今季スローペースの超大砲が移籍
トレードデッドラインまで残り1週間となりましたが、現地2020年8月23日、トロント・ブルージェイズが動きました。
マリナーズから1BでDHのダニエル・ボーゲルバック(Daniel Vogelbach )を獲得しました。
トレード概要
このトレードは1人しか動きません。マリナーズからブルージェイズへダニエル・ボーゲルバックが動くだけです。
ブルージェイズからマリナーズにはキャシュ・コンシダレーション(金銭同等物)が動きます。つまりは金銭トレードということですね。
マリナーズ、ボギーをDFAに
このトレードが決まる5日前の現地2020年8月19日、マリナーズはダニエル・ボーゲルバックをDFA(Designated For Assignment)としました。
この報道を見たとき、マリナーズは正気か!?と思いました。
というのはダニエル・ボーゲルバックと言えばやはりその長打力が魅力。
下記のVTRは2018年4月14日のアスレチックス戦での一コマ。この一発は非常に衝撃的でした。
2018シーズンに印象に残った出来事一覧の記事にも記載したほど。
2019シーズンは30HR
ダニエル・ボーゲルバックの2019シーズンの成績は144試合で、462打数96安打。打率が.208、OBPが.341、SLGが.439でHRは30本、RBIは76。
長距離打者として成長を見せ始めたところだったのです。
2019年は試合数の割には打数が少ないのですが、144試合中、スタートが129試合。1Bとしての出場は57試合で、DHでは81試合の出場。代打での出場が11試合でしたので、かなりゲームには出ておりました。打席数は558。
ここまで育てておきながら勿体ないというのがこのトレードの一方の印象でもありました。
2020年は打率.094
DFAはあくまで40manロスターの枠を空けるための処置に過ぎませんが、ゲームから出なくなる処置であることも確か。そして期限内にトレードの伺いをたてる訳ですが、今回はそのトレードでディールが成立したということになります。
ある面でカブスのカイル・シュワーバーを超える逸材でもあるダニエル・ボーゲルバックをどうしてマリナーズはDFAにしたのか?
それは今季のスロー・スタートぶりにあるようです。
ダニエル・ボーゲルバックの2020シーズンの成績は18試合で53打数5安打、打率は.094!HRは2本でRBIは4、そしてBBが11。OBPは.250、SLGは.226(現地2020年8月24日時点)で、たしかに壊滅的な数字です。
1Bにホワイト、DHでの打率の悪さ
また、マリナーズは今季エバン・ホワイトが台頭。彼が1Bを守ります。ダニエル・ボーゲルバックはDH専門に。ところが上記の通り、打率が悪すぎて相手に恐怖感を与えるまでには至りませんでした。
その意味でマリナーズがダニエル・ボーゲルバックをDFAからウェーバー公示という手続きを取り、トレードを成立させてチーム外に出したのはいささか仕方ない面もあります。
しかし、もっと化ける可能性もあったのではないか?とも思います。
新天地ブルージェイズでは代打要員か
新天地のブルージェイズではダニエル・ボーゲルバックはあくまでベンチ要員としてカウントされている模様。そして代打での出場機会を伺うということになりそうです。しかも右投手の時という条件も。
DHはすでに満杯
ブルージェイズは、DH候補がすでにたくさんおります。ブラディミール・ゲレーロ・ジュニアもその一人。たまには守備から開放してやる必要もあります。そしてロウディ・テレスもおり、すでに満杯状態です。
ボーゲルバックにとっては今まで以上に集中力を研ぎ澄まさなければならない状況がつづきそうです。
ブルージェイズの補強ポイントは投手
ボーゲルバックがウェーバー公示となり、いわば手を上げて獲得に走ったブルージェイズではありますが、現時点での補強ポイントはあくまで投手。マット・シューメーカーが肩の炎症で離脱しました。
よって、今回のトレードは決してマッチするものではありませんが、ブルージェイズとしては攻撃のオプションは増えます。
新天地で活躍を
超一流の長打力をもつダニエル・ボーゲルバックをブルージェイズがその才能を開花させ、活躍させることを期待するしかないですね。
なかなかこれだけ飛ばす逸材はいません。チャーリー・モントヨ監督のもとで視点が変わればかなり化けるとはおもうのですが。元レイズの頭脳だったモントヨ監督なら、彼をうまく方向づけることが出来るかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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