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【MLB2020】7月開幕に向け、オーナー側がMLB側のプランを承認。その8つのポイントとは?

オーナーが承認→いよいよ選手会へ

 前日の記事でもお伝えさせていただいた通り、現地2020年5月11日、MLBのコミッショナー・オフィスは新型コロナウィルスの影響により、イレギュラーな形にならざるを得なくなった2020年シーズンのプランをオーナー側とのミーティングで議論の俎上にのせました。

 そして、承認されました。いよいよ次なるステップの選手会への提案が現地2020年5月12日(火)に行われます。ここで選手会側から了承されれば、晴れて2020年の7月開幕が実現することに。ただ、前日もお伝えしたように、まだ議論が紛糾する可能性もあり、選手会側の出方に注目が集まります。

MLBが提案し、承認された8項目

 現地2020年5月11日、MLB側がオーナーから承認を得たのは以下の7つのポイント。そして7月の早期開幕はこれらを選手会側が了承するかどうかにかかっています。

  1. プレーオフ参加クラブは10から14へ拡大
  2. レギュラーシーズンは162試合が82試合の設定に
  3. 州、連邦政府の承認を得たホームスタジアムの使用
  4. スプリングトレーニング2.0は6月スタート、シーズン開幕は7月初頭
  5. ユニバーサルDHの採用
  6. 同一地区の対戦。インターリーグも同地区での対戦に
  7. アクティブロスターは30manに 、枠は50人に
  8. レベニュー・シェアリング: 50/50

 では順番に見て行きたいと思います。

1.プレーオフ参加クラブは10から14へ拡大

 今まではAL、NLから5クラブがポストシーズンに進出。計10クラブでした。しかし、MLBが提案したのは各リーグ7クラブずつの計14クラブのプラン。これは現地2020年2月10日にマンフレッド・コミッショナーが提案していた新フォーマットそのものです。

 ここぞとばかりに実験を兼ねて放り込んできましたね。これはあくまでも2020年の特例と思いたいです。30クラブ中、約半数がポストシーズンに進出に。

 詳しい情報は下記の記事にしたためてあります。結構、反対意見が多かったです。

2.レギュラーシーズンは162試合が82試合の設定に

 100から110という設定の話もありましたが、結局51%の設定の82試合ということに。

3.州、連邦政府の承認を得たホームスタジアムの使用

 5月中はパンデミックの拡大を防止するため、マスギャザリングの規制を解いていないところが大半。その後は多くの州が規制を解除する見込みではあるものの、中には警戒を緩めないところもあると考えるのが現実的です。

 よって、州または地方自治体がシーズンの再開を承認していないために球場が利用できない事態も考えられるため、マンフレッド・コミッショナーはオーナー達にすでに別の都市でのホームゲーム開催の準備も出来ていると伝えているようです。

 また、マンフレッド・コミッショナーは全国の各州の知事にシーズン開催を求めるロビー活動をしているとも。例えば、クリーブランドやシンシナティのある オハイオ州、ボルチモアのあるメリーランド州など。

 規制が解かれることを注視していき、解かれない都市があった場合、ホームをどう定めるかは今後一ヶ月の動きに注目です。

4.スプリングT2.0は6月スタート、シーズン開幕は7月初頭

 このスケジュール設定はトレーバー・プルーフがリークしたスケジュール感とほぼ一致。現時点では7月1日なのか、あるいは独立記念日の4日(土)か、その翌日の5日(日)なのかは具体的な日付は特定できておりません。

 なおゲームのスケジュールは組まれておらず、アリゾナやフロリダに集結するのも移動のリスクなどがあるためホームでの調整になる見込みです。

 これは現地12日(火)に持ち込まれる選手会側との話し合いがどこまでスムーズに行われるか次第です。後述するレベニュー・シェアリングを選手会側は拒否すれば長引く可能性も。オーナー、選手会双方で建設的な話し合いが出来なければ最悪のパターンも可能性としてはまだあり得ます。

5. ユニバーサルDHの採用

 これは昨日の記事でも書かせていただきましたが、やはり提案されました。2020年限定であって欲しいものです。

6.同一地区の対戦。インターリーグも同地区で

 移動による感染のリスクを抑える施策として、同一地区での対戦でスケジュールが組まれることになりました。よって、インターリーグもそうです。AL・イースト VS NL・イーストなど近隣で対戦が組まれます。

 選手たちはバス移動で済むような対戦が組まれます。

7. アクティブロスターは30man 、枠は50人に

 今季から26人になるはずだったアクティブ・ロスターの数は30人に、そして40人枠は50人枠に拡大します。

8. レベニュー・シェアリング: 50/50

 シーズン開催に向けたもっとも高いハードルはこれです。MLBはMLBPAに2020年の収益を50対50に分割し、そのお金がプレイヤー間でどのように分配されるかはMLBPAが判断するということを提案しました。

 レベニュー・シェアリングという概念で、すでに他のスポーツは導入しており、NFLでは選手が48%、NBAではレベニューの額次第で選手が49から51%取得出来るように設定。NHLは選手が50%です。

 よって、今までやってきていなかったのはMLBのみ。これもこの機会に放り込まれたような案ですね。これは、3月に合意したこと以外の新たなサラリーカットでもあります。

選手会側は拒否の見込み 

 選手会トップのトニー・クラーク氏は12日のこの提案の報道に対し、「サラリーキャップに通じる」との見解をしてしていることから、選手会側はこれに対しては拒否する見込みです。 

サラリーキャップ制度とは?

 これは所属する選手に支払う年俸の総額が毎年リーグ全体の収益によって変わるということ。もう少し正確に言うと、選手に支払われるサラリーの上限金額がリーグ全体の収益によって定められるということになります。

 これによって、金銭的に優位に立つクラブがほぼなくなり、どのクラブも戦力が均衡します。例えばNFLでは連覇は非常に難しいと言われています。

 MLBはサラリー・キャップが唯一ないプロスポーツであるため、やはり金銭的に豊かなクラブが毎年良い成績を残せます。もっとも、贅沢税制度が効いており、金満クラブがそのままずっとワールドシリーズ・チャンプになれる訳ではありません。

 レッドソックスなどは今オフ、それで苦労していますし、贅沢税によってFA選手が他のクラブに流出し、戦力的は拡散し、薄まる効果もあります。

 選手会側はプレーしたゲーム数に応じてサラリーが比例配分されることは3月の合意により保証されていると反論する見込みです。つまりはこれ以上はサラリーダウンの要素は飲めないと。

 サラリー・キャップは過去何度も選手会側に提案されてきているものの、今回も拒否するのは間違いないでしょう。

 まさにここが早期開催のポイントです。どういう落とし所になるか注目です。オーナー側としては選手会のこのリアクションは予想されており、ここで揉めれば選手会側がシーズン開幕を遅らせていると悪者に出来る流れにもってきてはいます。選手会側もそれに対抗する第三案をもっていると思われますので、どうでるのかちょっと予想できません。大きなポイントです。

 お読みいただき、ありがとうございました。 

 

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