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【WS2020-Gm4】「何たる終焉!」レイズ、あり得ない劇的サヨナラで2勝2敗のタイ!アロウザリナがHRレコードの9本目

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 現地2020年10月24日、日本時間の25日はMLBを楽しめる今年最後の週末となりましたが、まさかこんなゲームが見られとは思いませんでした!

 ドジャース@レイズのワールドシリーズGame4は、ドジャースが2勝1敗でこのゲームを勝てば1988年以来のワールドシリーズ・チャンプに王手をかけようかとゲーム。先発はNLCS Game7で終盤の3イニングを見事に締めたフリオ・ウリアス。勢いがあります。

 しかし、最後に微笑んだのはレイズでした!

 一方のレイズは3本柱のグラスノー、スネル、モートンを欠くローテーションの谷間。困った時に稼働してくるライアン・ヤーブローの先発で始まりました。

戦前:どう考えてもレイズ不利のゲーム

 レイズ打撃陣はランディー・アロウザリナに当たりは出ていても、ドジャース投手陣に打線を分断されてしまっているのがこのワールドシリーズの苦しさのポイントです。

 レイズにとっては誰が投げてもある程度の失点を覚悟せねばならぬゆえに、打撃でドジャース投手陣を粉砕しなければ勝ち目はありません。しかも、先発はポストシーズンでいい投球を続けているフリオ・ウリアス。

 かなり八方塞がりの中、このままワールドシリーズは終焉してしまう雰囲気がありながら始まったゲームに期待をもたせてくれたのは投手の中のユーティリティーのライアン・ヤーブローでした。

序盤:ヤーブロー、4回途中2失点でゲームメイク

 レイズにとってはヤーブローがゲームを崩しさえしなければそれで御の字。

ターナー、シーガーに被弾

 そのライアン・ヤーブローですが、1回表に2アウトまで奪うも、ジャスティン・ターナーに第一打席でHRを許し、まずは0-1のスコアから始まりました。ジャスティン・ターナーは2試合連続で1回にHRを放ちました。

 ヤーブローは2回表には先頭のウィル・スミスにシングルを許すも、コディー・ベリンジャー、A.J. ポロック、クリス・テイラーを抑えて無得点に。

 3回表、ここでも2アウトまで奪ったのですが、左打者のコーリー・シーガーにワールドシリーズ2本目のHRを許し、スコアは0−2。もったいなかったですね。つづくジャスティン・ターナーにはシングル、マックス・マンシーには四球と危ない場面となりましたが、ウィル・スミスをうまく打ち取り、このイニングはシーガーのHR1本のみ。

 4回表、1アウトを奪うも、A.J.ポロックに二塁打を打たれたところで、クリス・テイラー、キケ・ヘルナンデスと右打者がつづくことから降板。

 ヤーブローは3.1イニングで被安打5、失点2、与四球1、奪三振1、被本塁打2。80mph台後半のファストボールで大健闘したと言っていいと思います。4回で0-2ならどうにでもなるスコアだったのがよかったですね。

4回:アロウザリナが反撃の狼煙のPS9号HR

 3回までフリオ・ウリアスに6三振を喫していたレイズ打線ですが、反撃の狼煙を上げたのは、やはり中心打者のランディー・アロウザリナでした。

 4回裏、先頭打者のランディー・アロウザリナはフリオ・ウリアスのアウトコースの4シームに初球から対応。これがライトスタンドに入るHRとなり、1-2と反撃開始。 

HRは新記録!安打数はタイ!

 アロウザリナはこのHRでポストシーズン通算9本目。メジャーレコードを達成しました。なおこのゲームでは3安打を放っていますので、ポストシーズンの通算安打数は26に。これで2014年にパブロ・サンドバルが達成したポストシーズン最多安打26にも並びました。

5回:レンフローが追撃のHR

 ヤーブロー降板後に、頼りになるサイドワインダーのライアン・トンプソンを起用したレイズ。もう少しイニングを引っ張るのかと思いきや、4回でアウト2つを奪ったところでスイッチ。5回からは100mphのピート・フェアバンクスを起用。

 ピート・フェアバンクスはイニングの先頭を打ち取るも、コーリー・シーガーにシングルを許し、さらにワイルドピッチで2進させたあと、マックス・マンシーに2塁打を打たれて追加点を許しました。これでスコアは1-3。なおマンシーはスライディングの勢いが余ってウィリー・アダムスともつれる形となり、ベースから足が離れてアウトに。フェアバンクスは二次災害は抑えました。

 得点を入れられた直後の5回裏、イニング先頭のハンター・レンフローがフル・カウントまで粘ってフリオ・ウリアスの95mphの4シームを強振。これがHRとなり、レイズは勇気の出る一発で2-3と1点差ゲームにします。

6回:ディエゴ・カスティーヨは荒れ気味

 ケビン・キャッシュ監督のこの日のリレーはとにかく早め。クローザーのディエゴ・カスティーヨを6回から投入。しっかり抑えて攻撃につなげたいところでしたが、カスティーヨは力み気味で、四球2つを与えたあと、キケ・ヘルナンデスにタイムリー二塁打を打たれ、レイズはまたもや2点差に(スコアは2-4)。

6回:ブランドン・ラウが逆転3ラン

 そしてますますレイズに勇気を与えたのは6回裏の攻撃でしょう。なおフリオ・ウリアスは5回2アウトで降板。被安打4、失点2、被本塁打2、与四球1、奪三振が9でした。フリオ・ウリアスからリレーされたのは復活したブレイク・トライネン。6回も引き続きマウンドに上がりましたが、レイズ打線に逆転の種をまいてしまいました。

 レイズは先頭のランディー・アロザリナがシングルで出塁。チョイが四球を選び、マニュエル・マーゴットの打席でオースティン・メドウズを代打に起用。しかし、三振を喫し1アウト。

 ドジャースはここで右腕のペドロ・バイエスにスイッチ。この場面はブランドン・ラウのあとは右打者が続くことから、トライネンを交代させる必要があるのか?とも思いましたが、ロバーツ監督は右腕のペドロ・バイエスを起用。

 ペドロ・バイエスは初球、チェンジアップから入ったのは良かったと思ったのですが、やや単調な攻めに。チェンジアップを3球、4シームを2球続けたその2球目、ブランドン・ラウにしっかり対応され、左中間スタンドに入る逆転3ランHRに。投手交代は結果論になるのでなんとも言えないですが、左腕のジェイク・マギーもいたのにとは思いました。

 レイズはこれでこの試合初めてのリードとなる5-4と逆転。この3ランHRはお大きかったですね。

7回:アーロン・ループ、この日は1人だけ機能

 ドジャースが左の上位断線に回ることで、ケビン・キャッシュ監督はGame2で機能したアーロン・ループを起用。

 しかし、アーロン・ループは左のコーリー・シーガーにシングル、ジャスティン・ターナーに2塁打を許し、ノーアウトでランナー2、3塁のピンチを迎えます。アーロン・ループはつづくマックス・マンシーを三振に打ち取り、1アウト。コディー・ベリンジャーが後ろに控えていましたが、ループはここで交代。

 レイズはこの場面でニック・アンダーソンを起用。よい投手をどんどん使う作戦でした。

 ニック・アンダーソンはウィル・スミスを三振に打ち取り、2アウト。ここでベリンジャーを迎えましたが、レイズは申告敬遠。これで2アウト満塁。ポロックの打席でしたが、ロバーツ監督は左のジョク・ピダーソンを起用。ニック・アンダーソンは初球、ストライクを奪うもその後3ボールとなった時点で勝負ありでした。ピダーソンはRF前シングルを放ち、シーガーとターナーの二人が還り、ドジャースに5-6と逆転を許してしまいます。なおレンフローの送球で3塁への進塁を試みたベリンジャーをアウトにし、2失点で済ませました。

7回:ケビン・キアマイアーが同点HR

 7回裏、ドジャースのマウンドは引き続き、ペドロ・バイエス。レイズは1アウト後、ケビン・キアマイアーがストライクを取りにきたチェンジアップを叩き、これがRFスタンドに入る同点HR。6-6となりました。

 レイズはヤンディー・ディアスが四球、代走にジョーイ・ウェンドルを起用。バッターはランディー・アロウザリナという押せ押せの場面でしたが、アロウザリナはダブルプレーに倒れ、勝ち越しとはなりませんでした。

 8回表、レイズは引き続きニック・アンダーソンがマウンド。先頭のクリス・テイラーに二塁打を許し、またしてもピンチを作ります。その後、2アウトまで奪うもバッターはコーリー・シーガー。もうHRだけは絶対にだめという場面でそれでもなんとか打ち取ってもらいたかったのですが、シーガーの打球はSSとLFの間に落ち、これで二塁ランナーのテイラーが還り、ドジャースが再び、勝ち越し。スコアは6-7に。

 レイズはここでジョン・カーティスにスイッチ。なんとか後続を抑えました。

 レイズは8回裏、先頭のチョイが四球で出塁。2アウトを奪われたところでドジャースの投手はブラスター・グラテロルに。その代わりばな、ウィリー・アダムスがシングルで出塁。スコアリングポジションにランナーを進め、ピンチランナーにWSロスターでホセ・アルバラードに代えて追加したブレット・フィリップスを起用するも、ハンター・レンフローが凡退し、無得点。もはやここまでかと思われました。

 9回表はジョン・カーティスが引き続き、上がりました。これはもう1点覚悟だと思いましたが、無失点に。これが9回裏にいい影響を与えます。

8回:筒香は三振

 9回裏、ドジャースのマウンドはケンリー・ジャンセン。レイズは捕手のマイク・ズニーノの打順でしたが、ここで筒香選手を起用。イニングの先頭で出してもらえるのは期待されている証拠。しかし、筒香選手は三振に捕られ1アウト。

9回:レイズ、ミラクルを起こす!

 1アウト後、ケビン・キアマイアーはCFへシングルヒット。これが効きましたね!

 ジョーイ・ウェンドルが倒れて2アウトとなり、打席はランディー・アロウザリナ。ドジャースは2アウトランナー1塁だったので敬遠という策もあったと思いますが、勝負に出ました。1点も与えたくないのか、1点覚悟でもよいのかで随分違ってきますね。

 ランナーを貯めたくなかったのに、ケンリー・ジャンセンはギリギリのところでアロウザリナに四球。敬遠でも同じことでしたが、レイズに期待を持たる時間を与えたという点で申告敬遠されたときの落胆ぶりとは気持ちの面で随分違うことになりました。

 打席は前のイニングでピンチランナーに出たブレット・フィリップス。ブレット・フィリップスはワイルド・カードシリーズとALDSではロスターINしましたが、2打数0安打でALCSではロスターから漏れました。

 しかし、ケビン・キャッシュ監督はワールドシリーズのロスターに再び追加。Game2にも出場しましたが、ピンチランナーと守備のみ。

 つまりブレット・フィリップスは2020年がポストシーズン初出場で、しかもヒット無し。

 本当ならここで筒香を出してもらいたかったところではあります。しかし、ケビン・キャッシュ監督の采配は当たりましたね。ロスターINにさせた時点でなにか見えていたのでしょうか!?

  ただ、アウトローに2ストライクを決められた時点で終わったと思いました。実際はボールでしたが、これは対応できないと。

 ところがその直後、ケンリー・ジャンセンが次に投げたボールは真ん中からインコースにやや動いたのですが、ブレット・フィリップスはこれに対応。見事にCF前にクリーンヒット。これで2塁ランナーのケビン・キアマイアーが還って、レイズは土壇場で同点に。

 1塁ランナーのアロウザリナの走塁が目に入ったのか、CFのクリス・テイラーが捕球をファンブル。これを見てアロウザリナは一気にホームインを試みますが、クリス・テイラー、マックス・マンシーのリレーが機能。アロウザリナはホーム手前、5mほどのところで捕手のウィル・スミスにボールが渡りましたから、タイミングは完全にアウト。

 しかし、アロウザリナがホームに来ることを予期したウィル・スミスがタッチを試みたところ、空振りに。遠心力のある動きによりミットに納まったボールがまさかこぼれ落ちて、転々とする間にアロウザリナがホームイン。

 なんという結末でしょうか!

 攻撃では打球が正面に飛んだり、守備では打ち取った当たりがポトリと落ちたりしてハードラックが続いていたレイズに最後は勝利の女神がこれでおあいこねと言わんばかりのアクシデントを用意しました。

 レイズが最後の最後で8-7で勝利。シリーズを2勝2敗のタイとしました。

Game5:レイズ、モメンタムを掴むか?

 もうドジャースが1敗のみで押し切るか?と思われた今回のワールドシリーズですが、この1プレーでレイズに風向きが変わりそうです。

 レイズはこのあと、グラスノー、スネル、モートンと続きます。ここからが自力の勝負ということになるのでしょうか?先発が機能すれば、レイズはかなり面白い戦いができそうですね。

 ドジャースはブルペンと投手交代のタイミングでしょうか?レイズに風向きが変わりそうな雰囲気を変えることができるでしょうか?注目ですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

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