イアン・アンダーソンのデビュー戦
ブレーブスのトップ・プロスペクト右腕、イアン・アンダーソン(Ian Anderson #48)が現地2020年8月27日のヤンキース戦でメジャーリーグ・デビュー。
6回を被安打1、失点1、与四球2、奪三振6、被本塁打1で見事、初勝利を上げました!
Congratulations!
アトランタはなんという仕打ちを!
登板2日前の現地24日にデビュー通知が駆け巡った時、「アトランタはなんという試練を与えるのか」と思いました。
デビュー戦の相手がヤンキースでしかも相手先発がゲリット・コール。初物が苦手と言われるヤンキースとは言え、いくらなんでもタフ過ぎるだろうと思いました。
そもそもデビュー予定であった25日のゲームが悪天候のため延期に。翌日の26日にダブルヘッダーのGame1として予定が組まれました。ということは7イニングで終了で、先取点を取った方が優勢になるゲーム。これは投手視点で見ると、相手に先取点を与えてはならないということ。
イアン・アンダーソンは様々な厳しい条件のもとでデビュー戦を迎えたとも言えますね。
5回までNO-NO!
ところが、イアン・アンダーソンは初回から「今の自分が出来ることを淡々とするだけ」と言わんばかりに、冷静に腕を振り続けました。
そして終わってみれば上記の通り、素晴らしい投球。
しかも、5回表を終了した時点でヒットレス!このままNO-NOもあり得るのではないか?というほどの圧倒的な展開に。
打線も援護
イアン・アンダーソンにとってのハードルの一つがヤンキース先発がゲリット・コールであったこと。こればかりは味方打線に委ねるしかりませんが、このハードルをブレーブス打線はすんなりと超えてくれました。勢いをつけたのはやはり、ロナルド・アクーニャ・ジュニアでした。
アクーニャがリードオフHR
ロナルド・アクーニャ・ジュニアはフルカウントまで粘り、97.3mphの4シームに対応。これがLFスタンドに入り、リードオフHRに。
ゲリット・コールは一級品のスライダー、ナックル・カーブも持っていますが、初回だけに4シームで押してきました。もっとも、これに対応できるアクーニャがすごいというしかありませんね。
スワンソンのRFへのHRはなかなかのもの
3回裏、1アウトから四球で出塁したロナルド・アクーニャ・ジュニアは2盗に成功。1本ヒットが出ればという状況で、ダンスビー・スワンソンは90mphのスライダーをRFへ。これは横からの角度で見るとボールがもう体の真ん中にまで来ている引きつけてRFへ放った一打。
右手の押し込みも効いてか、打球はフラフラっと伸びてそのままスタンドイン。2ランHRとなり、ブレーブスが3-0と優位に。
さらに、2アウトからマーセル・オズーナも一発を放ち、4−0。
イアン・アンダーソンを援護しました。
ハードルをいとも簡単にひっくり返した
5回を終えて完全にイアン・アンダーソンのゲームに。残り2イニング、ヤンキースの仕事はゲームをひっくり返すというよりはルーキーからの屈辱的なNO-NOだけは避けるというフェーズに移行しました。
6回表、1アウトからようやくルーク・ボイトがRFへHRを放ち、一矢を報いるも、それが精一杯の状況。
イアン・アンダーソンは6回で降板。最終回の7回のマウンドはシェーン・グリーンに譲り、見事に4-1で逃げ切りました。
かなり厳しいハードルが用意されていたにもかかわらず、イアン・アンダーソンはもう淡々と集中し、結果見事にはねのけました。
イアン・アンダーソンとは
この日、好投したイアン・アンダーソンのプロフィールを簡単に。
1998年5月2日生まれの22才。ドラフトは2016年のブレーブス1巡目指名。高校卒での1巡目指名ゆえ、やはりもともと素晴らしいものを持っていたということですね。出身はニューヨーク州です。
MLB.comのPre-2020のプロスペクト・ランキングでは37位。
2019年はダブルA、トリプルAの2つのレベルで26試合に先発、135.2イニングを投げ、8勝7敗、ERA 3.38。BB9が4.3、SO 9が11.4。 172/65 K/BB。
数字以上の伸び
デビュー戦の4シームのベロシティーは平均でMid-90で、94mph前後が大半でした。MAXは95.8mph。ただ数字以上に球威の点で荒々しかったと思います。
変化球はチェンジアップとカーブ。チェンジアップは87mph前後、カーブは絶品で70mph台後半というのもありました。
腕のスイングは肘への負担が少なそうなスイングに思えます。結構好きです。
筆者はVTRを見ながら、自然とどんなタイプの投手かを探していたのですが、荒々しさや投球フォームからレイズのタイラー・グラスノーを見ているようにも思えました。
TDLにも影響か?
ブレーブスはトゥーキー・トゥーサンをブルペンに移動。今回、イアン・アンダーソンが期待どおりの活躍をしてくれたことで、トレードデッドラインの補強にも影響を与えそうです。
クリーブランドの2人を追うとしてもどちらかということになるかもしれません。そもそも補強するのかどうか。
Game2も渋い勝ち方
ブレーブスはGame2でもヤンキースに勝利。ダブルヘッダーで連勝しています。Game2ではマックス・フリードが先発。5回表に先制点を許すも、6回裏にフレディー・フリーマンが2ランHRを放ち勝ち越し。2−1で勝っています。マックス・フリードは5勝0敗!
ブレーブス、強いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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