新鮮な顔ぶれが並ぶ
Your 2020 AL & NL Gold Glove winners 🏆🧤 pic.twitter.com/KUFuUOBeJq
— ESPN (@espn) November 4, 2020
MLBアウォードの季節がやってきました!ここから2周間ほどはBBWAA(The Baseball Writers’ Association of America:全米野球記者協会)選出のAwardが目白押しです。
トップページにも書かせていただいていますが、ご覧のスケジュールです。
- 現地 11/2 : BBWAA Awards(MVP/CY Young/ROY/MOY) finalists発表
- 現地 11/3 : ローリングス・ゴールドグラブ賞
- 現地 11/4 : ウィルソン・ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー
- 現地 11/5 : ルイビル・シルバースラッガー賞
- 現地 11/9 : ROY 発表
- 現地 11/10: MOY発表
- 現地 11/11 サイ・ヤング賞発表
- 現地 11/12 MVP発表
現地2020年11月3日はローリングスのゴールドグラブ賞の発表の日。
ゴールドグラブ賞とは?
ゴールドグラブ賞とは?ということに関しては下記の2018年の受賞者発表の記事で詳しく書かせていただいています。ぜひご覧ください。
では早速、2020シーズンの受賞者を見ていきたいと思います。新鮮な顔ぶれが目立ちます。言い方を変えれば意外!な顔ぶれ。
ア・リーグ受賞者
C: ロベルト・ペレス(Roberto Pérez)/インディアンス(2)
1B: エバン・ホワイト(Evan White) /マリナーズ(1)
2B: セイザー・ヘルナンデス(Cesar Hernandez)/インディアンス(1)
3B: アイザイア・カイナーファレファ(Isiah Kiner-Falefa)/レンジャーズ(1)
SS: J.P. クロフォード(J.P. Crawford)/ マリナーズ(1)
LF: アレックス・ゴードン(Alex Gordon)/ ロイヤルズ(8)
CF: ルイス・ロバート(Luis Robert )/ホワイトソックス(1)
RF: ジョーイ・ギャロ(Joey Gallo)/ レンジャーズ(1)
P: クリフィン・カニング(Griffin Canning)/エンゼルス(1)
ナ・リーグ受賞者
C: タッカー・バーンハート(Tucker Barnhart)/ レッズ(2)
1B: アンソニー・リッゾ(Anthony Rizzo)/ カブス(4)
2B: コルテン・ウォン(Kolten Wong)/カージナルス(2)
3B: ノーラン・アレナド(Nolan Arenado/ロッキーズ(8)
SS: ハビアー・バイエス(Javier Báez)/ カブス(1)
LF: タイラー・オニール(Tyler O’Neill) / カージナルス(1)
CF: トレント・グリシャム(Trent Grisham)/ パドレス(1)
RF: ムーキー・ベッツ(Mookie Betts)/ドジャース(自身5度目)
P: マックス・フリード(Max Fried)/ ブレーブス(1)
ノーラン・アレナド、8年連続受賞
まずは偉大な功績からということで、ロッキーズの3Bのノーラン・アレナドが8年連続で受賞となりました。おめでとうございます!
ノーラン・アレナドはデビューイヤーの2013年からずっと受賞していることになります。8年連続受賞はカージナルスのヤディアー・モリーナが2008年から2015年までの8年連続と並びました。なお、モリーナは間が飛んで2018年にも受賞しているので計9度の受賞です。
NL連続受賞の最多はもちろん、オジー・スミス!
なおナ・リーグの連続受賞記録としては元カージナルスのオジー・スミスの1980年から1992年までの13年連続受賞というしきい値を超えている記録が残っています。
MLB全体ではブルックス・ロビンソン!
蛇足ながら、連続受賞記録の最多記録はオリオールズで1955年から1977年まで活躍したブルックス・ロビンソン(Brooks Robinson)の持つ16年連続というのがあります。ブルックス・ロビンソンはオジー・スミスの前の世代の選手になり、1960年から1975年まで連続して受賞しました。この時代のことですから、人の主観の要素もあったとは思います。とは言え、16年連続はすごいですね。
ムーキーも5年連続受賞
そして今季からドジャースに移籍したムーキー・ベッツも受賞。ナ・リーグでは初受賞ですが、個人の連続受賞記録としては5年連続となります。
感想
全体としての感想ですが、ア・リーグは捕手のロベルト・ペレスとLFのアレックス・ゴードン以外は初受賞となりました。非常に新鮮な顔ぶれですね。
そもそもタティス・ジュニアが入っていなかった!
あたりまえのように今季のナ・リーグのSSはフェルナンド・タティス・ジュニアだと、たかをくくっていた筆者ですが、フェルナンド・タティス・ジュニアはそもそもファイナリストにも入っていませんでした。ファイナリストはご覧の選手たち。
- ハビアー・バイエス(CHC) /エラー: 8/ フィールディング% .968
- ミゲル・ロハス(MIA)/ エラー:3/ フィールディング% .982
- ダンスビー・スワンソン(ATL)/ エラー: 2/ フィールディング% .991
あれだけ、華麗な守備を見せたのにどうして?とやはり疑問に思ったので、フィールディング%を調べたのですが、フェルナンド・タティス・ジュニアは、エラーが3で、フィールディング%が.984で、守備率から言えばハビアー・バイエスよりタティス・ジュニアの方が上で、なおさらタティス・ジュニアが入らない理由にはなっていないのですね。なぜファイナリストにも漏れたのかは不思議でなりません。
守備率だけを見ると、ダンスビー・スワンソンの一択にはなります。
SSの場合、難しい当たりにもチャレンジしていると、エラーでないものがエラー判定されたりすることがあるので、守備率1.000というのはありません。
よって、プロのSSとして難しい当たりにも果敢に挑んで行く姿勢をもったSSが選ばれたなら、それで全く問題ありません。ただ、その基準で選んでも、やはりフェルナンド・タティス・ジュニアが入っていないというのはどういうことなのか?と思い、簡単に調べてみました。
ゴードンの花道
ロイヤルズのアレックス・ゴードンが引退イヤーにGG賞を受賞したというのはよいお話ですね。
バーンハート、久しぶり
ナ・リーグ捕手はレッズのタッカー・バーンハートが2017年以来の受賞となりました。
フィリーズはトレードで出したJ.P.クロフォードがALのSSで受賞。さらに2Bには前年にノンテンダーFAにしたセイザー・ヘルナンデスが入るというなんとも辛い結果になっています。セイザー・ヘルナンデスは今季は打撃でも二塁打を20本も放ちましたから、ノンテンダーあってのこの結果かもしれませんね。
追記:プラチナも決定!
現地2020年11月6日、GG賞中のGG賞、あるいはベストオブGG賞とも言えるPlatinum Gloveも決まりました。
ア・リーグはアレックス・ゴードン(KCR)、ナ・リーグはノーラン・アレナド(COL)です! おめでとうございます!
Your 2020 Rawlings Platinum Glove Award Winners! Congratulations to Nolan Arenado and Alex Gordon! #TeamRawlings @Rockies @Royals pic.twitter.com/uaerd66H9m
— Rawlings Baseball (@RawlingsSports) November 6, 2020
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
はじめまして。
いつも楽しく拝読しています。
今季は同地区同士中心にカードが組まれ、他地区でのプレーを目にする機会が少なかったために、GG賞の選考は各種守備指標重視で行われたようですね。
SS部門でTatis Jr.がファイナリストにすら名を連ねていなかった件ですが、他のポジションも含めて見てみますと、今回はその各種守備指標の中でも明らかにDRS重視で候補を絞ったためではないかと思います。
ですので、個人的には寧ろStoryが漏れていたことに驚きました。
(StoryではなくRojasが残ったのはUZRを一律の試合数で換算したUZR/150において頭一つ抜けていることでしか説明がつかないと思われます。)
いずれにせよ、各種守備指標を重視して選考するならば、もう少しその基準を明らかにしてもらいたいですね。
Afu様
はじめまして。
コメントをありがとうございました。
とても丁寧な考察で、勉強になりました。ありがとうございました。
GG賞も主観の要素を拝する方向に努力しているのだけはわかりますね(笑)。
また色々とご教示いただければと思います。
ありがとうございました。