2020年の素晴らしい成績が評価される
なかなかの朗報がもたらされました。
2020シーズン、24試合に登板し、3勝1敗、14セーブ、ERA1.78をマークし、SO9 13.1、BB9 1.1、HR9 0.4と文句なしの成績を上げたライアム・ヘンドリクス( Liam Hendriks)がホワイトソックスと合意しました。
調整が難しかった2020シーズン。投手、野手ともに調子を落とす選手が続出した中、一人、最高の成績を出し続けたライアム・ヘンドリクス。今回の契約はそれに対する敬意を感じさせるような内容となりました。
契約内容
現地2021年1月12日の段階ではまだオフィシャルではなく、フィジカル・チェック待ちですが、合意内容が伝わってきています。
- 3年/$54M保証(2021-2023)
バイアウトがサラリーと同じM!
特殊なのが4年目のクラブオプションの設定。4年目の2024年のサラリーは$15M。複数年でプラス1年のクラブオプションの額としては驚く金額ではありません。もっと高い選手はいます。
驚くのはバイアウトの金額。なんと、バイアウトも$15Mで、サラリーと同じ金額なのです!このような条件は初めて見ました。
バイアウトは球団側がクラブオプションを行使しない場合に途中解除の料金として支払う位置づけの金額なのですが、有名選手なら$1Mというところが相場です。
ジョン・レスターのケース
特殊な例としては2020年でカブスとの契約が終了したジョン・レスターのケースがあります。2021年はミューチュアルオプションでそのサラリーは$25Mでした。しかし、カブスはオプションの行使を断り、ジョン・レスターはカブスを退団。その更新しない場合のバイアウトが$10Mでした。
いかに特殊かというのがおわかりになるかと思います。
繰延払い
しかも素晴らしいのはその$15Mを10年間に渡って繰延払いにしていること。これはホワイトソックスにとっても資金の準備に余裕が出来ますし、なんと言っても本人が楽です。いつ故障するかわからないリリーバーにとって、成績ダウンによる突然の解雇で収入が途絶えるのは避けたいところ。そのリスクをカバーしてしまうのですから、気持ちに余裕が出てきますね。
繰延払いについてはザック・グレインキが先駆けですから、詳細は下記のリンクをご覧ください。
2018年7月にDFA→マイナーへアウトライト
2年前までリリーバーとしてone of themというくらいの存在だったライアム・ヘンドリクス。
2018年7月にトレードデッドラインに向けたロスター調整でDFAとなり、ウェーバーにかけられていました。結局、買い手がつかずクリアー・ウェーバーとなり、マイナーへアウトライト。
2018年は結局、9月にメジャーに復帰しましたが、それくらいに目立たない右腕でした。2018年からMLBはオープナーを採り入れるケースが増えましたが、ライアム・ヘンドリクスもオープナー時の先発に駆り出されるケースが目立ちました。
2019年にERA1.80
変わったのは2019シーズン。
このシーズンから明らかにベロシティーがアップ。実際、2018年の4シームの平均ベロシティーは94.7mphで、シンカーはそれより少し遅い93.2mphでしたが、2019年は4シームの平均ベロシティーが96.5mphで格段にアップ。シンカーは93.7mphでした。ちなみに2020シーズンの4シームは96mph。
平均で96mphでしたから、ゲーム中は99mph、98mph、97mphを叩き出すことも多かったです。とにかく速くなったという印象が数字にも出ていました。
もともとスライダーのキレはよかったので、ファストボールがキレている分、余計にその効果も絶大なものに。そして2019年、2020年の素晴らしい成績に繋がりました。
オーストラリア出身
プロフィールも少しだけ記載しておきます。1989年2月10日生まれ。2021年の2月の誕生日で32才となります。
ちなみに今回の契約の4年後の2024年は35才。35才でバイアウト$15Mですから、価値のある契約を結んだことになりましたね。
オーストラリア、パースの出身です。デビューは2011年、22才の時です。ここまでメジャー10シーズンを経験し、344試合、516.1 イニングに登板し、19勝27敗、40セーブ、ERA 4.10。奪三振は526。
ライアム・ヘンドリクスを得たホワイトソックス、念願のクローザーを得ました。2021年はますます強くなりますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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