レイズはドライだけではない!
レイズが資金力に乏しいことは周知の事実。
2020年の贅沢税上の40manロスターのサラリー計算でもMLB30クラブ中、27位で$89.9M。後塵にはオリオールズとパイレーツしかおりません。
それゆえにドライかというとそうでもありません。もっとも、34才の右腕、チャズ・ローが肘を傷めてマイナーへアウトライト、FAになったという事例もありますし、2020年のポストシーズンで大活躍したチャーリー・モートンの2021年のオプションを拒否したりと、チームに貢献したからと言ってすべてを報いることは出来ていません。
他のクラブ同様、あるいはそれ以上に年齢とサラリーをシビアに見ているところもあります。
ブレント・ハニーウェル・Jrは絶対にETAさせる
しかし、プロスペクトに関してはかなり丁寧に扱っているクラブだとも思うのです。その良い例が右腕のブレント・ハニーウェル・ジュニア(Brent Honeywell Jr.)の扱いに出ていると思います。
2017フューチャーゲームのMVP
ブレント・ハニーウェル・Jr.は1995年3月31日生まれの25才。2021年のオープニングには26才になる右腕です。ドラフトは2014年のレイズの2巡目指名。高校卒の右腕が2巡目で指名されたというのはかなりレベルが高かったということでもあります。
その期待通りにブレント・ハニーウェル・Jr.は3年をかけてトリプルAまで昇格します。2017年のことです。
上記の動画にある通り、2017年のフューチャー・ゲームにも出場。MVPを受賞しました。
計4度目となるメス
(1)2018年2月にUCL断裂が判明
とても順調だったブレント・ハニーウェル・Jr.ですが、2018年2月のスプリングトレーニングで肘の不調を訴えます。精密検査を行ったところ、2月22日にUCL(内側側副靭帯)が断裂していたことが判明。トミージョン手術を行い、2018シーズンを全休したのでした。
これがまず1度目のメス。
(2)2019年6月に、手術箇所を骨折!
ここからが痛ましいのですが、TJ手術から約1年3ヶ月が経過した2019年6月8日、リハビリはブルペンセッションにまで回復していました。
ところが!そのブルペン・セッションで手術した右肘の骨を骨折するという非常に痛ましいトラブルが発生。
手術後のジョイント部分」という痛ましさ
検査の結果、骨折したのはright medial epicondyleという場所で右内側上顆(みぎないそくじょうか:外部リンク)と呼ばれるところと判明。
要は、トミージョン手術でUCLをつなぎ合わせるために空けていた片側の穴が壊れたということです。UCL(内側側副靭帯)がくっついていた片側の骨が右内側上顆(みぎないそくじょうか)と呼ばれる箇所ですが、トミージョン手術はそれに穴を空けてUCLをくっつます。その穴が壊れてしまったというのは想像しただけでゾッとするような出来事ですね。
レイズが医療過誤で医者を訴えたかどうかは定かではありません。しかし、医者にとっても本人にとってもレイズにとっても非常に厳しい事故となってしまいました。
これが2度めのメス。
(3)TJ手術後に神経を移動
そして現地2020年5月21日(木)、トミージョン手術後の後処置の手術で神経を移動。これはトミージョン手術後、瘢痕組織(はんこんそしき)が炎症を起こし、痛みを発することがあるのでそれが発症しない箇所に神経を移動させるといいもの。詳細は下記の記事にて。
これが3度めのメス。
(4)関節鏡検査
現地2020年12月16日、今度はひじの違和感をケアすることを目的とした関節鏡検査を実施。こちらはケアの意味合いが強く、回復のプロセスに半ば必要な手順とのことです。
これで計4度目のメス。
2021ETAに影響を与えるものではない
そして、レイズは今回の4度目となった関節鏡検査は2021年のデビューに影響を与えるものではないとの見方を示しました。
2021年にデビューする前にマイナーでのデビューを経ますが、このまま行くとスプリングトレーニング中にマイナーで復帰するかもしれません。
2019年6月の2度めのメスから1年半(現地2020年12月19日時点)。スプリングトレーニングが始まる2月半ばで1年8ヶ月。リハビリプロセスが順調でトラブルがないのが大前提ですが、遅く見積もっても2021年6月にはメジャーのマウンドに上がることができるかもしれません。
レイズも慎重に見極めるでしょう。
そして復帰すれば、あのスクリューで空振りあるいは内野ゴロを量産することになるでしょう。楽しみに待ちたいと思います。そして焦らないでほしいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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