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【MLB2021】ディー・ストレンジ=ゴードンがレッズとマイナーディール!登録名変更は母へのトリビュート

ユーティリティーロールでの期待

 現地2021年2月7日、マリナーズからFAとなっていたディー・ゴードンこと、ディー・ストレンジ=ゴードン(Dee Strange-Gordon)がシンシナティ・レッズとマイナー契約を結びました。

 ゴードンは招待選手(NRI Non Roster Invitee)としてメジャーのスプリングトレーニングに参加します。

前の契約 

 マイナーディールとなったディー・ストレンジ=ゴードンですが、その前の契約は以下の通りでした。

5 年/$50M (2016-20) + 2021は$14Mのクラブオプション($1Mバイアウト)

 こちらは2016年1月に当時在籍していたマイアミ・マーリンズと調停を避けて延長契約で合意したもの。

  • サイニング・ボーナス:$1.5M
  • 支払い2016:$3M、2017:$7.5M、2018:$10.5M、2019:$13M、2020:$13.5M
  • 2021年のオプションは2020年に600PA(Plate Appearance:打席数)あるいは、2019年と2020年をあわせて1,200PAで保証。

 2017年12月にトレードでマイアミからシアトルに移籍。交換要員はプロスペクト達でした。マリナーズが上記契約を踏襲。

 オプション行使の条件ですが、2019年は421PA。

 2020シーズンは苦戦し、33試合で82PA。打率.200、OBP .268、SLG .213、盗塁3、RUNは12で、PAは82にとどまりました。

 仮に2020年分が162試合分に換算されたとしても遠く及ばずという数字でした。

シアトルはMのオプションを拒否

 よって、シアトルはディー・ストレンジ=ゴードンの2021年の$14Mのクラブオプションを拒否。FAとなっていました。

 今オフは2020年の成績が極端に悪いと、クラブオプションが拒否される傾向でしたから、ゴードンももれなくそれに該当ということに。

スピードはまだ健在

 ディー・ストレンジ=ゴードンと言えば、もう代名詞が盗塁でした。

  • 2014 NL  64 (1位): LAD
  • 2015 NL  58 (1位) : MIA
  • 2017 NL  60 (1位) : MIA
  • 現役  333 (1位)

 特にレッズのビリー・ハミルトンとの盗塁タイトルの争いはすごかったですね。そのビリー・ハミルトンがいたレッズに加入するとは。

 そして盗塁だけでなく、打撃も際立った成績をマークしています。

  • 最多三塁打: 12 (2014: LAD)
  • NL バッティングタイトル .333(2015: MIA)
  • RUN1位: 114  (2017)
  • 200安打達成: 205(2015)、201 (2017)
  • シルバースラッガー賞: 2015
  • ゴールドグラブ賞: 2015
  • オールスター2度(2014-15)

 ディー・ストレンジ=ゴードンは1988年4月22日生まれでまだ32才。シーズンに入ってすぐに33才となりますが、まだまだ足は健在です。

ユーティリティー・ロール 

 レッズのOFは秋山選手、ニック・センゼル、ニコラス・カスティヤーノスがメイン。

 内野は1Bにジョーイ・ボット、2Bにマイク・ムスターカス、3Bにユージニオ・スアレス。

 フレディー・ガルビスが抜けたSSには現時点では、22才のホセ・ガルシア、あるいはカイル・ファーマーが候補となっていますが、外部からの補強もまだ可能性があります。 

 内野、外野がこなせるディー・ストレンジ=ゴードンはIF・OFのユーティリティーとして起用される見込みです。レッズがSSをFA選手で補強できなければ、ゴードンのSS復帰も。ただ、これは可能性は低いかなとは思います。

ディー・ストレンジ=ゴードンに変えた理由

 2020年9月3日に、ゴードンはそれまでの”Dee Gordon(ディー・ゴードン”から、”Dee Strange-Gordon (ディー・ストレンジ=ゴードン)”に名前を変えました。これは登録名ですね。

 本名は、” Devaris Strange-Gordon (デバリス・ストレンジ=ゴードン)”。

母親へのトリビュート 

 慣れ親しんだ”Dee Gordon”からこのように変更したのは母親へのトリビュート(尊敬、敬意)の意味を込めて。オマージュでも同じ、尊敬という意味ですね。

母親は7才の時に亡くなる 

 お母さんのお名前は “DeVona Denise Strange(デヴォナ・デニス・ストレンジ” 。実は1995年、ゴードンが7才の時にお亡くなりになっています。 

 死因はボーイ・フレンドによる射殺という非常にショッキングなものでした。犯人は過失致死で5年間服役。ゴードンは父親と祖母に育てられました。

 ゴードンはグラブにお母さんのイニシャルである”DDS”を刻んでプレー。フィールドの内外で忘れることはないようです。

 なぜこのタイミングでの登録名変更だったのか?は明確ではありませんが、コロナ禍でみな何かしら自分を見つめる機会が出来たはずで、ゴードンも何か期するものがあったのでしょう。

 お母さんへの敬意、尊敬の表れ以外のなにものでもないようです。それにしてもお母さんとよく似ていますね。

チャリティー”Flash ofHope”を設立

 そのような辛い幼少期を過ごしたゴードンは家庭内暴力で両親が亡くなった子供たちを支援することを目的としたチャリティー”Flash of Hope”を設立。

 ゴードンはこの会を通じ、そういった子供たちを試合につれてきたり、プライベートではチャットを行ったりして寄り添っています。

 これは自身の経験から由来しており、寄り添う人がいなかったので相当辛い経験をしたようです。だから、同じ境遇の子どもたちに少しでもそのような思いをさせたくないという思いから熱心に活動をしています。

そもそも”Dee”も名称変更だった

 ちなみに”Dee”もかつては名称変更でつけた登録名。もともとは本名でプレーしていましたが、アナウンサーがひどく誤って発音したため、代わりに”ディー”にしたという経緯がありました。

Strange-Gordon (ストレンジ=ゴードン)は複合姓

 ストレンジ=ゴードンというのは複合姓で、父と母の双方の名字(ファミリーネーム)をあわせたもの。お母さんの姓が”Strange”です。

 複合姓というのは海外では割と普通に起こり得ます。

 複合性の日本語表記は間に”=”を入れるのだそうです。

 ディー・ゴードンはかつてPEDS使用で80試合のサスペンションがありました。2016年のことです。これは批判されてしかるべきですね。

 ただ、それを上書くほどの善行を実行しているのはとても真摯な態度だと思います。

 2021年はぜひとも活躍してもらいたいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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