TORのラッキーボーイとなるか
現地2020年9月21日時点で数字としてはまだポストシーズンのクリンチが確定していないブルージェイズ。現時点で28勝26敗とア・リーグの勝率8位でワイルドカード・スポット2位の位置におりますが、その後ろのマリナーズが24勝30敗ゆえに、ポストシーズン出場は確定と見ていいでしょう。
そのブルージェイズに面白い選手が出てきました。それがアレハンドロ・カーク(Alejandro Kirk)です。
アレハンドロ・カークとは
アレハンドロ・カークは1998年11月6日生まれの21才(2020年の誕生日で22才)。メキシコ出身で2016年9月24日にアマチュアFAとしてブルージェイズとサインしました。17才のときです。右投げ右打ちの捕手です。
身長173cm/120kg
見た目が特徴のある選手で、身長は5フィート8インチ、173cmで体重が120キロ。人気の出そうな体格ですね。これはあくまで公式プロフィールです。現時点の体重がそれ以上か、それ未満かは定かではありません。
マイナーでの成績
カークがブルージェイズとサインした2017年は10月も迫ろうかという時期でしたので、この年はルーキーリーグで1ゲームのみの出場。
2018年もルーキー・リーグスタートで、58試合に出場。打率.353、OBP .443、SLG .558で、HR 10、RBI 57を記録。
2019年はクラスAからスタートし、クラスAプラスに昇格。2つのレベルで92試合、打率.290、OBP .403、SLG .465、HR 7、RBI 44。特筆すべきは二塁打を31本も放っています。
捕手としては、ご覧の捕殺率です。
- 2018(ルーキー): 16 SB / 12 CS : CS% 43%
- 2019(A/A+) : 50 SB / 30 CS : CS% 38 %
正捕手ダニー・ジャンセンが不振
ブルージェイズの今季のマスクは25才のダニー・ジャンセン。メジャー3年目の選手で、2019シーズンは103試合に出場し、このうち94試合で先発。打率.207、OBP .279、SLG .360、HR 13、RBI 43という成績でした。捕手ゆえにバットはあまり期待できないことは想定済みですが、それにしても2020年は打率.160、OBP .297、SLG .292、HR 4、RBI 16と非常に苦しんでいました。
バックアップも次々に不振でチャンスに
セカンドバックアップとして起用されていた25才の捕手、リース・マクガイアは9月5日にマイナーへアウトライト。こちらも打撃不振がその要因でした。
ベテラン34才の捕手、カレブ・ジョセフがリース・マクガイアに代わりセカンド・バックアップとして起用されましたが、こちらも不振で9月11日にDFAに。9月15日にマイナーへアウトライトとなりました。
カレブ・ジョセフをバックアップとしてメジャーに上げたのと同時並行でブルージェイズは8月31日にアレハンドロ・カークをタクシースクワッドに登録し、出場の準備も行っていました。そして、カレブ・ジョセフも厳しいと判断した9月11日にアレハンドロ・カークをメジャーへ。
21才の捕手デビュー
アレハンドロ・カークは現地2020年9月11日のメッツ戦でいきなりの先発フル出場。このゲームでチェイスン・シュリーブからメジャー初ヒットを飛ばしました。
21才の捕手の先発フル出場はブルージェイズ史上最も若い捕手の出場となりました。
その後は、15日のヤンキース戦でも先発フル出場。このゲームでも1安打。16日のヤンキース戦では9回1イニングのみの出場。18日のフィリーズ戦ではダブルヘッダーの1試合目に7イニングフル出場。19日のフィリーズ戦では8回から2イニングマスクをかぶってものの、3戦目以降はノーヒットが続いていました。
ヤンキース戦で4−4!
そして迎えた現地2020年9月21日のヤンキース戦。8番捕手で先発出場を果たしたアレハンドロ・カークは第1打席でRF前シングル、第2打席でレフトへ二塁打、第3打席でRF前シングル、第4打席でRFへホームランを放ち、なんと4打数4安打、1HR、1RBI、3 Runsと活躍。
この日のHRはメジャー初HRです。
この日は偶然、全ての打席でイニングの先頭打者として打席に立ったので、ブルージェイズの攻撃に非常に良い刺激を与え、11-5の大量リードのスコアでの勝利に大きく貢献しました。
ジョー・マウアー以来
なお、21才以下の捕手で1試合4安打を放ったのは2004年にツインズのジョー・マウアーが達成して以来のこと。
また21才以下の選手で、1試合で3安打以上、2本の長打を放ったのはブラディミール・ゲレーロ・ジュニア、テッド・ウィリアムス、ボビー・ドーア以来となります。ビッグネームがビシバシ出てきます。これは良い傾向ですね。
構えから振り出しまではライオンズの中村剛也選手にどこか似ているように思います。
フレーミングも良いかと
筆者は捕手に関してあまり詳しくありませんが、VTRを見る限りフレーミングも良いと思いました。右膝を立てているのは古田さんスタイルですね。ミット側の腕を動かしやすくするためそうしているのかと思います。
まだ6ゲームの出場だけですが、今のところはパスボールは無し。盗塁は2つ決められています。
上背はないものの、座るとかなり大きいので投手は投げやすそうに思えます。
ブラディミール・ゲレロ・ジュニア、ボー・ビシェット(怪我から復帰済み)、キャバン・ビジオなど若い力が台頭しているブルージェイズにさらに面白い素材が加わりました。
ポストシーズンはレイズとの対戦になりそうですが、彼の存在がいい影響を与えれば、面白いことになるかもしれませんね。ブルージェイズのチャーリー・モントヨ監督はレイズ時代は、ケビン・キャッシュ監督の知恵袋のような存在師でした。その意味でもこの対戦は楽しみでもあります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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