MLBPAがすかさずカウンター
現地2020年6月9日、MLBとMLBPA(以下選手会)の開幕をめぐるサラリー・バトルに新たな進展がありました。
その前日の現地2020年6月8日に、MLB側から76試合、日割りの75%などの提案があったばかり。選手会側のレスポンスは当初10日のドラフト日にということでしたが、さすがにルーキー候補にスポットライトをフルに浴びてもらうべく、選手会側が1日早く動きました。
選手会側が89試合をカウンター提案
現地2020年6月9日、選手会が提案した内容の詳細です。
- シーズン試合数:89
- プロレーティッド(日割り):100%
- ポストシーズン拡大:2020年と2021年の2シーズンは16チーム
- リスクを懸念する選手はやはりオプトアウト可
- マイナーリーガーと社会正義にフォーカスした団体向けに$5Mのファンド創出
選手はあくまで日割り100%
選手会側は現地2020年5月31日に114 試合(6/30-10/31)の開催を提案。
今回の提案はそれより25試合ほど少ない試合数となりました。これは差し迫るスケジュールから考えても、ほぼ最大限の設定。
そして選手会側がこだわるのはあくまで日割りは100%であるということ。すでに試合数に比例して減額になることに合意をしているので、そこからさらにレートを下げるなど、あり得ないという主張です。
ゲームを盛り上げる意思はあり
前日の記事にも書かせていただいた通り、選手会側にはなんとか野球を盛り上げようという意図があります。
もっともその最大の動機は収入減を防ぐことにあるのは明白ですが、それでも、レギュラーシーズンの試合数を可能な限り多く、そしてポストシーズンも拡大して盛り上げようという意思は十分に伝わってきます。
今回の提示はポストシーズンの時期がいつまでずれこむのかまでは明記していませんが、MLB側が提示した、シーズン最終日が9月27日という設定はあり得ないというメッセージでもあります。
そう言えば2017、2018年オフのFA市場も
前日の記事(上記リンク)の通り、オーナー側はスライドスケールサラリーを提示して以降、ゲーム数に上下はあるものの提示するレートはほぼ同じ。
むしろ動いているのは選手会側。
交渉ごとでは動く方が負けるケースが多いですが、今回のケースを見ると、動いているのは選手会の方です。どうもオーナー側はテコでも動く意図がないように思います。特に支払いに関してはそう思います。
そう言えば2017年オフから始まった遅いFA市場もオーナー側の様子見でかなり迷惑を被ったプレーヤーがおりました。もっとも、FAの場合は大物選手を抱えているエージェントのスコット・ボラス氏の戦術面も考慮に入れないといけませんが、オーナー側が交渉優先の姿勢を貫いてきたFA市場だったとも言えます。
オーナー側の言い分
ただ、とあるオーナーはこんなことも漏らしているようです。ボールを動かしていないのはユニオンの方で、彼らこそ考えを変えるべきだという発言です。
現地2020年6月10日から2020ドラフトが始まります。もともとはスプリングトレーニング2.0が始まる日でもありました。
ファン視点、立場の弱い選手(マイナーリーガー)を思いやる視点はどちらの方が多いのか?
差し迫る時間に音を上げるのを待っているのはオーナー側のような気がします。とにかく、シーズンは開催して欲しいものです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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