2003年にWSチャンプとなって以来
レギュラーシーズンが残り3試合となった現地2020年9月25日、ナ・リーグ東地区2位のマイアミ・マーリンズがポストシーズン進出を決めました。
マーリンズがポストシーズン進出を決めたのは、「パッジ」こと、野球殿堂入りとなったイバン・ロドリゲスや、デレク・リー、あるいはジョシュ・ベケットらを擁してワールドシリーズ・チャンプとなった2003年以来のことです。
前年105敗
まさか前年105敗のマーリンズがここまで良い勝ち上がりをするとは、失礼ながら驚きを禁じえません。
- 2019: 57-105 (5位)
- 2018: 68-98 (5位)
- 2017: 77-85 (2位)
- 2016: 79-82 (3位)
補強が効いた
ただ、シーズン前の補強が効いたのは事実です。
- ブラッド・ボックスバーガー(Brad Boxberger/KCR→CIN-Minor-WSH-Minor)RHP: マイナー契約 02/14/2020
- マット・ジョイス(ATL)LF: サイン 02/03/2020
- コーリー・ディッカーソン(PHI) LF: MIAと2年17.5Mでサイン 12/28/2019
- ブランドン・キンツラー(CHC)RHP: 1年/$3.25M (2020)+ 2021 クラブoption 02/03/2020
- ヘスス・アギラル(TBR): ウェーバーでクレームオフ 12/02/2019
最大の壁、ヤンキース戦で達成
ずっと好位置につけていたマーリンズですが、9月20日のナショナルズとのダブルヘッダーのGame2で敗れて以来、ブレーブスにも4ゲームシリーズで3連敗を喫し、大事なところで痛恨の4連敗。23日時点で貯金を使い果たし、勝率5割となり、このままズルズルと行くかと思われました。
というのも次のカードはヤンキースとの3連戦が控えていたからです。
24日、ブレーブスとのGame4がキーに
しかし、24日のブレーブスとの最終戦でパブロ・ロペスが5回を無失点に抑える好投を見せ、打線もルーキーのイアン・アンダーソンを打ち込み、なんとか1勝。これで貯金1とし、グンと楽になりました。
NYY戦、序盤のリードを追いつかれるも延長で粘り勝ち
迎えたヤンキースとのシーズン最後の3試合。その25日のGame1で、ギャレット・クーパーがヤンキース先発のJ.A. ハップより、3ランHRを放ち、電光石火の3点先取を実現。優位にゲームを進めました。
しかし、そこはヤンキース。そうは簡単に食い下がりません。3回裏、2アウトからD.J.ルメイヒューの四球をきっかけに、アーロン・ジャッジとアーロン・ヒックスの2連続二塁打で2点を奪い、スコアは3−2に。
さらに終盤8回裏、先頭のゲイリー・サンチェスがシングルで出塁。その後、2アウトを奪われながらも、アーロン・ジャッジが同点シングルを放ち、ついに3−3のタイスコアに。
ヒガシオカ、ランダウンプレーで送球ミス
延長10回、タイブレーカーでノーアウトランナー2塁からスタート。マーリンズは送りバントを使い、1アウトランナー3塁に。
つづく、スターリン・マルテは前進守備のSSへ真正面のゴロ。これで三塁ランナーのモンテ・ハリソンが三本間に挟まれるランダウン・プレーとなりますが、ヤンキースの捕手、カイル・ヒガシオカがせっかく追い詰めたランナーに送球を当ててしまい、アウトに出来ず。これで1アウトランナー2・3塁に。
つづくヘスス・アギラルがRFへキッチリと犠牲フライを放ち、マーリンズが4−3と勝ち越しに成功。
マーリンズ、10回裏、1アウト満塁の大ピンチを凌ぐ
10回裏、ヤンキースは先頭打者が四球で出塁し、ノーアウト1・2塁の大チャンスも、カイル・ヒガシオカがバントを打ち上げてすすめることが出来ず。また、クリント・フレイジャーが四球で歩き、1アウト満塁で、打率トップのD.J.ルメイヒューに回るも、ルメイヒューは6-4-3のダブルプレーで終幕。
マーリンズがやっとの思いで勝利を上げ、めでたくポストシーズンのクリンチを決めたのでした。
非常に面白いゲームとなりました。
集団免疫が出来たか?
2020シーズンでMLBで初めてクラスターを出したのはマーリンズ。開幕直後の8月初旬に選手、コーチを含めた21名がテスト陽性反応。原因は、現地7月22日のブレーブスでのエキジビション・ゲーム後に行動のプロトコルをやぶって少なくとも1人の選手が外出し、クラブ内に感染が広がりました。
なんとも迷惑な話なのですが、マーリンズが7月27日から8月3日まで約1周間強、ゲーム延期を余儀なくされました。これは対戦相手にも影響しましたね。
ゲーム再開後、5連勝
一方、この後は各クラブで感染者が出るなど東地区も選手のケアに苦労する中、マーリンズはすいすいと勝っていきました。
8月4日の再開からなんと5連勝。7月最後のゲームにも勝っていたので、6連勝を達成。
まるで集団で免疫が出来ていたかのような復調ぶりでした。不思議でしたね。
実はシーズン全般を通じて、5割のラインを維持。9月6日に一度だけ借金1となりましたが、すぐに回復。粘り強かったと言えます。
シクスト・サンチェスが追加エンジン
シーズンを通じて投手陣の中心となったのは、パブロ・ロペス。24才の右腕がここまで11試合で6勝4敗。この日、先発したサンディー・アルカンターラも機能。ERA 3.00(2020年9月25日時点)をキープ。そして、8月22日にデビューした豪腕ルーキー、シクスト・サンチェスの存在がチームに勇気を与えたと思います。
打撃陣ではSSのミゲル・ロハスが打率3割超え。ヘスス・アギラルの存在も大きかったでしょう。つなぎの役割を果たしたジョン・ベルティはOBP .388。マーリンズの打者はOBPが高かったです。
ブランドン・キンツラーの安定感
ゲーム終盤をしっかりと締めたブランドン・キンツラーの存在はやはり大きかったです。ERAは2.31。ニック・ビンセントも機能。そしてブラッド・ボックスバーガーまでもが復活。ERA3点台です。
ジェームズ・ボイドに至ってはERA 1.29。
総じてゲーム終盤をコントロール出来ていたのがマーリンズの強さに繋がりました。
マーリンズ、2度PS進出で2度WSチャンプ
なお、データが2つしかないので、信用性は低いですが、マーリンズは過去、ポストシーズンに2度進出して(1997/2003)、2度ともワールドシリーズ・チャンプになっています。
何が起きてもおかしくない2020シーズン、信じるかどうかはあなた次第。
お読みいただき、ありがとうございました。
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