2018NLCSのライバルを獲得へ
ノンテンダー・デッドラインの日に書ききれなかったトピックです。これはかなり重要なディールになるはずなので、今後のためにも記載しておきたいと思いました。
現地2020年12月2日、ロサンゼルス・ドジャースはトレードでミルウォーキー・ブルワーズのコーリー・クネイブル(Corey Knebel )を獲得しました。
2020シーズン、ワールドシリーズ制覇を成し遂げたドジャースですが、ここ数年強化すべきはブルペンでした。今季は早々に手をつけたことに拍手を送りたいくらいです。
トレード詳細
ドジャースGET
- コーリー・クネイブル(Corey Knebel )29才/RHP
ブルワーズGET
PTBNL(後日指名の選手) もしくはキャッシュ- レオ・クロフォード( Leo Crawford 24才) LHP
- フューチャー・コンシダレーション
ドジャースはキャッシュで片付けたいところですが、ブルワーズはプロスペクトが枯渇。両者の駆け引きが今後も見ものです。
追記あり
現地2020年12月02日、PTBNLが決まりました。24才の左腕のレオ・クロフォードです。ニカラグアの出身。マイナー5シーズンで33勝26敗。
ノンテンダーからトレードに
ブルワーズは当初、コーリー・クネイブルをノンテンダーFAとする予定だったようです。そういう噂も出ていました。しかし、デッドラインの前に今回のトレードが成立。よってコーリー・クネイブルは調停の資格を有してドジャースと交渉ということになりそうです。
ちなみに2020年のサラリーは1年/$5.125Mでした(日割り前のフルサラリーの額です)。
コーリー・クネイブルとは?
2017年、2018年のナ・リーグに詳しい方なら彼の名前はご存じですね。糸を引くようなファストボール、甘いマスク、そして特徴的なスペルとどう呼んでいいかわからない発音(笑)。
表記ゆれ
Knebelという表記なので、当初、筆者はKはサイレントレターで読まないのかと思っていました。しかし、実況では「ク」とはっきり発音するのが、彼の正式な発音のようです。Baseball Referenceさんでも、発音表記は” \kuh-NAY-bull\”。これを日本語に直すと「クネイブル」。「クネーベル」と記載する方が日本語としてはすっきり入ってきそうですが、実況発音に可能な限り近づけたいスタンスの当ブログは、「クネイブル」と記載させていただきたいと思います。
トミー・ジョン明け
コーリー・クネイブルは2019年開幕直前の3月下旬にUCLの損傷が発覚。結局、トミー・ジョン手術となり2019シーズンを全休しました。
苦しんだ2020シーズン
そして2020シーズンはトミー・ジョン明け初のシーズンとなったわけですが、苦しんでしまいました。
7月24日のブルワーズの開幕戦から登板。この時点でトミー・ジョン手術から約1年4ヶ月ほどでの復帰マウンド。2017年、2018年に酷使されたので、ちょっと復帰は早いかと思われましたが、ショートシーズンで2ヶ月しかないことから開幕から出場となりました。
今季は15試合に登板して13.1イニング。平均して1試合当たり0.87イニングなので抑え気味の起用ではありました。
しかし、13.1イニングで被安打15、失点9、自責点9という内容でERAは悪化し、6.08に。奪三振は15でかろうじてイニング数を上回りましたが、本来の投球とはほど遠い出来でした。
ベロシティー・ダウンもドジャースは復活を信じる
投球の内容でもっとも顕著な変化があったのはファストボールのベロシティー・ダウン。今季の4シームのアベレージは94.3mph。ピークだった2017年のアベレージ、97.3mphを3マイルほど下回る数字に。
この当たりがやはりトミー・ジョン手術の影響が出ており、やや早い復帰が災いしたのかと見ています。
なおカーブのベロシティーは78.1mphと手術前の81-82mphよりブレーキは効いていました。あとの持ち球はスライダーとチェンジアップとシンカー。球質がカットボールのような動きをしているように見えるのが特徴です。なお、持ち球にカットボールはありませんが、ナチュラルに動いているように思います。
非常に苦しんだ2020シーズンを過ごしたコーリー・クネイブルを獲得してドジャースは大丈夫か?という見方もありそうですが、肘がヘルシーなままであれば、手術からの復帰2シーズン目はベロシティーも上がってくるとは思います。よって、ドジャースもそこを見込んでの獲得ということに。
2017シーズンに76試合
前後しますが、コーリー・クネイブルは2013年ドラフトのタイガース1巡目指名の投手。デビューはドラフト翌年の2014年。タイガースでのデビューでした。
2014年のトレードデッドラインでタイガースがホアキム・ソリアを獲得したトレードでジェイク・トンプソンとともにレンジャーズへ移籍。
2015年1月に、当時ブルワーズ在籍であったヨバニ・ガヤードを獲得したトレードで、レンジャーズからブルワーズへ移籍。以降ブルワーズで投げていました。
なお、レンジャーズでは登板はなく、タイガースから移籍後のメジャーでの登板は2015シーズンからです。
圧巻だったのは2017シーズン、25才のときに76試合に登板。これがのちにトミー・ジョン手術への布石となります。このシーズンのERAは1.78!39セーブを上げました。これでメジャーに名前が知れ渡りましたね。
2017年8月はNLリリーバー・オブ・ザ・マンスを受賞。
2018ポストシーズンERAが0.90
そして印象深かったのが2018シーズンです。このシーズンは57試合に登板。16セーブを上げ、ERAは3.58。9月にはNLリリーバー・オブ・ザ・マンスを受賞。
シーズンは前年の素晴らしい活躍よりはやや落ちてしまったものの、ポストシーズンのピッチングが見事でした。
ブルペンの柱と目されていたジェレミー・ジェフレスが今ひとつ安定していなかった中、コーリー・クネイブルが登板し、見事に火消しというシーンが何度もありました。
2018年のポストシーズンは9試合、10.0イニングに登板し、被安打がたったの2!失点は1できわどいコースが要求される場面でもBBがたったの3。奪三振は14を数えました。
そしてNLDS、NLCSを合わせたERAがなんと0.90。
この時、NLCSで対戦していたのがドジャースですね。
2018NLDS記事一覧
2018NLCS記事一覧
- 10/12 LAD 5-6@MIL
- 10/13 LAD 4-3 @MIL
- 10/15 MIL 4-0 @LAD
- 10/16 MIL 1-2 @LAD
- 10/17 MIL 2-5 @LAD
- 10/19 LAD 2-7 @MIL
- 10/20 LAD 5-1 @MIL
ドジャースのブルペン
今オフ、ドジャースのブルペンでFAとなったのは以下の選手たちです。
- ブレイク・トライネン(32)/RHP/ RR
- 1年/$10M (2020)→10/28 FA
- ペドロ・バイエス(33) /RHP/ RR ※2020は調停年($4M-$3.5Mだったが詳細は不明)→10/28 FA
- ジェイク・マギー(34)/ LHP/ LL
- 3 年/$27M (2018-20) + 2021 $9MクラブOpt($2M バイアウト) 実行するため基準となる成績あり→10/28 FA
- ジミー・ネルソン(31)/RHP/RR
- 1年/$1.25M (2020) + 2021 $2MクラブOpt ($0.5Mバイアウト)→オプション行使せず。※2020は腰の手術で全休。
現時点のドジャースのブルペンの布陣は復活の兆しのあるケンリー・ジャンセンがクローザー、2021年もおそらくブルペンでの起用が見込まれるブラスダー・グラテロル、ジョー・ケリーに加えてコーリー・クネイブルが加わりました。
ドジャース、後はレフティーのブルペンも獲得すると思われます。ここはとにかく数も揃えたいところなので、今回のノンテンダーでFAとなった左腕を獲りに行くのではないかと思います。贅沢税に余裕があれば、同じくブルワーズからノンテンダーFAとなったアレックス・クローディオ当たりが狙い目かもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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