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【プレーバック2019】16連敗、61被弾!オリオールズがヤンキース戦で叩き出した珍記録

2020のBALの奮起に期待

 現地2020年5月16日もMLBとMLBPA間で大きな進展はありませんでした。ジェフ・パッサン氏からは両者の1度目のミーティングでMLBがMLBPAに対し、無観客となった場合の収益ロスの資料を配っていたというのが明かされたくらいです。当然、大きめのロスの数字が出ましたが、こちらは後日分析します。

壊滅的だった2019のオリオールズ

 さて、2020年は同一地区の対戦が比率としてかなりの割合を占めるということで、そう言えば2019年はオリオールズがヤンキースに壊滅的と言っていいほどコテンパンにやられてしまったなと思い、今一度その記録を見てみたいと思い、下記にまとめてみました。

実は開幕シリーズでNYYに勝ち越し

 前評判が悪いクラブは序盤にいい戦いぶりを見せることがままあります。

 この年のオリオールズもそうで、3月28日から始まったヤンキースとのオープニングシリーズは、初戦こそ田中投手にやられ2−7で敗れたものの、その後は2連勝!

 しかもこの連勝は内容がとても良く、後半まで僅差に持ち込んで終盤にリードを奪い、最後は追い上げられながらも全員で逃げ切るという野球の魅力を満載した戦いぶりを見せ、オープニングシリーズの勝ち越しに成功。これは!と思ったものです。

4月20日までしか持たず

 しかし、前評判の悪いクラブは通例、立ち上がりはよくてもいつの間にか失速してしまいます。それが5月半ばにくるのか?あるいは夏までもつか?

 この年のオリオールズは4月20日にそれが来てしまいました。オリオールズはその日に5位に落ちて以降、上がることがありませでした。

 実に20試合しか持たなかったのです。

壊滅的だったヤンキース戦

 とにかくシーズンを通じてコテンパンにやられてしまった2019年のオリオールズですが、特に悲惨だったのがヤンキース戦。その極めて稀な記録の数々をご覧いただきましょう。

1. 対戦成績は2勝17敗

 AL東地区同士であるがゆえに対戦試合数が多く組まれているヤンキース戦ですが、オリオールズはシーズンを通して19戦で2勝17敗と壊滅的な数字を残してしまいました。しかもその内容がすごい。

  • ヤンキースが目覚める前の3月に2連勝しただけ(上記の開幕シリーズで勝ち越し)
  • 以降は16連敗(4戦目から19戦目まで)

 ヤンキースに17敗したのは1959年にカンザスシティ・アスレチックスが5勝17敗をして以来60年ぶり。

2.カムデンヤーズでは15連敗

 そして2019年はホームのカムデンヤーズで10試合が組まれていましたが、なんと未勝利!しかも、ホームでは2018年7月10日にサヨナラ勝ちをおさめて以来、2018年7月11日から未勝利が続いており、2年越しで15連敗です。 

 3. 被本塁打数:61

 もはや悪い意味での金字塔となってしまったのが、ヤンキース戦61被弾の記録です。ヤンキース相手の過去の被弾記録としては、やはりカンザスシティ・アスレチックスが登場します。

  • カンザスシティ・アスレチックス(1956):22試合で48被弾

 2019年のオリオールズはこれを3試合少ない19試合で13HRも上回ったのでした。

 ただ、これに関しては、ジュースド・ボール(改造ボール)の影響でMLB全体で2019シーズンのHR数が、前年より1,191本も増加したという背景があることは一言付け加えておきたいと思います。

【MLB HR推移 過去2年】

  • 2019: 6,776 / 1.39 per Game
  • 2018: 5,585 / 1.14 per Game

4. グレイバー・トーレスにやられる 

 オリオールズがヤンキース打線の中でもっとも打たれたのがグレイバー・トーレス。トーレスのオリオールズ戦の成績は18試合で26安打、13HR、20RBI、打率.394、OBP .467、SLG 1.045。

5. 多彩な顔ぶれにHRを打たれる:17バッター

 年間を通してオリオールズ投手陣はヤンキースの17人のバッターにHRを打たれたというエピソードも残しました。

 しかもそのうち3HR以上放っているのが9人。そして上記のグレイバー・トーレスには18試合で13HR、ゲイリー・サンチェスには14試合で10 HRも打たれたのでした。

6. デービッド・ヘスが最多13被弾

 そしてヤンキース打線にもっとも貢献してしまったのがリリーバーのデービッド・ヘス(David Hess)。6試合20イニングで13被弾、SLG.802。

 一応、三振は17個奪っています。しかし、BBが9個。これでは厳しい数字がでますね。

7. カムデンヤーズで43被弾

 ホームでヤンキースに1勝もできなかったオリオールズですが、それは数字にも表れていて、19戦中ホームのカムデンヤーズの10試合でなんと43本も被弾していたのでした。

 61被弾中、43被弾ですから、ホームでの被弾率は実に70%。

 ヤンキースはカムデンヤーズで打率.320、OBP .398、SLG .725を残しました。

8.シーズン被弾数が、ヤンキースの年間HR数とほぼ同じ

 これはヤンキース戦に限った話ではありませんが、2019年のオリオールズの被本塁打数は305HRでMLB ワースト1。ちなみに2位はロッキーズの270被弾。

 これはヤンキースが2019年に放ったHR数306本とほぼ同じ数字です。ちなみに2019年のNO.1 HR数はツインズの307HR。

2019オリオールズのスタッツ 

 ヤンキース戦も含むめた2019年のオリオールズのチームスタッツです。

  • シーズン: 54勝108敗
  • 勝率:.333
  • ホーム:25勝50敗
  • ロード:29勝52敗
  • 得点:729
  • 失点:981 (得失点差:−252)
  • 勝ち越した相手:エンゼルスのみ(4勝3敗)
  • タイ:ナショナルズ(2勝2敗)、ロイヤルズ、ホワイトソックス(3勝3敗)
  • 未勝利:ツインズ(0勝6敗)
  • 被本塁打数:305(MLBワースト1位)
  • ERA : 5.59 (MLB ワースト1位)
  • 被安打数:1,544 (MLB ワースト3位)

2019年ベストゲームの一つがオリオールズ

 2019シーズンはポストシーズンが非常に面白かったですが、レギュラーシーズンでベストと言ってもいいくらいに面白いゲームを演じたのは実はオリオールズでした。

 現地2019年7月26日、エンゼルスとの死闘は延長16回に。

 はらはらしたシーソーゲームを締めたのはまさかのポジション・プレーヤー・ピッチングだったということで野球の面白さを凝縮したゲームを見せてくれたのでした。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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