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【MLBフロント】メッツ新GMのジャレッド・ポーター氏は、ベースボールオペレーションが天職のような人(追記あり)

新オーナーのメッツ、新GMが決定

 現地2020年12月13日、ニューヨーク・メッツが新GMの就任を発表。現ダイヤモンドバックスでアシスタントGMを務めるジャレッド・ポーター(Jared Porter)氏に決まりました。

追記:

 現地2021年1月18日、ポーター氏は記者に不快なメールを送り続けていたかどで、解雇となりました。

人材に4年の時間を 

 ジャレッド・ポーター氏とメッツは4年契約で合意。

 現時点ではサラリーはわかりませんが、実績のあるGMで$4M-5Mが相場のようですから、初GMのポーター氏はやや下のレンジになるのではないかと思われます。

 クラブの社長、サンディー・アルダーソン氏(Sandy Alderson)と二人三脚でメッツのベースボール・オペレーションを回していくこととなりました。

 前GMのワゲネン氏はCAAというエージェント出身でしかも前オーナーのウィルポン・ファミリーと強い縁がありました。

 今回は分析に基づいた現場重視の人で、しかも何の縁もなく、実力と評判で現地位まで上り詰めた人ですから、真逆です。いい人材を選んだと思います。

ジャレッド・ポーター氏とは?

 ジャレッド・ポーター氏は誕生日が不明なのですが、複数のソースによりますと41才。非常に若いです。メッツのGMが決まる前のDバックスでのタイトル(肩書)は、Senior Vice President & Assistant General Manager。VPは副社長という意味ですが、実質部長のようなものかと思います。

  そのVPのトップだったということと、DバックスのGMであるマイク・へーゼン(Mike Hazen)の下でアシスタントGMに就いていました。

生い立ち 

 もともとはミネソタ州の出身で15才まで過ごしました。その後、家族でマサチューセッツ州に移り、同州の高校を出てメイン州のボウディン大学(Bowdoin College)を出ております。学生時代は野球とホッケーのキャプテンを務めるなど、アマチュア時代にプレーヤーとしての経験もあります。

リベラル・アーツで鍛えたクリティカル・シンキング

 ジャレッド・ポーター氏が出たボウディン大学ですが、こちらは私立のリベラルアーツの4年制の大学です。リベラル・アーツというのは最近よく聞く学問ですが、人文、社会科学、自然科学を横断的に学ぶことを基礎とする学問で、ポーター氏の専攻は歴史学。文系を横断しているだけでなく、しっかりと自然科学も入っているところがポイントです。

 今の日本にもそれを標榜している学校や学部はあるでしょう。そして、もしも似たような学部を上げるとすれば教養学部というのが近いでしょうか。

 リベラルアーツを学んだ人たちは、仕事において人気があります。なぜなら、ロジカルな部分に加え、芸術全般も学ぶという全脳を刺激するような教育を受けているだけでなく、クリティカル・シンキングもしっかりと鍛えられるからです。どの分野に進むにせよ、頭を使い続けることを習慣づけられているこれらの人々はたとえ障壁が現れても考え続け、へこたれないレジリエンスを持っている傾向があると。

 ちなみに、レッドソックスのハイム・ブルームさんは古代ギリシャの古典学を専攻しています。

 学位を持っていても考えない人もいますし、学位を持っていなくても考え続ける人もいます。その人によるところが大きい

Baseball Operation を極めたキャリア

 Dバックスで30代後半の若さでVP兼アシスタントGMを経験したジャレッド・ポーター氏は、ベースボール・オペレーションを全方位で経験したと言われています。

略歴

 略歴を記しますと、このようなタイトル。

  • 2004-2015 レッドソックス
    • 2004- インターンとしてレッドソックスに
    • 2006-07:  Player development assistant(選手開発のアシスタント)
    • 2008-09: スカウティング・コーディネーター
    • 2010-11: スカウトのアシスタント・ダイレクター
    • 2012-15: プロ・スカウティング・コーディネーター
  • 2016-2017 カブス
    • ダイレクター・オブ・プロフェッショナル・スカウティング及びスペシャル・アシスタント
  • 2017-2020 Dバックス
    • シニアVP兼アシスタントGM

4回のワールドシリーズ制覇を内部で体験

 上記の略歴でおわかりの通り、ジャレッド・ポーター氏は、レッドソックス時代の2004年、2007年、2013年にワールドシリーズ制覇をフロントオフィスの一員として体験。

 さらに、カブスにおいても2016年にそれを体験。

 選手としての体験ではありませんが、フロントオフィスとしてもなかなかこれほどの経験はできないと思います。

 ジャレッド・ポーター氏は、セオ・エプスタイン氏の在籍と重なります。エプスタインがレッドソックスのGMロールにいたのが2002年から2011年まで。その後、2012年から2020年まではカブスに在籍。当然、ジェド・ホイヤー現カブスGMとも面識があるでしょうし、その意味で分析力は非常に磨かれたことでしょう。

スカウト経験に強み

 ジャレッド・ポーター氏のキャリアでもっとも長いのはなにかと言えば、スカウトになるかと思います。

 選手を見る目、数字の分析力、そして経験値。まさにリベラルアーツの本領が発揮された仕事ぶりかと思います。

 そして何より野球への強い情熱はエンゼルスの新GMとなったペリー・ミネイジアンと重なるものがあります。彼も野球が大好きなGMです。

 なお、ジェド・ホイヤーはエンゼルスのGMセレクションでファイナルまで残った人材でした。

 とにかく、野球を面白くしてくれそうな人が要職に就いたのはファンとしても喜ばしいところですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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