エンゼルスのセプテンバー・サプライズ
マイク・トラウトのHRタイトルは、ルーク・ボイトの独走(21号)により、厳しい位置づけ(16号)となりましたが、それでもエンゼルスは話題に欠くことはなく、アルベルト・プホルズが661号を放ち、660号のウィリー・メイズを抜き、歴代5位にランクアップ。600号を放ったのは3シーズン前のことでした。
超有名選手の活躍もさることながら、シーズンファイナルウィークに入り、俄然注目されているのが、ジャレッド・ウォルシュ(Jared Walsh)です。
TEX戦でグランドスラム
現地2020年9月21日のレンジャーズ戦では、エンゼルスが1−3と2点ビハインドとなっていた4回裏、レンジャーズ先発のカイル・ギブソンからグランドスラムを放ち、ゲームの流れを一気に引き寄せる活躍を見せました。
9月は8HR & 1.128 OPS
ジャレッド・ウォルシュは今季開幕からメジャーに上がっていましたが、7月に5試合、8月にも5試合に出場するも、いずれもヒットレス(13-0)。もしもトレードデッドラインでメジャークラスの野手を獲得していたなら、おそらくDFAでロスターを空けなければならない候補の一人だったでしょう。
ところが、9月2日のパドレス戦を皮切りに覚醒。現地2020年9月21日時点で、9月は17試合に出場、そのうち16試合で先発。64打数24安打で、打率.375、OBP .394、SLG .844、OPS 1.128。HR 8、二塁打 4、三塁打 1で、RBIは23。一躍、9月のプレーヤー・オブ・ザ・マンスの候補の一人になりそうな勢いです。
また、打撃フォームも足を高く上げるタイミングのとり方が非常にかっこいいです。
そのジャレッド・ウォルシュですが、メジャー2年目なのですが、ちょっと独特なキャリアなので、記載しておきたいと思います。
ジャレッド・ウォルシュとは
ジャレッド・ウォルシュは1993年7月30日生まれの27才。左投げ左打ち。ウィスコンシン州のブルック・フィールドというところの出身。ミルウォーキーもウィスコンシン州にありますが、ブロック・フィールドはミシガン湖に面した位置にあるミルウォーキーよりも西(内陸)にあります。
ドラフト39巡目!!
ジョージア大学の出身で、2015年にアマチュア・ドラフトでエンゼルスから指名を受けたのですが、そのラウンドが39巡目!全体順位が1,185位でのプロ入りなのでした。この遅い指名には驚きです。ちなみに遅い指名でHOFにまでたどり着いた元メッツのマイク・ピアッツァは62巡目でした。
二刀流の選手!
実はジャレッド・ウォルシュは1B/OFと投手の二刀流です。カレッジ時代から二刀流で、カレッジでの投手としての登板はすべて先発で、通算8勝7敗。
プロ入り後の2015年から2019年までも、マイナーのすべてのレベルで二刀流を貫いてきました。
打者としてはマイナー5シーズンのすべてのレベルをあわせて、打率.301、OBP .375、SLG .538、HR 85、RBI 311。
投手の機会はさすがに少ないものの、それでもマイナー3シーズンでリリーバーとして21試合に登板。21.2イニングで2勝2敗、ERA3.74。
クラスA、クラスA+、ダブルAでは計7イニングだったものの、直近の2018年と2019年に所属したトリプルAでは17試合、14.2イニングで1勝0敗、ERA 3.68、2SVという実績があります。
メジャーデビュー後も二刀流
そして2019年5月19日にメジャーデビューを果たしているのですが、デビュー後も二刀流を経験。2019年は投手として5試合、5.0イニングに登板して、0勝0敗、ERA1.80。
2020シーズンは打者としての出場のみですが、9月に入り、何かをつかんだようですね。
非常に独特なキャリアを持つ、ジャレッド・ウォルシュ。今季は残りあとわずかですが、ぜひともファンを楽しませてもらいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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