2021年4月4日、オーニング・シリーズのホワイトソックス4戦目でついにエンゼルスの大谷翔平選手の二刀流が解禁となりました。
このゲームは見どころ満載でしたね。特に大谷選手はすさまじかったです。その勇姿は日本神話の素戔嗚尊を見るよう。この素戔嗚尊の感得は完全に筆者の直感です。素戔嗚尊は様々な面をお見せになられますが、自然現象の厳しい面を表しているとも言われます。この日の大谷選手はエンゼル・スタジアムにすさまじいまでの風を吹かせた、そんなふうに見えました。
2020年は2試合に登板
さて、大谷選手がメジャーのレギュラーシーズンのマウンドに上がるのは、2020年の8月2日以来。2020年は2試合に登板したものの、計1.2イニングで80球を要し、被安打3、自責点7、与四球8で奪三振が3で0勝1敗。あまりにも調子がおかしいため診断した結果、右前腕部の屈筋の円回内筋のグレード2の損傷が判明。そのまま打者での出場オンリーとなりました。
2018年の投手での成績
そしてトミージョン手術前、2018年の大谷選手は10試合、52.1イニングを投げ、4勝2敗、ERA 3.31をマーク。同年4月1日から6月6日までの9試合と9月2日の1試合と計2期間ありました。2期間に分かれたのは6月6日の登板後に肘の損傷が判明。一旦はPRP療法を行い、それに3ヶ月を要したからです。同年9月2日に復帰。しかし、本調子ではなく、今度は右肘UCL(内側側副靭帯)の別の箇所の損傷が発覚。シーズンオフに入ってすぐにトミージョン手術を行ったのでした。
2021年の二刀流の違うところ
今季の大谷選手の二刀流が2018年、2020年に実施していた二刀流と違うところは、以下の2点にあります。
まず、1つは1試合の中で投手と打撃をこなしている点。それまでの二刀流は、日によって投手、DHの専任。今回のそれは野球少年がそのままメジャーの舞台で暴れているとでも言うか、高校球児のように「投げて、打って」を実践している点です。さすがに「真の」という枕詞をつけるのはいささか憚れれますが、言ってみればそういうことになります。
そして2点目は、今季は登板日前日でもゲームに出場している点です。2018年は登板間隔を中6日から最大11日まで空けていました。そして登板前日、登板翌日は調整日。
しかし、今季は開幕から3試合はいずれもコンプリートゲーム(フル出場)。登板前日でも関係無しというマッドン監督の非常に強気な姿勢もうかがえます。
ゲーム3までの打撃成績
登板日前日までの大谷選手の打撃成績は、13打数2安打ながら、HR1、RBI 2と非常にインパクトのある数字を残しています。ちなみに圧巻だったスプリングトレーニングの成績は、29-16、打率.552、OBP .576、SLG 1.069、HR 5、RBI 8、三振が4。調子のよい状態でシーズンインし、まずはHRも1本出しているので、このまま数字も上がってくるでしょう。
2番Pでの出場
記念すべきこの日のスタメンです。「2番P大谷」のファースト・ゲームです。
MAX101mph
この日の大谷選手は投手としては初回から100mph超え。アダム・イートン、ホセ・アブレイユもファストボールには相当警戒していた模様で、ファウルで対応するも、手こずっていた印象がありました。
第1打席で特大のHR
そして度肝を抜いたのは、第1打席。ディラン・シーズの97mphの高めの4シームをフルスイング。打球を上げるかのような豪快なスイングから放たれた打球は、RFスタンド深くに刺さる先制HR。このスイングの軌道は豪快という言葉がぴったり。すごいHRでした。
エンゼルスはその後、マイク・トラウト、アンソニー・レンドンの連打をきっかけにジャスティン・アップトンが犠牲フライを放ち、2点目。2-0とリードします。
ヒートアップ!
2回表には当たっているヤーミン・メルセデスをスプリットで三振。後続も退けました。
3回表、先頭のビリー・ハミルトンにうまく三遊間に合わせられ、LF前ヒットで出塁を許し、しかも盗塁も決められ、ピンチを迎えますが、こちらも後続を退けました。
4回表は、アウト3はいずれも三振。三振、四球、三振、四球、三振とやや球数を費やしたものの、無失点に。このイニングはランナーを二人背負ったというのもありますが、ギアが上がりました。最後、ルイス・ロバートを三振に仕留めた際には、大きな声が出ていました。ここまでヒートアップしているのを見るのは初めてかもしれません。
観客の声が少ないせいかと思いますが、結構声を出しているのがわかりましたね。
5回に降板
5回は2アウト牽制の悪送球、2つの四球などで満塁となり、ワイルドピッチで1点を返されました。またヨアン・モンカダをスプリットで三振に仕留めるも、マックス・スタッシが後逸。振り逃げの間に1点、さらに1塁への送球が乱れた間に2塁ランナーのホセ・アブレイユもホームインし、3−3の同点に追いつかれました。
ベースカバーで交錯
その同点に追いつかれたシーンですが、ホセ・アブレイユの走路に大谷選手の捕球が重なり、激しいスライディングを受け、これで降板。せっかく三振を奪っていたのに、もったいない2失点でした。
スライディングのシーンですが、もしスパイクの刃が地面に刺さっていたら、足首を骨折したかもしれません。うまく刃が抜けてくれました。
試合後、広報は大谷選手は大丈夫とのコメントを発表。これでもし、大谷選手が潰れるようなことになれば、ホセ・アブレイユの株はグンと下がったでしょう。ホセ・アブレイユはこの日、やられてたまるかというのが終始表情に出ていたので、多少きつく行ったのかもしれませんが、捕球の着地と走路が重なったのも事実です。
それにしても大谷選手のヒストリックな夜は、最後は結構ひどい落ちがつきましたね。
ジャレッド・ウォルシュがウォークオフHR
ゲームの方ですが、大谷選手の降板後の5回裏にエンゼルスはジャレッド・ウォルシュのソロHRで再び逆転(4-3)。9回表にホワイトソックスに同点に追いつかれるも、9回裏、ジャレッド・ウォルシュに再び、HRが出て(3ランHR)、エンゼルスが7-4で逆転勝ち。
エンゼルスはホワイトソックスとのオープニングシリーズを3勝1敗で勝ち越しました!
エンゼルスの次の相手はアストロズです。
追記:大谷選手、代打で登場し激走
足の状態が本当に大丈夫か心配だった大谷選手ですが、現地2021年4月5日のアストロズとのGame1に代打で登場。8回裏、3−4と1点ビハインドの場面で、アルベルト・プホルズとホセ・イグレシアスが連打で出塁し、反撃開始という場面での登場でした。
大谷選手は、ジョー・スミスから死球を受け、出塁してチャンスを拡げましたが、1塁に歩く際にジョー・スミスをにらみつけるシーンも。やはり今季の大谷選手は違いますね。一大センセーションを巻き起こしそうなオーラが出ています。
3塁まで進塁した大谷選手は、ジャレッド・ウォルシュの1塁へのボテボテの当たりで果敢にホームに激走。これが速かったですね!エンゼルスの逆転に大きく貢献しました。足も問題なさそうです!
序盤は0−4のスコアでさすがに負けるかと思われたエンゼルスですが、7-6で勝利。一番面白いゲームを演じています。楽しみですね。
大谷選手は、10日から始まるブルージェイズ戦のどこかで登板することになりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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